106 / 179
第四章 それぞれの選択
side Osaka7 -デートの続き-
しおりを挟む
ターゲットたちが入ったホテルから少し離れた場所。
戻ってきてから約十五分くらい経つだろうか。
ターゲットたちがホテルから出てくるのが見えた。
どうやら二時間で出てきたくれたようだ。
「出て来たね。」
光は唯志のすぐそばで、小声でつぶやいた。
「幸せそうな笑顔だなー。なんか申し訳なくなるな。」
唯志はニヤッと笑いながら言っている。
申し訳ないなど、心にも思ってないんだろう。
「絶対思ってないよね!?悪そうな顔してるよ!?」
光にもそれがわかり、思わずツッコんだ。。
そんなことを言いながらも、唯志は手早く且つさりげなく写真撮影を済ませていた。
「んじゃ行くか、ひかりん。」
事を済ませた唯志は、そう言って唯志は繁華街の方へ歩き出した。
光もそれに続く。
「もう用事はすんだけど、どうする?どっか行きたいところとかある?」
時刻はまだ十六時前。
まだ十分に時間はあった。
「んー、唯志君今日夕飯は?」
「考えてないなー。莉緒も遅いだろうし。」
「ならどこかで一緒に食べて行こうよー。」
「そうだなー。そうすっか。」
「やった!」
光は嬉しそうだ。
「何か食べたいものある?」
「うーん、どうせなら大阪っぽいもの食べたい!」
「なるほどな。ちな、今日までにそれっぽいもの何か食べた?」
「えっと、さっき唯志君とたこ焼き食べたよ。」
「うん。・・・ん?それだけ・・・?」
「そうだよ?タク君ちいると基本コンビニだからねー。」
光は苦笑いしていた。
「マジか・・・。いや、なんかごめんな。あいつそう言うの慣れてないから。悪気はないんと思うんだが・・・。」
「え、いやいや!大丈夫だよ!タク君には居候させてもらってるだけでも大感謝だから!」
「そう言ってもらえると助かる。」
何故か唯志が申し訳なさそうにしていた。
「あー、で今日は何にしようか。大阪っぽいって言ったらお好み焼きとか串カツとかでどう?」
「ええー、どうしようかなー。じゃあ--」
――
光と唯志が鉄板を挟んで座っていた。
光がチョイスしたのはお好み焼きだった。
「自分で焼いてみたかったんだー。」
光はニコニコしながら自分の注文した分をひっくり返していた。
一方の唯志はと言うと・・・
「こんなん店員さんに焼いてもらったら方が楽でいいのに。」
自分で焼く気はゼロの様だ。
「ええー?楽しいのに。」
そう言いながら光は今か今かと返すタイミングを見計らっていた。
「いや、そう言うのは家でいくらでも出来るじゃん。」
「私やったことないし!」
何にしても光が楽しそうなので良いかと、唯志はビールを飲んでいた。
--
「あの二人、すごく仲良かったね・・・。幸せそうだった。」
焼き上がったお好み焼きを食べながら、光が思い出したかのように言い出す。
「そだなー。」
「でも、不倫なんだよね・・・。」
光は自分の友人のことかの様に複雑な顔をして落ち込んでいた。
「ひかりんが気に病むことないんだぞ?」
「でも、あの二人が幸せなそうにしてる分、悲しんでる人がいるんだよね?そう思うと・・・。」
光が言ってるのは依頼人である男の妻のことなんだろう。
その人のことを思えば・・・という感情移入してしまっている。
「・・・悲しんでるかはわからねーよ?」
「なんで?最愛の旦那さんが隠れて不倫してるんだよ!?」
「・・・最愛かわからないだろ。」
「・・・え?」
光は不思議な顔をしていた。
「夫婦生活は冷めきっていて、妻の方は離婚したかった。そんな時、ちょうどいい感じに旦那が浮気をしてくれた。とかかもよ?」
「え?・・・え?」
「実はあの女性は妻が仕向けた『別れさせ屋』かもしれない。」
「ええ!?」
光は驚いて口をあんぐりと開けていた。
「まぁそう言うこと。結局のところ、真実(ほんと)のところなんて誰にもわからない。少なくとも俺たちには、な。」
「えっと・・・。それはそうなのかもだけど・・・。」
唯志には世の中で起こる全てがインチキにでも見えているんだろうか。
光はそう思った。
「まぁだからあまり気にするなって話だよ。俺らは依頼通り仕事した。それだけだ。それ以上は当人同士の話であって、口出すのは野暮ってもんだぞ。」
唯志はお好み焼きを食べながら何食わぬ顔でそう続けた。
「んー・・・。言いたいことはわかるけど・・・。」
光はいまいち納得できない様だ。
「そんなこと気にするより、今は目の前のお好み焼きを気にした方が良いぞ。」
唯志がそう言って目を向けたお好み焼きは、鉄板の上で焦げかけていた。
「あー!そう言うのは早く言ってよー!!」
光は大慌てでお好み焼きを皿に移し、食べ始めた。
「結局さ、そう言うことなんだよ。」
唯志がぽつりと続けた。
「・・・?」
光は何の話か分からなかった。
「あのカップルのことなんて考えてもわからない。だけど、事情を知ったら余計やりづらくなる。」
「・・・」
「世の中には深入りしすぎない方が良い事も多々あるってこと。」
唯志はそう言うと、さっき追加したビールを飲み始めた。
ぼかしてはいる。
だけど、多分。
唯志は昼間の話の続きを言っているんだろう。
光はそう思った。
----
「--余計な事は気にしない方が良い。後で荷物になっちゃうぞ?」
----
今までどんなに無茶なことを言っても平気な顔をして応えてくれた唯志。
だけど、この時だけは確かに拒絶されているのを感じた。
これ以上深入りしない様に釘を刺されたのかもしれない。
だが、光は・・・
「それでも私、やっぱり知りたいって思う。これは譲らないからね!」
光は唯志に向けてそう宣言した。
戻ってきてから約十五分くらい経つだろうか。
ターゲットたちがホテルから出てくるのが見えた。
どうやら二時間で出てきたくれたようだ。
「出て来たね。」
光は唯志のすぐそばで、小声でつぶやいた。
「幸せそうな笑顔だなー。なんか申し訳なくなるな。」
唯志はニヤッと笑いながら言っている。
申し訳ないなど、心にも思ってないんだろう。
「絶対思ってないよね!?悪そうな顔してるよ!?」
光にもそれがわかり、思わずツッコんだ。。
そんなことを言いながらも、唯志は手早く且つさりげなく写真撮影を済ませていた。
「んじゃ行くか、ひかりん。」
事を済ませた唯志は、そう言って唯志は繁華街の方へ歩き出した。
光もそれに続く。
「もう用事はすんだけど、どうする?どっか行きたいところとかある?」
時刻はまだ十六時前。
まだ十分に時間はあった。
「んー、唯志君今日夕飯は?」
「考えてないなー。莉緒も遅いだろうし。」
「ならどこかで一緒に食べて行こうよー。」
「そうだなー。そうすっか。」
「やった!」
光は嬉しそうだ。
「何か食べたいものある?」
「うーん、どうせなら大阪っぽいもの食べたい!」
「なるほどな。ちな、今日までにそれっぽいもの何か食べた?」
「えっと、さっき唯志君とたこ焼き食べたよ。」
「うん。・・・ん?それだけ・・・?」
「そうだよ?タク君ちいると基本コンビニだからねー。」
光は苦笑いしていた。
「マジか・・・。いや、なんかごめんな。あいつそう言うの慣れてないから。悪気はないんと思うんだが・・・。」
「え、いやいや!大丈夫だよ!タク君には居候させてもらってるだけでも大感謝だから!」
「そう言ってもらえると助かる。」
何故か唯志が申し訳なさそうにしていた。
「あー、で今日は何にしようか。大阪っぽいって言ったらお好み焼きとか串カツとかでどう?」
「ええー、どうしようかなー。じゃあ--」
――
光と唯志が鉄板を挟んで座っていた。
光がチョイスしたのはお好み焼きだった。
「自分で焼いてみたかったんだー。」
光はニコニコしながら自分の注文した分をひっくり返していた。
一方の唯志はと言うと・・・
「こんなん店員さんに焼いてもらったら方が楽でいいのに。」
自分で焼く気はゼロの様だ。
「ええー?楽しいのに。」
そう言いながら光は今か今かと返すタイミングを見計らっていた。
「いや、そう言うのは家でいくらでも出来るじゃん。」
「私やったことないし!」
何にしても光が楽しそうなので良いかと、唯志はビールを飲んでいた。
--
「あの二人、すごく仲良かったね・・・。幸せそうだった。」
焼き上がったお好み焼きを食べながら、光が思い出したかのように言い出す。
「そだなー。」
「でも、不倫なんだよね・・・。」
光は自分の友人のことかの様に複雑な顔をして落ち込んでいた。
「ひかりんが気に病むことないんだぞ?」
「でも、あの二人が幸せなそうにしてる分、悲しんでる人がいるんだよね?そう思うと・・・。」
光が言ってるのは依頼人である男の妻のことなんだろう。
その人のことを思えば・・・という感情移入してしまっている。
「・・・悲しんでるかはわからねーよ?」
「なんで?最愛の旦那さんが隠れて不倫してるんだよ!?」
「・・・最愛かわからないだろ。」
「・・・え?」
光は不思議な顔をしていた。
「夫婦生活は冷めきっていて、妻の方は離婚したかった。そんな時、ちょうどいい感じに旦那が浮気をしてくれた。とかかもよ?」
「え?・・・え?」
「実はあの女性は妻が仕向けた『別れさせ屋』かもしれない。」
「ええ!?」
光は驚いて口をあんぐりと開けていた。
「まぁそう言うこと。結局のところ、真実(ほんと)のところなんて誰にもわからない。少なくとも俺たちには、な。」
「えっと・・・。それはそうなのかもだけど・・・。」
唯志には世の中で起こる全てがインチキにでも見えているんだろうか。
光はそう思った。
「まぁだからあまり気にするなって話だよ。俺らは依頼通り仕事した。それだけだ。それ以上は当人同士の話であって、口出すのは野暮ってもんだぞ。」
唯志はお好み焼きを食べながら何食わぬ顔でそう続けた。
「んー・・・。言いたいことはわかるけど・・・。」
光はいまいち納得できない様だ。
「そんなこと気にするより、今は目の前のお好み焼きを気にした方が良いぞ。」
唯志がそう言って目を向けたお好み焼きは、鉄板の上で焦げかけていた。
「あー!そう言うのは早く言ってよー!!」
光は大慌てでお好み焼きを皿に移し、食べ始めた。
「結局さ、そう言うことなんだよ。」
唯志がぽつりと続けた。
「・・・?」
光は何の話か分からなかった。
「あのカップルのことなんて考えてもわからない。だけど、事情を知ったら余計やりづらくなる。」
「・・・」
「世の中には深入りしすぎない方が良い事も多々あるってこと。」
唯志はそう言うと、さっき追加したビールを飲み始めた。
ぼかしてはいる。
だけど、多分。
唯志は昼間の話の続きを言っているんだろう。
光はそう思った。
----
「--余計な事は気にしない方が良い。後で荷物になっちゃうぞ?」
----
今までどんなに無茶なことを言っても平気な顔をして応えてくれた唯志。
だけど、この時だけは確かに拒絶されているのを感じた。
これ以上深入りしない様に釘を刺されたのかもしれない。
だが、光は・・・
「それでも私、やっぱり知りたいって思う。これは譲らないからね!」
光は唯志に向けてそう宣言した。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
Blue Bird ―初恋の人に再会したのに奔放な同級生が甘すぎるっ‼【完結】
remo
恋愛
「…溶けろよ」 甘く響くかすれた声と奔放な舌にどこまでも落とされた。
本宮 のい。新社会人1年目。
永遠に出来そうもない彼氏を夢見つつ、目の前の仕事に奮闘中。
なんだけど。
青井 奏。
高校時代の同級生に再会した。 と思う間もなく、
和泉 碧。
初恋の相手らしき人も現れた。
幸せの青い鳥は一体どこに。
【完結】 ありがとうございました‼︎
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスで一番人気者の女子が構ってくるのだが、そろそろ僕がコミュ障だとわかってもらいたい
みずがめ
恋愛
学生にとって、席替えはいつだって大イベントである。
それはカースト最下位のぼっちである鈴本克巳も同じことであった。せめて穏やかな学生生活をを求める克巳は陽キャグループに囲まれないようにと願っていた。
願いが届いたのか、克巳は窓際の後ろから二番目の席を獲得する。しかし喜んでいたのも束の間、彼の後ろの席にはクラスで一番の人気者の女子、篠原渚が座っていた。
スクールカーストでの格差がありすぎる二人。席が近いとはいえ、関わることはあまりないのだろうと思われていたのだが、渚の方から克巳にしょっちゅう話しかけてくるのであった。
ぼっち男子×のほほん女子のほのぼのラブコメです。
※あっきコタロウさんのフリーイラストを使用しています。
まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編6が完結しました!(2025.11.25)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
一億円の花嫁
藤谷 郁
恋愛
奈々子は家族の中の落ちこぼれ。
父親がすすめる縁談を断り切れず、望まぬ結婚をすることになった。
もうすぐ自由が無くなる。せめて最後に、思いきり贅沢な時間を過ごそう。
「きっと、素晴らしい旅になる」
ずっと憧れていた高級ホテルに到着し、わくわくする奈々子だが……
幸か不幸か!?
思いもよらぬ、運命の出会いが待っていた。
※エブリスタさまにも掲載
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる