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最終章 未来へ
東京旅行④
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そこら中から甘い香りが漂ってくる。
道行く人はみんな笑顔のカップルか家族連れ。
あっちではアヒルをモチーフにしたキャラの彼女の方が現れ、人が殺到している。
こっちでは、ネズミや犬の耳を付けた小さな女の子が走り回っている。
遠くを見ると、絵本でしか見たことないようなお城が見える。
拓哉は見たことない幸せな空間に、その不思議な力に圧倒されていた。
外界とは隔離された、まさに夢の国と呼ぶにふさわしい場所だと、そう思った。
「吉田、何してんねん。はよ行くで!」
御子はもういつもの調子に戻っていた。
先程のニコッと微笑んだ御子。
悔しいが目を奪われた。
(正直、可愛いと思った。)
拓哉は心を読まれたくなかったので、御子から目を背けていた。
「吉田、どないしたん?」
目を背けている拓哉の顔を、御子が覗き込んできた。
「べ、別に!何でもないよ!」
咄嗟に顔を背けて答えた。
顔が真っ赤なのが自分でもわかるほどだった。
「なーなー、あそこの店でなんか買おうやー。」
御子はそう言って拓哉の服を引っ張った。
御子の指さす先には色んなグッズを売ってる店があった。
一緒に耳とか付けて回りたいという意味だろうか。
そう考えてる間も、御子は拓哉をぐいぐいと引っ張っている。
「わかったから。」
拓哉は渋々といった態度で応じ、御子ついてショップへと向かった。
--
「ほらほら吉田。可愛いやろ?」
御子は、リボンのついたネズミの耳のようなものをつけて、はしゃいでいた。
「ほら、あんたにはこれ。」
御子はそう言って、犬のキャラの帽子?カチューシャ?
よくわからないものを差し出してきた。
(このキャラって確かペット・・・。)
拓哉はそう思ったが、黙っていた。
実際この二人の関係性を考えたら、最適なチョイスだと思うが。
グッズも身に着け、笑顔で歩く御子。
そして渋々身に着け、後に続く拓哉。
「で、どこから回ったらええんや?」
ニコニコしながら御子が振り返った。
(あ、エスコートだった・・・。)
拓哉は旅行前に、何度も何度も調べて考えたランドの回り方プランがあった。
だが、この状況に緊張しすぎてど忘れしていた。
「ん?まさかまたノープラン・・・?」
御子は怪訝な目で拓哉を見つめた。
「そ、そんなことないよ!ちゃんと考えてきたよ!」
「そっか。なら任せたで。」
そう言って御子はニッと笑って見せた。
「うん、じゃあ・・・まずはこっち--」
拓哉はスマホと地図を見ながら、御子をエスコートし始めた。
--
時間が早かった。
色んなアトラクションを回り、色々乗れた。
写真を撮られるアトラクションでは写真も買った。
何かチキンの食べ物も並んで食べたし、すごくおいしかった。
混雑を避けた時間でレストランにも行った。
めっちゃ高かった。
写真もいっぱい撮った。
そして--
「吉田!見てみ!あれって・・・。」
「あ!」
目の前に、主役のネズミさんが出てきた。
(確かあれって激レア・・・。嘘だろ!?)
「うおおお!すごいで!写真撮ろ!写真!」
気が付くと腕を引っ張られて走らされていた。
「ほら!吉田!一緒に写真撮ってもらおう!」
一緒に写真。
拓哉はとても恥ずかしく感じた。
だが満面の笑みを浮かべる御子を見ていると、断ることなど出来なかった。
そしてスタッフの人に頼んで三人で写真を撮ってもらった。
「よく撮れてるやん!吉田は不愛想だけど。」
そう言いながらも御子は満足そうな顔をしている。
「しょ、しょうがないでしょ。写真とか苦手なんだよ。」
「慣れやで慣れ。ほら!」
カシャ
そう言って御子に写真を撮られた。
不意打ちで。
「ちょ。やめてよ。」
「ええやん。減るもんちゃうし。」
「まったく。でもそろそろいい時間だね。」
「あ、確かに。もうすぐ暗くなってくるかもな。」
拓哉にとっても夢のような時間だったが、夢から覚める時間も近づいてきていた。
「今のうちにお土産物屋さん見に行く?」
「まだ早ない?」
「いや、夕方になると混むんだよ。それに暗くなってからはパレード見たいでしょ?」
「おお、パレード!うん、見たい!」
「なら今のうちにショップ見に行こう。」
「あんた、今日は頼りになるな。見直したで。」
御子は本心からそう言っていたが、拓哉はいつもの調子のやつだと思ったのか「はいはい。」と簡単に返事をするだけだった。
--
辺りはすっかり暗くなっていた。
じきにパレードが始まる。
そのための場所取りをしていた。
じきに始まるとはいえ、始まるまでは何もない。
故に無言で二人並んで、ただただ待っていた。
御子は何やらスマホをいじっていた。
「あっちもパレード見たら外に出るって言うてるで。」
どうやら光と連絡を取っていたようだ。
「そうなんだ。」
「ずいぶん楽しそうやわ。幸せそうでええな。」
御子は特に嫌味でもなく、素直にそう言っている。
「ねぇ、西条さん。西条さんは楽しめたかな?俺なんかと一緒で。」
拓哉はずっと気になっていたことを訊ねた。
このランド内で遊んでいる間、ずっとそのことが気がかりだった。
「あんたはどうなんや?」
逆に御子から聞き返されてしまった。
唯志だったら質問を質問で返すなよと指摘しただろうか。
いや、あの人はレディーファーストを心得てるからな。
二つ返事で答えたかも。
そんなことを考えながら、ゆっくりと口を開いた。
道行く人はみんな笑顔のカップルか家族連れ。
あっちではアヒルをモチーフにしたキャラの彼女の方が現れ、人が殺到している。
こっちでは、ネズミや犬の耳を付けた小さな女の子が走り回っている。
遠くを見ると、絵本でしか見たことないようなお城が見える。
拓哉は見たことない幸せな空間に、その不思議な力に圧倒されていた。
外界とは隔離された、まさに夢の国と呼ぶにふさわしい場所だと、そう思った。
「吉田、何してんねん。はよ行くで!」
御子はもういつもの調子に戻っていた。
先程のニコッと微笑んだ御子。
悔しいが目を奪われた。
(正直、可愛いと思った。)
拓哉は心を読まれたくなかったので、御子から目を背けていた。
「吉田、どないしたん?」
目を背けている拓哉の顔を、御子が覗き込んできた。
「べ、別に!何でもないよ!」
咄嗟に顔を背けて答えた。
顔が真っ赤なのが自分でもわかるほどだった。
「なーなー、あそこの店でなんか買おうやー。」
御子はそう言って拓哉の服を引っ張った。
御子の指さす先には色んなグッズを売ってる店があった。
一緒に耳とか付けて回りたいという意味だろうか。
そう考えてる間も、御子は拓哉をぐいぐいと引っ張っている。
「わかったから。」
拓哉は渋々といった態度で応じ、御子ついてショップへと向かった。
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「ほらほら吉田。可愛いやろ?」
御子は、リボンのついたネズミの耳のようなものをつけて、はしゃいでいた。
「ほら、あんたにはこれ。」
御子はそう言って、犬のキャラの帽子?カチューシャ?
よくわからないものを差し出してきた。
(このキャラって確かペット・・・。)
拓哉はそう思ったが、黙っていた。
実際この二人の関係性を考えたら、最適なチョイスだと思うが。
グッズも身に着け、笑顔で歩く御子。
そして渋々身に着け、後に続く拓哉。
「で、どこから回ったらええんや?」
ニコニコしながら御子が振り返った。
(あ、エスコートだった・・・。)
拓哉は旅行前に、何度も何度も調べて考えたランドの回り方プランがあった。
だが、この状況に緊張しすぎてど忘れしていた。
「ん?まさかまたノープラン・・・?」
御子は怪訝な目で拓哉を見つめた。
「そ、そんなことないよ!ちゃんと考えてきたよ!」
「そっか。なら任せたで。」
そう言って御子はニッと笑って見せた。
「うん、じゃあ・・・まずはこっち--」
拓哉はスマホと地図を見ながら、御子をエスコートし始めた。
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時間が早かった。
色んなアトラクションを回り、色々乗れた。
写真を撮られるアトラクションでは写真も買った。
何かチキンの食べ物も並んで食べたし、すごくおいしかった。
混雑を避けた時間でレストランにも行った。
めっちゃ高かった。
写真もいっぱい撮った。
そして--
「吉田!見てみ!あれって・・・。」
「あ!」
目の前に、主役のネズミさんが出てきた。
(確かあれって激レア・・・。嘘だろ!?)
「うおおお!すごいで!写真撮ろ!写真!」
気が付くと腕を引っ張られて走らされていた。
「ほら!吉田!一緒に写真撮ってもらおう!」
一緒に写真。
拓哉はとても恥ずかしく感じた。
だが満面の笑みを浮かべる御子を見ていると、断ることなど出来なかった。
そしてスタッフの人に頼んで三人で写真を撮ってもらった。
「よく撮れてるやん!吉田は不愛想だけど。」
そう言いながらも御子は満足そうな顔をしている。
「しょ、しょうがないでしょ。写真とか苦手なんだよ。」
「慣れやで慣れ。ほら!」
カシャ
そう言って御子に写真を撮られた。
不意打ちで。
「ちょ。やめてよ。」
「ええやん。減るもんちゃうし。」
「まったく。でもそろそろいい時間だね。」
「あ、確かに。もうすぐ暗くなってくるかもな。」
拓哉にとっても夢のような時間だったが、夢から覚める時間も近づいてきていた。
「今のうちにお土産物屋さん見に行く?」
「まだ早ない?」
「いや、夕方になると混むんだよ。それに暗くなってからはパレード見たいでしょ?」
「おお、パレード!うん、見たい!」
「なら今のうちにショップ見に行こう。」
「あんた、今日は頼りになるな。見直したで。」
御子は本心からそう言っていたが、拓哉はいつもの調子のやつだと思ったのか「はいはい。」と簡単に返事をするだけだった。
--
辺りはすっかり暗くなっていた。
じきにパレードが始まる。
そのための場所取りをしていた。
じきに始まるとはいえ、始まるまでは何もない。
故に無言で二人並んで、ただただ待っていた。
御子は何やらスマホをいじっていた。
「あっちもパレード見たら外に出るって言うてるで。」
どうやら光と連絡を取っていたようだ。
「そうなんだ。」
「ずいぶん楽しそうやわ。幸せそうでええな。」
御子は特に嫌味でもなく、素直にそう言っている。
「ねぇ、西条さん。西条さんは楽しめたかな?俺なんかと一緒で。」
拓哉はずっと気になっていたことを訊ねた。
このランド内で遊んでいる間、ずっとそのことが気がかりだった。
「あんたはどうなんや?」
逆に御子から聞き返されてしまった。
唯志だったら質問を質問で返すなよと指摘しただろうか。
いや、あの人はレディーファーストを心得てるからな。
二つ返事で答えたかも。
そんなことを考えながら、ゆっくりと口を開いた。
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