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始動
ep.23
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『ごめん、彗くん。
コンビニ寄っていい?』
「ん?
いいけど、なんか用事?」
彗くんの実家へ向かう道中。
コンビニが見えてきた。
私は彼を呼び止めて足先をそちらに向ける。
互いに立ち止まった。
『おばさん達にお土産。手ぶらで行くわけにはいかないし』
「気遣わなくていいよ」
『彗くんも食べたいのあったらどうぞ。
食べ放題だよ』
「話聞いてる?」
『聞こえなーい!』
私は彗くんの言葉に耳を傾けなかった。
いちいち彼の言葉を聞いてたら私は何も出来ない。
半ば強引に私は彗くんを引き連れてコンビニへと入っていく。
軽快な入店チャイムの音楽が流れた。
『彗くんはいらないの?』
「俺は美愛のクッキーあるからね」
『そんなに好き?それ…
普通のバタークッキーなんだけど』
特別なものは入れてない。
ホロホロになるようにアーモンドプードル、アーモンドを粉末にしたものが入れてあるが、それ以外は特に変わったものは入っていない。
世の中にもっと美味しいクッキーは沢山ある。
けれど彗くんは私の作ったお菓子やクッキーを好む。
なぜなんだろう。
「美愛のクッキーはホロホロしてて美味いんだよね。
市販ではこういうのないし」
『アーモンドプードル入れてるから…』
「プードル…?」
お菓子を作らない人間からしたら馴染みのない単語だろう。
私もプードルの意味は知らない。
主にクッキーを作る時、ホロホロにさせるために使っている。
彗くんはあの食感が好きなのだろう。
確かに市販では出せない食感ではある。
『アーモンドを粉ぬしたやつ』
「ああ…
だからあんなホロホロしてるんだ」
『彗くんって料理得意なのにお菓子は作んないよね』
「作れなくはないけど、好んでは作んないね」
『なんで?
甘いの大好きでしょ』
「人に作ってもらうからこその幸福感があるんだよ。
自分で作ってもそれは得られないからね」
『………』
わかるような気がする。
私は自分でお菓子を作ってもそのまま独り占めすることはない。
基本、誰かに食べてもらってる。
私が口にするのは一口、二口だけ。
あとは彗くんや菜乃に食べてもらっている。
自分で作って食べても虚しさが残るだけなのだ。
結局、私は食べるより作る工程が好きなのかもしれない。
『ちょっとわかるかも。それ』
「美愛は作っても食わないよな」
『一口くらいは食べるよ』
「食ったって言わないな。それは。
味見だよ」
『作って満足しちゃうんだよね、私。
作る工程が楽しいからかな』
「パティシエみたいな考えだな」
私は話をしながらも買い物カゴにスイーツをいくつか入れていく。
大したものではないが、手ぶらよりはマシだろう。
透明のカップに入ったコンビニスイーツ。
好みが被らないよう和と洋の二種類をカゴに入れた。
喜んでくれるといいのだが。
コンビニ寄っていい?』
「ん?
いいけど、なんか用事?」
彗くんの実家へ向かう道中。
コンビニが見えてきた。
私は彼を呼び止めて足先をそちらに向ける。
互いに立ち止まった。
『おばさん達にお土産。手ぶらで行くわけにはいかないし』
「気遣わなくていいよ」
『彗くんも食べたいのあったらどうぞ。
食べ放題だよ』
「話聞いてる?」
『聞こえなーい!』
私は彗くんの言葉に耳を傾けなかった。
いちいち彼の言葉を聞いてたら私は何も出来ない。
半ば強引に私は彗くんを引き連れてコンビニへと入っていく。
軽快な入店チャイムの音楽が流れた。
『彗くんはいらないの?』
「俺は美愛のクッキーあるからね」
『そんなに好き?それ…
普通のバタークッキーなんだけど』
特別なものは入れてない。
ホロホロになるようにアーモンドプードル、アーモンドを粉末にしたものが入れてあるが、それ以外は特に変わったものは入っていない。
世の中にもっと美味しいクッキーは沢山ある。
けれど彗くんは私の作ったお菓子やクッキーを好む。
なぜなんだろう。
「美愛のクッキーはホロホロしてて美味いんだよね。
市販ではこういうのないし」
『アーモンドプードル入れてるから…』
「プードル…?」
お菓子を作らない人間からしたら馴染みのない単語だろう。
私もプードルの意味は知らない。
主にクッキーを作る時、ホロホロにさせるために使っている。
彗くんはあの食感が好きなのだろう。
確かに市販では出せない食感ではある。
『アーモンドを粉ぬしたやつ』
「ああ…
だからあんなホロホロしてるんだ」
『彗くんって料理得意なのにお菓子は作んないよね』
「作れなくはないけど、好んでは作んないね」
『なんで?
甘いの大好きでしょ』
「人に作ってもらうからこその幸福感があるんだよ。
自分で作ってもそれは得られないからね」
『………』
わかるような気がする。
私は自分でお菓子を作ってもそのまま独り占めすることはない。
基本、誰かに食べてもらってる。
私が口にするのは一口、二口だけ。
あとは彗くんや菜乃に食べてもらっている。
自分で作って食べても虚しさが残るだけなのだ。
結局、私は食べるより作る工程が好きなのかもしれない。
『ちょっとわかるかも。それ』
「美愛は作っても食わないよな」
『一口くらいは食べるよ』
「食ったって言わないな。それは。
味見だよ」
『作って満足しちゃうんだよね、私。
作る工程が楽しいからかな』
「パティシエみたいな考えだな」
私は話をしながらも買い物カゴにスイーツをいくつか入れていく。
大したものではないが、手ぶらよりはマシだろう。
透明のカップに入ったコンビニスイーツ。
好みが被らないよう和と洋の二種類をカゴに入れた。
喜んでくれるといいのだが。
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