捕まり癒やされし異世界

蝋梅

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23.知らされた夜3


「ミライ」
「はい?」

 向かえあわせで座っているグラン君に立て膝で抱き締めていたら、べりっとはがされた。

 はっ、そうだよね。大胆すぎたかも。つい小さいグラン君が可愛すぎて暴走した!

「ちゃんと、本当に視ました?」

 じっと私の様子を見る顔は真剣だけど、嫌悪はみられない。それに体は離されたけど背中と腰には支えてくれている腕。

くっつかれたのが嫌だったわけではないのか。改めて聞かれた質問を頭で繰り返えす。

「えーっと。伯父さんが怒鳴ってばっかとか、グラン君のつむじがすっごい可愛いかった! あと魔力について悩んでいて」
「そういう事じゃない」

途中で遮られた。

「俺が、怖くないのですか? 呆れてないんですか?」

 どうしてそんな事を聞くのかわからなくて首を傾げたら、今夜だけでもう何度目になるその綺麗な顔を歪めた。

「幼少期の俺は、家族の足をひっぱり死にまで追いやり。やっと家族を犠牲にし力を解放出来たものの暴走し、戦をいいことに、その後は制御の練習の場として戦場で力をふるいました」

自嘲するような顔。

「ミライ、当初は、貴方を排除しようとしたのに徐々に惹かれて。強引に婚約をせまり、ライアンに嫉妬して。貴方に接していた俺の中身は、急激に変化していき自分でもどうしたらよいのか困惑して。それは今もですが」

 綺麗な緑の瞳は怯えた子供、あの過去の顔と一緒だった。

「つ」

 頭を撫でようと髪に触れたら、小さな声を出され避けられそうになったので、思いっきり頭をかき混ぜた。

「嬉しい」
「…何がと聞いても?」

 頭から手を離し両手でほっぺたを包んだ。いやー美形だわ。いやいや、今は会話だ。睫毛を触りたい衝動をおさえた。本当に困惑しているグラン君に笑顔をむけた。

「何って、全部です」

 さっき見せてくれた時のように額をくっつけた。

「こちらの世界の人達からしたら私は、知らない未知の生物だし警戒するのは当たり前ですよ。まあ、存在消されなくて本当によかった! そこはドキドキしちゃいましたけど」

重要なのはそこじゃなくて。

「人に自分を見せるって、とてつもない勇気がいると思うんです。まして映像で辛いはずの記憶まで。思い出したくなかったでしょう?」

だから。

「そこまでしてくれてありがとう。お姉さんが庇ってくれなきゃ今、私はグラン君に会えなかった」

かなり恥ずかしいな。

 でも、ハッキリ言わないと伝わらない時もあるよね。

「グラン君の好きは私の好きと同じだと思うというか、同じがいい」

今、私の顔、今日一番の真っ赤だ。

「全部ひっくるめて好きです」

でも。

「だからこそ婚約はしない」

ああ、言ってしまった。



 
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