気がつけば異世界

蝋梅

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65.借宿は

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 謁見後、二日が経過し今、新たな借宿に到着した。さあ、感想は。

「やばい。幽霊でそうな古さだわ。いえ、貫禄があるのかしら」
「まぁ要塞ですから華美さはないですよ」

 ナウル君がすかさずフォローのような言葉を言ってくれたので、まぁいっか。

 確かに、よそ様の家(城だけど)をけなすような発言は失礼だったな。

「オマエどういうつもりだよ」
「まあまあ。あのメインのお城にいるよりマシじゃない?」

 警戒心まるだしのマート君の文句に付き合いながら城に入る橋を渡る。外観は灰色だったはずの建物は、いまや黒ずみ苔や葉がびっしりと覆う。

 これ遺跡じゃないの? 現在進行形で使えるの?というくらいの見た目である。

「とりあえず、トイレ行くときノア付き合ってよ!」

 私は、泳ぎと幽霊だけはホント無理。

「キュ…」
「え? 嫌なの? お風呂にまでついてきたのに?」
「キュウ」

 もしや恥ずかしがっている? 隣の浮いている物体は恥じらうようにモジモジ動いた。

「別に中までなんて言わないから。頼んだわよ! あー、まずはトイレとお風呂場チェックだわ!」

 恥ずかしいのかモジモジしているノアに念を押す。空中でよくそんな動きができるわとちょっと呆れた。

「なあ、ナウル、あいつに恥じらいを教えたほうがいいんじゃないの?」
「今更じゃないですか」
「いや、酷すぎだろ。ラジウス、お前、あんなのに仕えるの恥ずかしくないの? 良い家の出なんだろうから教えてやれよ」
「恥ずかしくないが。また、教えても言うことを素直に聞くとは思えない」

「「確かに」」

「ちょっと! これ見よがしに煩い!お喋りメンズは嫌われるわよ!」

 マート君、ナウル、ラジの三人を睨み付ければ、柔らかな声が私をなだめはじめた。

「お気になさらないほうがよろしいです。疲れるだけですわ」

 聞こえるように人の事をベラベラと。しかもラジまで混ざってるのが気にいらないわ。

 キレる私にリアンヌさんは、お茶と美味しい焼き菓子を用意致しますねと苦笑して言われた。

「ありがとうございます。お城の中をざっとみたら、お茶を頂きつつ面接します」
「面接…ですか?」

 私は後ろに連れてきた立候補者達を眺めながら、彼女に伝えた。

「はい。ここで誰を採用するか決めます」

 不思議そうなリアンヌさん。

「私は、やる気のない人や…間者はいらないんですよ」

さて、何人残るかしら?

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