亡霊たち

みや いちう

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不可思議

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「は? 」
 私は思わず強い声で言い放っていた。何? こいつ何言っているの? 頭おかしいの? いや、確かにこいつなら呪い殺せそうだけど。でも、いや確かに阿部春涼は死んだ。けれど。
「何言ってんの華子ちゃん、怖いよ」
 私の声はひとりでに静まっていった。殺して、欲しい人? そんなのたくさんいる。私のことを影で淫乱と呼ぶ教師も、女たちも。いつぞやか上靴を隠されてそこに虫の死骸を積め合わされた記憶が、衆目の前で淫乱めと罵倒された記憶が、よみがえる。こいつに殺して欲しい奴はたくさんいる、けれど。
「そういうこと、言うのやめなよ……」
 頼みたくなっちゃうじゃない……私が場をなんとか和まそうと微笑んだのを、華子は諾と受け取ったようだった。 
「私、いくらでも殺してあげるよ」
華子はそれから静かに語りだした。
「私んち神社の宮司で、結構いわくつきなの。知ってるでしょ? 髪の伸びる妖しい人形が送られてきたりするのはしょっちゅうだし、裏に深い森があってね、そこでは夜中の二時になると白い女の人が来て、釘で人形を打ち付けていくの。憎いんだろうね。恋人の奥さんとかを呪っているのかしら。知らないけれどね」
 そう言って微笑む華子の顔は、驚くほどに綺麗だった。頬が紅潮して、瞳が生き生きしている。こいつ、いつもむっつり黙って下を見ているから知られぬけれど、下手したら私より綺麗なのかもしれない。
「私はそういう呪われた血を受け継いだの。だから、私いくらでも殺せるし、殺してあげるよ、美佳ちゃんのためなら」
「……どうして、私のためなの?」
 私が思わず尋ねると、華子はに、と口の端を上げて、目を静かにふせて言った。
「私、美佳ちゃんが好きだから」
 ◆
 私はその日の放課後、家に凄まじい速さで走って帰り、ベッドに飛び込んで荒く息を重ねた。
「美佳ちゃんが好きだから」
 なに、あれ。何あれ。どういうこと? あの女レズなの? それとも純粋に、友達になれそうな意味でってこと? 友情としての好きってこと? いやだいやだ。あんな不気味な女に好かれるなんて。だけれど私も、何であんなこと言ってしまったのだろう。
「ふふ」
 と、一笑に付す予定だったのに。
「そんなに言うならじゃあ、後輩の浪香とか殺せる? 」
 あいつ、私におもねるくせに、裏で男たちと私を暴行する作戦を立てているらしく、ムカつくから。
「やれる?」
「やれるわ」
 私は苦笑しながら肩をすくめた。そんな、即答するようなこと? 話はさらに具体的なものに変じていく。
「どうやってやる? 心臓麻痺でいいの?」
「何でもいいよ。あの女が死ぬなら。でもできれば苦しませて殺せたらいいなー」
 初夏の陽気に汗をかくジュースを干しながら、私は恐怖も薄れて朗らかに華子に述べた。華子も頼られるのが嬉しいのか顎をしきりにひいた。
「あの二年の子ね。わかった。あの子ね」
 あはは。じゃ、と私は踵を返して屋内に戻った。その後でトイレにこもって爆笑した。おかしかった、我ながらおかしかった。何で、あんな奇人の言うことを本気にしているんだろう。あんな話、私と友達になりたいあの女が勝手に嘘ぶいているだけだ。確かに、波香のことはむかつくし、死んでほしいとは心から思っている。だけれどあんな暗い謎な女にあんな風に提案してしまうなんて、われながら、馬鹿。病んでいる。
 家に帰ってオレンジジュースを飲み、ベッドにごろごろしながら、私はうつらうつらして、早くあれを忘れようと思った。あの失態を。あれは夏の昼の夢だ。早く忘れよう、あんな黒歴史。
そう、思っていたのに。次の日の朝方。
「おはよー! 美佳大変っあのバカ波香が死んだって」
 彩香から電話が飛び込んできて、驚いて目を覚ました。夜に携帯を眺めながらうつらうつらして眠ったから、化粧も制服姿もそのまま。昨日のまま。彩香は留守電にそれだけ残して切ってしまい、私は驚きながら何も言えなかったけれど、事実は私のブログのコメント欄に書いてあった。あまりにリアルに、あまりに生々しく。
【お望みを、叶えました 🌸】

呪いとは体力を使うからね。
 私が昨日ベッドで制服で寝込んだことを話したら、華子は爆笑していた。おなかをおさえて、初心者だねーなんてこらえきれぬ様子でこぼした。
「でも、どう? いい気持じゃない?  お望み通り、心臓麻痺にしたから結構苦しんだと思うよ」
「そりゃあよかった」
 昼下がりの屋上には誰もいない。上を見上げれば抜けるような晴天。私は日の光を浴びて、その影を華子は宿して、私たちはジュースのへりをかちあわせた。そうするしかなかった。
 やばいことに巻き込まれた。何か、壮絶なものに。
私は恐怖に苛まれ、さらにはもう一つの感情に支配されていた。恐怖は、この女に逆らったら殺される、という気持ちから発され、そしてもう一つは、征服欲からだった。この世の気に喰わぬ者はすべて抹殺出来る。この女を、うまく使えば。自分がこの狭い世界を牛耳れる気がした。
「美佳ちゃん?」
 黙りこくる私の隣に座る、華子が不思議そうに問うた。
「……私のこと、気味わるく思ったの?」
「いや、逆に興味が。どうやったら殺せるのかなあって」
 私がちゅーとカルピスを口へと吸い込む。華子が美しく笑んだ。
「夜中に、人形を神社奥の院の一番背の高い杉の木に打ち込むの。力をこめて、名の書かれた人形に、思い切り釘をね」
「それって、やっぱり駄目だったとか、いいですってキャンセルを許してもらうことは出来ないの?」
「出来るよ。その時はね」
 華子はこの手の話になると喜々として語りだす。その瞳は呪われた蛇よりは懐いてくる子犬のようで、なんだか可愛らしかった。
「……うちんちね」
 それに一瞬気をとられて、私はつい口を滑らせてしまった。あ、やっちゃった。滑らせたらもうスキーみたいに山道を下っていくしかない。もう、どうにでもなれ。私は覚悟をほんのり決めて語りだした。
「早くにお父さんが死んで、お母さんしかいなくて、お母さんも仕事とデートでいつもいなくて、いつもいつもさみしかったの。だから、男とばかり遊んでいた。もしかしたら死んだお父さんが恋しかったのかもしれない。そしたら、何も知らない奴らにあいつはちゃらい、すけべなんて笑われて。教師にまで。もういやだった。疲れていたの。だから」
 あんたには感謝してる。
 思わず本音を漏らしてしまって、私は恥ずかしくなって顔を赤らめた。何言ってるんだ、私、こんな女に。だけれど、華子はまるで神様みたいだったから。呪われた真っ黒に錆びた鏡みたいな。まるでご神体だった。神社の神様の前では正直になってしまうんだ。きっとそうだ。
「あーそうか、やっぱり」
 華子はちっとも意外そうじゃなく、頷いた。
「美佳ちゃんってすっごく綺麗でさ、入学式の時からいいなあ、素敵だなあって思っていたの。こんな子と友達に、いや知り合いになれたらいいなあって思ってた。だけどどこか寂しそうに笑うから、それも気になっていたんだよね。影があるとは言わないし、それは私だけどさ、光のように輝きながら、どこか月みたいに冷たさがあって、そこも素敵だと思ってはいたんだ」
 華子は私に告白しているんだろうか? やめてよ、と言いたい。いや、この真面目な顔に逆らってはいけない。逆らったら最後、殺されるか誰のことも殺せなくなる。だから私、黙っていた。華子はその沈黙を快く受け止めながら、トマトジュースを飲んで、私をちらと一瞥した。
「私んちもなの」
「そうなの? 」
 華子の告白に、私は目を丸くする。華子の性格や呪いや纏う深い影から、複雑な家庭なのかとは思っていたけれど。どういうことなのだろう。
「私んち、お父さんとお母さんの仲が悪くて。お父さんもお母さんもほら、血統書つきだからさ」
 名家の出なのだろうとは、簡単に察しがついた。
「どっちもお坊ちゃんお嬢さんできて、姉が生まれて私が生まれて、だけれどその頃には溝が出来ていたの。深い、マリアナ海溝みたいに深い溝がね」
 ああ、その深い海溝みたいに光の届かぬ場所に、華子はいたんだね。
 私が初めて呼び捨てで呼ぶと、華子が微笑んだ。くすぐったそうに。それはとても綺麗で、はかなげで素敵だった。
「ある日からお母さん、夜に遊びに出ていくようになっちゃった。毎晩深夜になると出ていくようになっちゃって。一人でふらふらどこかに行くのね。二時間くらい経つと戻ってきてね。もう私も姉も年頃だったから、それがすごく厭で。ある日、止めにいこうって姉に提案して、こっそりついていってみたの。お母さんの後を」
 なんだろう、私はすごく厭な予感がした。なんだか見えない腕に首を絞められているみたい。息苦しい。まるで見えない誰かがここにいて私を恨んでいるみたい。これは波香かな。そう思うだけでぞっとした。
「そうしたらお母さん、一人で真っ白なワンピースを纏って、深夜の森に行くの。私たち、足音を消してついていってみたんだ。そうしたらね、一番森で背の高い杉の木の前に立って、人形に釘を打ち始めて」
 私は思わず首に手をあてた。誰かがやっぱりいるんじゃないかな。ねえ、もうやめようよ。そう言いたくとも唇は動かなかった。凍らされたかのように静止していた。構わず華子が語り続ける。
「私たちは、黙ってそれを見つめていた。今も覚えているわ。何かを叫びまわりながら、お母さんの白いワンピースが闇の中に揺れて。それはあの優しいお母さんのワンピースではなくて、何か別の命ある生き物みたいだった。私も姉も、黙って踵を返した。こっそり寝床に戻ろうとした。だけど、そこで姉は木の枝を踏んでしまった」
 私の喉は乾いて、ますます息苦しくなる。
「その刹那、お母さんはこっちをちらと見て、そのまま静かになった。わかったのね、私たちが見てしまったことを。丑の刻参りは誰かに見つかったらその誰かを殺さねばならない。そうでないと自分が殺されるから。恨みの念でね。お母さんは次には息を思い切り吸い込んで、叫んだわ。見たなああああって」
「見たなああああああ」
 「きゃああああ」
 耳元で叫ばれた見たなあああに絶叫してしまったのは私だった。華子が驚いた瞳で私の背後を見つめる。え、誰かいるの。やっぱり。
「おうい、二人とも、もう授業だよん」
 そこには太一と、彩香が立っていた。私たちは話に夢中になるあまり、授業の時間も忘れて話し込んでいたらしい。それを二人は見かねて屋上まで声がけに来てくれたのだろう。聞かれたかしら。不安に思っていると、太一が。
「なんか怖い話してたね。何の話?」
 と華子の眼を見て尋ねた。華子は真っ赤になって首を振る。ああ、やっぱり華子から見ても太一はイケメンなのか。なんとはなしに微笑ましい。二人は歩くのが遅いので、私と彩香が先導するような形で歩き出す。二人は私たちの後ろで楽しそうに何か話している。案外太一、オカルト好きだよね、彩香に話を振ろうとすると。彩香が。
「ほんっと、太一って女なら誰でもいいんだねえ」
 珍しく、ほんのりと怒りを滲ませて言い放った。そこには何か、怒りよりも深いものが感じられない訳ではなかった。その名を私は思い出せなかった。憎悪とも違う。何か複雑な感情が、彩香からくみ取れる。何か、二人にあったのだろうか。彩香の形相に、私は何も言えなかった。

「そういえばさ」
 放課後、華子が清掃委員の仕事をつとめて人の少ない教室に箒をかけているさなか、教室で私と彩香はおしゃべりに興じた。ムカつく奴の机に腰を落として。
「あれどうなったの?」
「あれ?」
「お母さんと新しい彼ぴの話。おさまったの?」
「いいや? 」
 私は華子との話が知られていなかった気安さから、彩香に朗らかに語った。
「なんか、この間も出かけに言われたよ。今度会わせたい人がいるからって、来週の七夕の夜おひまですか、だって。ほんっと、あの人もまた騙されなきゃいいけどねえ」
「まあ、そのたびに厭な思いするの私たちだしねえ」
 彩香も笑みを滲ませる。私は彩香みたいにお母さんの付き合っている人にボーコーされたことはない。いつもお母さんはお父さん候補を連れてくるときは私を外に出していた。その時間はとても、寂しかった。とてもとても、寂しかった。
「彩香こそ、あの人どうなったの?」
「あの人って?」
「この間知り合ったって言っていた人。付き合えそうなの?」
「……無理そう。やることやったらすぐにお別れを言われちゃった。あたし、どーして毎回そうなんだろーやっぱりバッグ買ってって言ったのがいけないのかなー」
 私は思わず口をつぐんだ。それは、彩香が付き合ってもないのにわがままを言ったり、簡単に身体を許しちゃうせいもあるんじゃない。そう言いたかったのはほんの少しある。けれど馬鹿、言うなとこらえた。こらえられてよかった。あ、彩香がふいの沈黙に不機嫌そうになる。やばい。私が何か言いたいことが、ばれたかもしれない。
私はなんとか別な話を切り出した。
「あの彼女たちと別れた太一も、また新しい彼女出来たらしいよ」
「ええっはやっ」
 驚く彩香に、私も苦笑を向ける。
「ほんと、早いよね。今度の彼女はどうもマジっぽい。一個下で商業の子なんだけど、街でナンパされて歩けなくなる程可愛い子だって。でれでれだった、あいつ」
「……あいつ、顔もいいしがたいもいいし頭もいいから、それでモテるんだろうね」
 なんか、妙だ。
このあいだから彩香はなんだか妙だ。急に不機嫌になったり、と思うとにこやかに笑い出したり。あの日かな。ちょっと情緒不安定なのかも。次の一言の価値が急激に重くなるこの場で、彩香から口を切った。
「……ねえ、美佳さ」
「うん?」
「太一と付き合おうと思ったこと、ないの?」
 え? 
 私は突然の彩香からの提案に、訳も分からず顔をしかめる。付き合う? あいつと? ていうか、いきなり何なの、彩香は。あ、情緒不安定なんだ。たまに彩香も自分のブログで死にたくなるって書くからな。私は一笑に付さんとした。
「何言ってんの。あいつとそういう関係になりたいなんて、思ったこともないよ」
「本当に? 」
 彩香は顔を歪ませて、私に迫った。
「本当にそう思う? 嘘でしょ? 何のためにあいつが他の女を抱くと思うの? 全部全部、美佳のためじゃん!」 
 何だろう、彩香の顔は鬼気迫っていた。怖い、華子と違う恐怖を感じる。
「わかってないの? あいつ、本当は美佳が一番大切なんだよ? あいつの中で不動の一番は美佳なんだよ!? どうしてそれが分からないの!!」
 華子がこちらを恐る恐るうかがっているのが分かる。そして太一の中で私が一番なことも、わかっている。太一は昔から私が好きだった。妹みたいと言いながら、私のことを悪く言う男子をぼこぼこにしていたもの。さらに言えば抱かれそうになったことも一度や二度じゃない。私も応じないそぶりを見せたけれど、太一は途中で脱いだものをとって、やめた。
「妹は抱けない」
 それだけで、私は特別な感じを抱かれているのを、思い知った。彩香の怒りはおさまらないようだった。
「何でみんなみんな、美佳が大事なんだろうね!! 美佳、可愛いけど性格歪んでいるのにね! 」
 そこまで言われて、正直私もかちん、ときた。歪んでいる? へえ、そう思いながら私と付き合っていたんだ。私がいないと一人になっちゃうもんね。って、ダメダメ。そう思ったらいけない。けれど。
「いいよね美佳はっ可愛いからどんなことしても許されるもんね。人生最初から最後まで楽しいんだろうね。楽にすいすいいけるんだろうねー苦労知らずでね。いいなあ!」
 私もさすがに頭に血がのぼって、いい加減にしなよと叫びそうになる。しかし耐えた。ここには華子がいる。その事実が私に冷静さをもたらしてくれた。
「へえ、そう思ってたんだ。じゃあいいよ。今までありがとうね」
 お礼すら言って、私は立ち上がって教室を後にした。すたすたと歩いていく先は屋上だった。夕暮れが空というキャンパスに真っ赤に燃え盛っている。それを見上げながら、私は大きく息を吸った。そして叫んだ。
「ばっかやろー!!」
 くすくす、と声が聞こえて、振り向くと華子が立っていた。華子は相変わらず立ち尽くしていると不気味で、だけれど残照を受けてそれはそれは綺麗な顔をしていた。
「……聞こえた?」
「そりゃあもう、全部」
 華子がくす、とまた微笑して頷く。私は嘆息した。
「なんか変だよね、彩香。昔から馬鹿だったけれど、あんなことで逆上する子じゃなかったのに。苦労知らずだって。ひどくない?」
 私がいらだちを隠し切れずに漏らすと、華子も困ったようにはにかんだ。それから低い声音で。
「何か辛いことがあったのかもね。とてつもなく辛いことが」
「でもだからって言っていいことと悪いことがあるじゃんか」
「それもそうだね」
 華子の綺麗な横顔を一瞥し、私はまた空を見上げた。
「夕暮れってさ」
「うん」
「血の色を刷いたみたいじゃない」
 華子が珍しく空を仰ぐ。
「そうだね。太陽の絶唱みたいね。だったら月は死にゆくものたちへのレクイエムなのかもしれない」
 華子の言葉はいつも詩的で、物語じみていて、私を不安にさせる。私より現実性のないこの子は、将来どんな風に生き、どんな風に死んでいくのかしら。
「そうだ。美佳ちゃんさ」
「うん」
「今度、私んちの神社来てみない?」
夜中の二時に? 私が問うと、まさかと華子が笑った。
「土曜のお昼とかどうかな。少し、神社を一緒に見てまわれたらと思って」
 この一言に、私は彩香との縁が切れていく音を聞いた気がした。そして私は、別な縁を結んでいく。私は答えた。
「いいよ」
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