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第二話「犬丸、牙を剥く」
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第二話「犬丸、牙を剥く」
犬丸が人を殺したのは、その次の月のことだった。
それは戦ではなかった。刃を交えた相手は、敵ではなく、味方――いや、少なくとも、味方と呼ばれていた側の人間だった。
一蔵が斥候任務から戻ったあと、前線は動いた。
徳川軍の動きが活発化し、小競り合いが続く中、彼らの隊も砦の建設地に移動させられた。
砦とは名ばかりの、崖っぷちに木を組んだだけの陣である。兵の大半は飯も満足に食えず、毎日木材を担いで登り降りするだけの生活をしていた。
「これ、絶対崩れるよな。」
犬丸は、薪を運びながら言った。
「味方が先に死ぬな。」
一蔵は苦笑して、それでも崩れそうな足場を踏みしめた。
だが、この「崩れる」の意味を、ふたりはまだ知らなかった。
***
砦の補強工事の最中、事件は起きた。
昼休みの時間、一蔵と犬丸は小川で顔を洗っていた。
すると、背後から誰かの怒鳴り声が聞こえた。
「おいコラ、下っ端の分際で何を飲んでやがる!」
振り返ると、兵糧係の役人・塚原が立っていた。背の低い男だが、奉行の遠縁というだけで幅を利かせていた。
塚原は一蔵たちの手元を見て、顔をしかめた。
「水は貴重品だ。貴様ら下賤に流していい水じゃねぇ。」
「川水でさえですか?」
一蔵が思わず返すと、塚原は目を吊り上げた。
「逆らう気か、小僧!」
そして、突如犬丸に歩み寄ると、頭をはたいた。
ごん、と鈍い音が鳴った。犬丸は数秒、静かにその場に佇み、顔を上げた。
「……なぁ。」
低い声だった。
「てめぇ、いま、俺の頭、叩いたな?」
「叩いたさ。何か文句でもあるか、下郎!」
その瞬間だった。
犬丸は素早く腰の小刀を引き抜き、塚原の喉元に突きつけた。
一蔵は目を見開いた。
だが、塚原は怯むどころか、鼻で笑った。
「脅しか? 斬れるもんなら斬ってみろよ、犬ころが。」
静かだった。
風の音すら消えた。
そして――犬丸は、迷わなかった。
刃は一瞬で塚原の喉を裂いた。
血が噴き出す。塚原の目が見開かれる。
どさり、と音がした。
その音だけが、あまりにも静かだった。
***
犬丸は逃げなかった。
一蔵も、叫ばなかった。ふたりは、沈黙のまま川の横に座り込んだ。
「やっちまったな。」
「……ああ。」
「……お前、怖くねぇのか?」
「怖いよ。震えてる。」
犬丸は、自分の手を見つめた。小刀にはまだ血がこびりついていた。
「でもな、あのとき斬らなかったら、俺、俺じゃなくなってた気がするんだ。」
そう言って、犬丸は笑った。その顔には、悲しみも、後悔も、怒りも混じっていた。
一蔵には、それがとても人間らしく思えた。
「死ぬのはわかってる。でも、あんなやつに、犬のままで殺されたくなかった。」
「お前は、犬なんかじゃねぇよ。」
それが一蔵の本音だった。
だが、現実は非情だった。
塚原は奉行の遠縁。殺したとなれば、犬丸は即刻打ち首となる。
それでも、犬丸は逃げなかった。
「逃げても、どこ行っても“犬”に戻るだけだ。」
犬丸は笑った。
「だったら、牙を剥いて死ぬ。俺は犬丸じゃねぇ。今日から“狼丸”だ。」
その言葉が、本気なのか、やけっぱちなのか、一蔵にはわからなかった。
だが――その夜、一蔵は初めて「人を守るために戦う」という言葉の意味を、少しだけ知った。
翌朝、砦の空気は一変していた。
塚原の死体はすぐに見つかった。喉を裂かれ、血に染まった衣服のまま、草の上で冷たくなっていた。
隊内は騒然となり、兵たちは「賊の仕業だ」「敵の間者だ」などと口々に叫び立てたが、誰もが気づいていた。
あの場にいたのは、犬丸と一蔵だけだと。
すぐに二人は詰所に呼び出された。
村井小隊長は黙って二人を見つめていた。背後には武士が二人、手には縄。
「犬丸。お前がやったのか?」
犬丸は頷いた。
「そうだ。」
「何か弁明はあるか?」
「ねぇよ。」
「一蔵。お前は見ていたか?」
問われた一蔵は、一瞬だけ犬丸を見た。
その目は、いつものように笑っていた。が、どこかで「言うな」と告げていた。
一蔵は、唇をかんで答えた。
「俺は……見てません。」
「そうか。」
小隊長は深く溜息をつき、犬丸に言った。
「処分は上で決まる。それまで拘束する。覚悟はあるな?」
「ああ。」
縄がかけられた。そのとき、犬丸はふっと笑った。
「なあ、一蔵。」
「……なんだ。」
「命ってさ、軽ぇな。でも、それを選べるのは、自分だけだよな。」
一蔵は答えられなかった。
ただ、犬丸が連れていかれる背中を、最後まで見送っていた。
***
その晩、一蔵は眠れなかった。
犬丸の笑い声が頭の中で響いていた。
「選べるのは、自分だけだ」
――それが、あいつの言葉だった。
夜半。
小さな物音がして、一蔵は外に出た。
物陰に、村井小隊長がいた。灯を持たず、目だけが光っていた。
「……お前は、犬丸を助けたいか?」
その言葉に、一蔵の心がざわめいた。
「助けられるんですか……?」
「条件がある。お前が斥候として、敵陣の配置図を手に入れてこい。うまくいけば、上への手土産になる。」
「それで……犬丸の命が?」
「保証はしない。ただ、見逃す余地はできる。」
一蔵は、拳を握った。
命は、軽い。だが、誰かの命の重さは、自分の選択で変えられる。
そう思った。
「……やります。」
「よし。」
小隊長はうなずき、一枚の地図を手渡した。
「今夜出ろ。明け方までに戻れなければ、犬丸は処刑される。」
***
真夜中。
一蔵は砦を抜け、山中を駆けた。
敵陣は谷の向こう。見つかれば即、死。
心臓の音が耳の奥で鳴る。
気づけば、自分はまた命を捨てる任務にいた。だが、今回は違った。
これは“生きて帰るため”の任務だった。
敵の陣に忍び込み、地図を盗む。
鉄製の杭を打ち、焚き火の数を数え、見張りの動線を紙に記す。
足音ひとつで殺される空間。
だが、今の一蔵は、震えていなかった。
犬丸を――あの“狼丸”を守るためなら、なんでもできると思っていた。
夜明けが近づく。月が沈む。
帰り道、足を滑らせて転んだ。手を切った。血が流れた。
それでも走った。
「お前は犬じゃねぇ」
あの言葉を、守るために。
***
朝、砦に戻ったとき、村井小隊長は無言で地図を受け取った。
それから一時間後、犬丸の処分は「追放」と決まった。
首は斬られなかった。
「……ありがとう。」
犬丸は、一蔵にだけそれを言った。
「これから、どこに行くんだ?」
「わかんねぇ。でも、犬としてじゃなく、人間としてどっかで生きてみるさ。」
そして、握手をした。
それが、最後だった。
一蔵はその夜、日記にこう書いた。
「狼丸、砦を去る。
命の重さを、他人のために使うことを覚えた。」
犬丸が人を殺したのは、その次の月のことだった。
それは戦ではなかった。刃を交えた相手は、敵ではなく、味方――いや、少なくとも、味方と呼ばれていた側の人間だった。
一蔵が斥候任務から戻ったあと、前線は動いた。
徳川軍の動きが活発化し、小競り合いが続く中、彼らの隊も砦の建設地に移動させられた。
砦とは名ばかりの、崖っぷちに木を組んだだけの陣である。兵の大半は飯も満足に食えず、毎日木材を担いで登り降りするだけの生活をしていた。
「これ、絶対崩れるよな。」
犬丸は、薪を運びながら言った。
「味方が先に死ぬな。」
一蔵は苦笑して、それでも崩れそうな足場を踏みしめた。
だが、この「崩れる」の意味を、ふたりはまだ知らなかった。
***
砦の補強工事の最中、事件は起きた。
昼休みの時間、一蔵と犬丸は小川で顔を洗っていた。
すると、背後から誰かの怒鳴り声が聞こえた。
「おいコラ、下っ端の分際で何を飲んでやがる!」
振り返ると、兵糧係の役人・塚原が立っていた。背の低い男だが、奉行の遠縁というだけで幅を利かせていた。
塚原は一蔵たちの手元を見て、顔をしかめた。
「水は貴重品だ。貴様ら下賤に流していい水じゃねぇ。」
「川水でさえですか?」
一蔵が思わず返すと、塚原は目を吊り上げた。
「逆らう気か、小僧!」
そして、突如犬丸に歩み寄ると、頭をはたいた。
ごん、と鈍い音が鳴った。犬丸は数秒、静かにその場に佇み、顔を上げた。
「……なぁ。」
低い声だった。
「てめぇ、いま、俺の頭、叩いたな?」
「叩いたさ。何か文句でもあるか、下郎!」
その瞬間だった。
犬丸は素早く腰の小刀を引き抜き、塚原の喉元に突きつけた。
一蔵は目を見開いた。
だが、塚原は怯むどころか、鼻で笑った。
「脅しか? 斬れるもんなら斬ってみろよ、犬ころが。」
静かだった。
風の音すら消えた。
そして――犬丸は、迷わなかった。
刃は一瞬で塚原の喉を裂いた。
血が噴き出す。塚原の目が見開かれる。
どさり、と音がした。
その音だけが、あまりにも静かだった。
***
犬丸は逃げなかった。
一蔵も、叫ばなかった。ふたりは、沈黙のまま川の横に座り込んだ。
「やっちまったな。」
「……ああ。」
「……お前、怖くねぇのか?」
「怖いよ。震えてる。」
犬丸は、自分の手を見つめた。小刀にはまだ血がこびりついていた。
「でもな、あのとき斬らなかったら、俺、俺じゃなくなってた気がするんだ。」
そう言って、犬丸は笑った。その顔には、悲しみも、後悔も、怒りも混じっていた。
一蔵には、それがとても人間らしく思えた。
「死ぬのはわかってる。でも、あんなやつに、犬のままで殺されたくなかった。」
「お前は、犬なんかじゃねぇよ。」
それが一蔵の本音だった。
だが、現実は非情だった。
塚原は奉行の遠縁。殺したとなれば、犬丸は即刻打ち首となる。
それでも、犬丸は逃げなかった。
「逃げても、どこ行っても“犬”に戻るだけだ。」
犬丸は笑った。
「だったら、牙を剥いて死ぬ。俺は犬丸じゃねぇ。今日から“狼丸”だ。」
その言葉が、本気なのか、やけっぱちなのか、一蔵にはわからなかった。
だが――その夜、一蔵は初めて「人を守るために戦う」という言葉の意味を、少しだけ知った。
翌朝、砦の空気は一変していた。
塚原の死体はすぐに見つかった。喉を裂かれ、血に染まった衣服のまま、草の上で冷たくなっていた。
隊内は騒然となり、兵たちは「賊の仕業だ」「敵の間者だ」などと口々に叫び立てたが、誰もが気づいていた。
あの場にいたのは、犬丸と一蔵だけだと。
すぐに二人は詰所に呼び出された。
村井小隊長は黙って二人を見つめていた。背後には武士が二人、手には縄。
「犬丸。お前がやったのか?」
犬丸は頷いた。
「そうだ。」
「何か弁明はあるか?」
「ねぇよ。」
「一蔵。お前は見ていたか?」
問われた一蔵は、一瞬だけ犬丸を見た。
その目は、いつものように笑っていた。が、どこかで「言うな」と告げていた。
一蔵は、唇をかんで答えた。
「俺は……見てません。」
「そうか。」
小隊長は深く溜息をつき、犬丸に言った。
「処分は上で決まる。それまで拘束する。覚悟はあるな?」
「ああ。」
縄がかけられた。そのとき、犬丸はふっと笑った。
「なあ、一蔵。」
「……なんだ。」
「命ってさ、軽ぇな。でも、それを選べるのは、自分だけだよな。」
一蔵は答えられなかった。
ただ、犬丸が連れていかれる背中を、最後まで見送っていた。
***
その晩、一蔵は眠れなかった。
犬丸の笑い声が頭の中で響いていた。
「選べるのは、自分だけだ」
――それが、あいつの言葉だった。
夜半。
小さな物音がして、一蔵は外に出た。
物陰に、村井小隊長がいた。灯を持たず、目だけが光っていた。
「……お前は、犬丸を助けたいか?」
その言葉に、一蔵の心がざわめいた。
「助けられるんですか……?」
「条件がある。お前が斥候として、敵陣の配置図を手に入れてこい。うまくいけば、上への手土産になる。」
「それで……犬丸の命が?」
「保証はしない。ただ、見逃す余地はできる。」
一蔵は、拳を握った。
命は、軽い。だが、誰かの命の重さは、自分の選択で変えられる。
そう思った。
「……やります。」
「よし。」
小隊長はうなずき、一枚の地図を手渡した。
「今夜出ろ。明け方までに戻れなければ、犬丸は処刑される。」
***
真夜中。
一蔵は砦を抜け、山中を駆けた。
敵陣は谷の向こう。見つかれば即、死。
心臓の音が耳の奥で鳴る。
気づけば、自分はまた命を捨てる任務にいた。だが、今回は違った。
これは“生きて帰るため”の任務だった。
敵の陣に忍び込み、地図を盗む。
鉄製の杭を打ち、焚き火の数を数え、見張りの動線を紙に記す。
足音ひとつで殺される空間。
だが、今の一蔵は、震えていなかった。
犬丸を――あの“狼丸”を守るためなら、なんでもできると思っていた。
夜明けが近づく。月が沈む。
帰り道、足を滑らせて転んだ。手を切った。血が流れた。
それでも走った。
「お前は犬じゃねぇ」
あの言葉を、守るために。
***
朝、砦に戻ったとき、村井小隊長は無言で地図を受け取った。
それから一時間後、犬丸の処分は「追放」と決まった。
首は斬られなかった。
「……ありがとう。」
犬丸は、一蔵にだけそれを言った。
「これから、どこに行くんだ?」
「わかんねぇ。でも、犬としてじゃなく、人間としてどっかで生きてみるさ。」
そして、握手をした。
それが、最後だった。
一蔵はその夜、日記にこう書いた。
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