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第2章【闇メン初仕事編】
3話目◉偽装電話
しおりを挟むオーナーの竹林さんからメールの返信がきた。
“渋滞してて、申し訳ない。あと15分ほどで着きます”
よく考えたらもう待ちが1人いるので次回からはこんなワケの分からないゲームではなくなるからまあ、いいか。そう思っていたのだが。
ピロン
二本木さんのケータイが鳴る
「……ごめん、職場でトラブルあったみたいで行かなきゃいけなくなった。また来るから。わるいね」
カランコロン
二本木さんは駆け足で去っていった。
(うおおおおい! マジで?! そんなことあんのかよ)
「ちょ、ちょっとすいません。メール一本だけ送っていいですか?」「じゃあ止めますね」
やばい、このままこのゲームが終わると次のゲームもメンバー2裏メン2の戦いになる。それだけは避けなければ。
そう思って竹林さんに
“ちょっと一本電話なりメールなりしてください。じゃないと客不在のゲームを延々と続けることになりそうです”とメールした。
すると竹林さんからメールが“理解した”とだけ来てそのあとすぐ着信があった。
「はい… はいそうです。はい… 分かりました。はい… 失礼します」
この電話はもちろん偽装で、会話などしていない。それっぽく言っただけだ。
「ごめんなさい、おれ今回で一旦抜けさせてください。ちょっと仕事の電話しなきゃいけなくなって…」という嘘をついて続投を回避する。
「はい、分かりました。大丈夫ですよ」
(そりゃそうだよな、お客さんいないんだから)と思った。
「じゃあ今のうちにシノブくんもご飯食べてきたら?」と店長が裏メンの新田に飯休憩を取らせることになった。シノブって名前してんのかこいつ、裏メンにピッタリな名前だなと思った。おれたち裏メンは忍びの者みたいなもんだ。
オーラスは軽い手をあがって3着から2着に浮上して終了。なんとかバカバカしいゲームで負けて給料減らすようなことだけは回避出来たのであった。
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