140字創作集

菅原 龍飛

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5 空と水溜りと

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 彼が泣いている。足下に広がる小さな世界に涙を流して、彼は何を考え、何を思っているのだろう。
 私にはそれは分からない。分かったところでどうにもならない。それでも私は彼に想いを馳せる。馳せればきっと彼に近づけれる。
 長靴に踏まれても、太陽に晒されても、蒸発して仕舞えばきっと彼に近づける。
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