あの視線の主人【高校〜のストーリー】

kouji

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徹が結人を直から遠ざける

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下校時間の校門前。
 夕陽の赤が歩道を斜めに染めていた。

 結人は前輪のパンクした自転車の前でしゃがみ込み、眉をしかめていた。

 「結人、それパンクしてるじゃん。工具、持ってきてやるよ」

 声をかけてきたのは橘直だった。
 教室ではしゃぐ姿とは違い、今は真剣な表情で工具袋を開けている。

 「ありがと……いつも直に頼ってごめん」

 「いーよ別に。こういうの好きだし。……たぶんすぐ直るよ」

 直は制服の袖をまくり、手際よくタイヤを点検し始める。
 その姿を見て、結人は少しだけ肩の力を抜いた。

 だが、空気が変わったのは、そのときだった。

 「……手間をかけさせてるみたいだね」

 低く穏やかな声。
 振り向くと、結人の背後に徹が立っていた。

 変わらず整った制服に、少しも乱れていない柔らかそうな茶色の髪。
 視線は柔らかく見えて、どこか鋭さを秘めていた。

 直の手が、わずかに止まった。

 「いえ、手間なんて。結人とは親しいので」

 「そう。でも……結人には、帰りの車が来てる。
 今日は乗っていってもらう予定だったから」

 その言葉に、結人が少し驚いた顔をした。

 「車……?」

 「うん。たまにはいいだろ。雨も降りそうだし」

 徹はそう言って、微笑んだ。
 けれど、その微笑みの奥にあるものに気づける人は少ない。

 直は言葉を失った。
 空気が一瞬重くなる。

 「直……今日はごめん、、、
 僕いかないと、、、」


 徹が結人の手をつかみ車へ連れていく様子を
 直はただ見送るしかなかった。

 門の外、黒塗りの車。
 徹がドアを開け、結人を先に乗せる。

 そして、自分も乗り込む寸前、振り返って言った。

 「橘くん、結人に優しくしてくれてありがとう」

 軽く微笑んで、何もなかったように車のドアを閉めた。

 直は泣きそうな気持ちだった、
 2人はどんな関係なんだろう、、、
 付き合っているのか、、、
 
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