26 / 133
第二章「陰になり日向になり」
第十話「茶房の攻防」
しおりを挟む
伊吹アウトドアスポーツの店内に併設されているカフェスペースで、私とほたか先輩は剱さんを見張るように向かい側に座っている。
千景さんの正体を絶対に秘密にしたいので、剱さんという懸念要素をお店に残すわけにはいかないのだ。
今日の勝利条件はただ一つ。
何事もなく剱さんを店から連れ出すことだ。
しかし、剱さんはジュースを飲み終わっても帰る気配がない。
「美嶺ちゃん……。まだ三時なのに、ご飯も頼んじゃったの?」
スイーツを注文するならまだしも、午後三時はご飯を食べるには早すぎる時間だ。
ほたか先輩は目を丸くして驚いている。
「アタシって燃費悪いんすよ。二人とも買い物に時間がかかりそうだったし、食う時間ぐらいあるかと思って」
確かに鍛えてる人はお腹が減りやすいって聞いたことがある。
それは別に問題ないけど、さすがに同行者がいるから一言かけて欲しい。
私はそんな文句が喉まで出かかりながら、剱さんが怖いので料理の到着を待つしかなかった。
「アタシのことは気にせず、帰ってくださいよ。買い物終わったんなら、用もないでしょ?」
剱さんは私たちの気持ちなんて知る由もなく、何の悪気もないように言ってくれる。
それに、確かに用もないのに残り続けているのは不自然に感じられてしまうかもしれない。
私は何か話題を探そうとするが、剱さんを目の前にすると緊張してしまい、頭の中が真っ白になってしまった。
「ひょっとして、アタシを連れ出そうとしてます? なんかここにいるとマズいんすか?」
いくら剱さんが鈍感とはいえ、ここまで不自然さを醸し出してしまえば怪しまれないわけがない。
剱さんはいぶかしげに眉をひそめ、振り返って店内を見ようとする。
そしてタイミングが悪いことに、剱さんの背後には食器を片付けている千景さんがいた。
っていうか、知り合いバレが怖いなら、こんなに近くに来ないでくださいよ、千景さん!
剱さんの頭があと五度でも振り返れば、視界にきっと千景さんが入ってしまう!
すると突然、ほたか先輩が剱さんの手を握りしめた。
「美嶺ちゃん! ずうっと部活に出てくれないけど、何か用事でもあるの?」
ほたか先輩の質問はファインプレーと言わざるを得ない。
剱さんの意識を呼び戻せるし、深刻な雰囲気の中で剱さんに話す内容として適切だ。
「いや……。別に、たいした理由はないっす」
剱さんは何かを考えているように沈黙したあと、視線を落としてつぶやいた。
なんか、妙な間があったのが怪しい。
「あぅぅ……。なんか、隠してる?」
「だから、理由なんてないって。気分だよ、気分!」
「気分の問題だったら、一緒にトレーニングしようよ! 筋トレすれば悩みもスッキリ解決するよ!」
さすがは筋肉信者のほたか先輩。
ぐいぐいと迫っていく笑顔の圧力に、さすがの剱さんもひるんでいるように見える。
「むぐ……。……。まあ、別にいいっすよ」
「やったぁ!」
剱さんの言葉を受けて、ほたか先輩は手を振り上げて子供のように喜んだ。
確かに大会に出場する四人がそろってトレーニングできるようになるのだから、さぞやうれしいことだろう。
私にとっては先輩と三人だけの楽しい部活生活が終わってしまうので、心はどんより曇り空だけど……。
すると、剱さんは何かを思い出したように声を上げた。
「……そういえば、大会があるって言ってましたよね? 大会って何するんすか?」
「……あ、そっか。美嶺ちゃんには言ってなかったかも。えっと……じゃあ、六月の初めにあるインターハイ予選について説明するね」
ほたか先輩は姿勢を正して、剱さんを正面から見つめる。
「インターハイというからには日本全国の選手が競うんだけど、それぞれの都道府県の代表を決めるのが予選大会なの。島根の女子登山部はそもそも人数がそろってる学校が少ないから、たぶん二つか三つの学校で競争することになると思うよ」
「へえ、かなり少ない。いきなり決勝戦って感じっすね」
「うん! あと山登りが初めてっていう人も結構いるから、あんまり緊張しなくていいんだよ!」
この情報は初耳だったような気がするけど、私にとってすごく重要なことだった。
ほたか先輩のようなパワフルな人を見ていると私がすごくちっぽけな存在に感じてしまうけど、未経験者が多いということは、そんなに緊張しなくていいのかもしれない。
私は身を乗り出すように、話に耳を傾ける。
「登山の大会はもちろん山に登って体力を競うんだけど、天気や応急処置、登る山の知識についてのペーパーテストもあるから、事前の勉強も大事なんだよ。各チームは百点満点からの減点方式で採点されて、最後に一番高得点だったチームが勝ちになるの」
「ゴールした順位とか、倒したライバルの人数とかじゃないんすか?」
「そんな危ないこと、しちゃダメだよぉ。それに山道ってけっこう狭いから、無理に追い抜くのも危ないよ。登山大会はあくまでも、安全登山をするための技術を競う大会なんだよ!」
「ええ~」
剱さんがつまらなそうに声を上げる。
「じゃあ、アタシの拳が役に立つ場面は来そうにないっすね」
「えへへ……。あのね、誰も殴っちゃ、ダメなんだよ?」
「あ、クマ相手なら!」
「クマちゃんに会ったら、お姉さんと一緒に逃げようねっ」
話を横から聞いていると、だんだん剱さんへの印象が変わってくる。
今までは喧嘩っ早い不良だと思い込んでいたけど、どっちかというとヤンチャな小学生男子のように思えてきた。
「でも、美嶺ちゃんの体力には期待してるんだ! お姉さんの目はごまかせないよ~。美嶺ちゃん、かなり鍛えてるでしょう!」
「ええ、まあ」
「やっぱり山登りは体力が大事だからね! 重い荷物を持てば仲間もそのぶん楽になるし、体力点は一番多いから大事なの! 体力に余裕があれば、テントを張るのも料理をするのも、余裕をもってできるしね」
ほたか先輩は満面の笑みで腕に力こぶを見せる。半袖のシャツから覗いているしなやかな白い腕には、力強い隆起が顔を見せた。
剱さんがその力こぶを感心したまなざしで見つめているのを横目に見ながら、私は部室で先輩から聞いた説明を思い出す。
テントと料理についても、なにか審査があると言っていた。
「ほたか先輩。テントと料理の審査って、何をするんでしたっけ?」
「テントは一〇分以内に建てられるかの審査で、料理はカロリー計算した献立を計画通りに作れているか、そして衛生的なのかを審査されるんだよ。料理は百点満点中で配点が五点だけど、テントは一〇点もあるから、すごく大事になるの」
「一〇分以内に建てる……」
私はテントを建てる場面を想像してみるが、経験がないので何もイメージできない。
「あぅぅ……。一〇分以内って言われても、やったことがないので大変さがわかりません……」
「建ててみればいいだろ?」
私が歯切れ悪くつぶやいていると、剱さんは何をもじもじしてるんだ、とでも言いたいようにスッパリと言った。
「部でどんなテントを使ってるのかは見ておきたいし、一〇分で建てる必要があるなら、練習すればいいだけだろ」
「わぁっ! 美嶺ちゃん、いいね!」
ほたか先輩の口調が急に熱を帯びた。
「じゃあ、次の週末にみんなでキャンプしようよ! テントの練習をやったり、山の道具を使って料理もしてみるの!」
「いいっすよ」
「ましろちゃんは?」
笑顔で訪ねるほたか先輩の言葉に対して、拒む理由なんてない。
ましてや、ようやくアウトドアの部活っぽいイベントがやってきたのだ。
「はい! キャンプしたいです!」
「やったぁ! あとで千景ちゃんにも確認しておくね。あ~ウズウズしちゃう! ガスボンベは足りるかな。献立も考えなきゃ……」
ほたか先輩はキャンプが楽しみで仕方がないようで、そわそわしながら立ち上がる。
「ちょっと、お店を見てきていいかな! 足りないものを確認したいの!」
そう言って、ほたか先輩は私の返事を待たずにお店に飛んで行ってしまった。
剱さんが男子小学生だとすれば、ほたか先輩もまた、同じかもしれない。
みるみると小さくなっていく背中を、私は見送ることしかできなかった。
(あぅ……。千景さんをまもるってこと、忘れちゃいましたね?)
このままでは、剱さんを私一人でけん制しなくてはいけない。
やれやれという諦めの気分で私は剱さんに向き直る。
すると、剱さんの表情が妙に深刻なものになっていた。
「……二人きりに……なってしまったな」
明らかに空気が変わった剱さんが、そこにいた。
千景さんの正体を絶対に秘密にしたいので、剱さんという懸念要素をお店に残すわけにはいかないのだ。
今日の勝利条件はただ一つ。
何事もなく剱さんを店から連れ出すことだ。
しかし、剱さんはジュースを飲み終わっても帰る気配がない。
「美嶺ちゃん……。まだ三時なのに、ご飯も頼んじゃったの?」
スイーツを注文するならまだしも、午後三時はご飯を食べるには早すぎる時間だ。
ほたか先輩は目を丸くして驚いている。
「アタシって燃費悪いんすよ。二人とも買い物に時間がかかりそうだったし、食う時間ぐらいあるかと思って」
確かに鍛えてる人はお腹が減りやすいって聞いたことがある。
それは別に問題ないけど、さすがに同行者がいるから一言かけて欲しい。
私はそんな文句が喉まで出かかりながら、剱さんが怖いので料理の到着を待つしかなかった。
「アタシのことは気にせず、帰ってくださいよ。買い物終わったんなら、用もないでしょ?」
剱さんは私たちの気持ちなんて知る由もなく、何の悪気もないように言ってくれる。
それに、確かに用もないのに残り続けているのは不自然に感じられてしまうかもしれない。
私は何か話題を探そうとするが、剱さんを目の前にすると緊張してしまい、頭の中が真っ白になってしまった。
「ひょっとして、アタシを連れ出そうとしてます? なんかここにいるとマズいんすか?」
いくら剱さんが鈍感とはいえ、ここまで不自然さを醸し出してしまえば怪しまれないわけがない。
剱さんはいぶかしげに眉をひそめ、振り返って店内を見ようとする。
そしてタイミングが悪いことに、剱さんの背後には食器を片付けている千景さんがいた。
っていうか、知り合いバレが怖いなら、こんなに近くに来ないでくださいよ、千景さん!
剱さんの頭があと五度でも振り返れば、視界にきっと千景さんが入ってしまう!
すると突然、ほたか先輩が剱さんの手を握りしめた。
「美嶺ちゃん! ずうっと部活に出てくれないけど、何か用事でもあるの?」
ほたか先輩の質問はファインプレーと言わざるを得ない。
剱さんの意識を呼び戻せるし、深刻な雰囲気の中で剱さんに話す内容として適切だ。
「いや……。別に、たいした理由はないっす」
剱さんは何かを考えているように沈黙したあと、視線を落としてつぶやいた。
なんか、妙な間があったのが怪しい。
「あぅぅ……。なんか、隠してる?」
「だから、理由なんてないって。気分だよ、気分!」
「気分の問題だったら、一緒にトレーニングしようよ! 筋トレすれば悩みもスッキリ解決するよ!」
さすがは筋肉信者のほたか先輩。
ぐいぐいと迫っていく笑顔の圧力に、さすがの剱さんもひるんでいるように見える。
「むぐ……。……。まあ、別にいいっすよ」
「やったぁ!」
剱さんの言葉を受けて、ほたか先輩は手を振り上げて子供のように喜んだ。
確かに大会に出場する四人がそろってトレーニングできるようになるのだから、さぞやうれしいことだろう。
私にとっては先輩と三人だけの楽しい部活生活が終わってしまうので、心はどんより曇り空だけど……。
すると、剱さんは何かを思い出したように声を上げた。
「……そういえば、大会があるって言ってましたよね? 大会って何するんすか?」
「……あ、そっか。美嶺ちゃんには言ってなかったかも。えっと……じゃあ、六月の初めにあるインターハイ予選について説明するね」
ほたか先輩は姿勢を正して、剱さんを正面から見つめる。
「インターハイというからには日本全国の選手が競うんだけど、それぞれの都道府県の代表を決めるのが予選大会なの。島根の女子登山部はそもそも人数がそろってる学校が少ないから、たぶん二つか三つの学校で競争することになると思うよ」
「へえ、かなり少ない。いきなり決勝戦って感じっすね」
「うん! あと山登りが初めてっていう人も結構いるから、あんまり緊張しなくていいんだよ!」
この情報は初耳だったような気がするけど、私にとってすごく重要なことだった。
ほたか先輩のようなパワフルな人を見ていると私がすごくちっぽけな存在に感じてしまうけど、未経験者が多いということは、そんなに緊張しなくていいのかもしれない。
私は身を乗り出すように、話に耳を傾ける。
「登山の大会はもちろん山に登って体力を競うんだけど、天気や応急処置、登る山の知識についてのペーパーテストもあるから、事前の勉強も大事なんだよ。各チームは百点満点からの減点方式で採点されて、最後に一番高得点だったチームが勝ちになるの」
「ゴールした順位とか、倒したライバルの人数とかじゃないんすか?」
「そんな危ないこと、しちゃダメだよぉ。それに山道ってけっこう狭いから、無理に追い抜くのも危ないよ。登山大会はあくまでも、安全登山をするための技術を競う大会なんだよ!」
「ええ~」
剱さんがつまらなそうに声を上げる。
「じゃあ、アタシの拳が役に立つ場面は来そうにないっすね」
「えへへ……。あのね、誰も殴っちゃ、ダメなんだよ?」
「あ、クマ相手なら!」
「クマちゃんに会ったら、お姉さんと一緒に逃げようねっ」
話を横から聞いていると、だんだん剱さんへの印象が変わってくる。
今までは喧嘩っ早い不良だと思い込んでいたけど、どっちかというとヤンチャな小学生男子のように思えてきた。
「でも、美嶺ちゃんの体力には期待してるんだ! お姉さんの目はごまかせないよ~。美嶺ちゃん、かなり鍛えてるでしょう!」
「ええ、まあ」
「やっぱり山登りは体力が大事だからね! 重い荷物を持てば仲間もそのぶん楽になるし、体力点は一番多いから大事なの! 体力に余裕があれば、テントを張るのも料理をするのも、余裕をもってできるしね」
ほたか先輩は満面の笑みで腕に力こぶを見せる。半袖のシャツから覗いているしなやかな白い腕には、力強い隆起が顔を見せた。
剱さんがその力こぶを感心したまなざしで見つめているのを横目に見ながら、私は部室で先輩から聞いた説明を思い出す。
テントと料理についても、なにか審査があると言っていた。
「ほたか先輩。テントと料理の審査って、何をするんでしたっけ?」
「テントは一〇分以内に建てられるかの審査で、料理はカロリー計算した献立を計画通りに作れているか、そして衛生的なのかを審査されるんだよ。料理は百点満点中で配点が五点だけど、テントは一〇点もあるから、すごく大事になるの」
「一〇分以内に建てる……」
私はテントを建てる場面を想像してみるが、経験がないので何もイメージできない。
「あぅぅ……。一〇分以内って言われても、やったことがないので大変さがわかりません……」
「建ててみればいいだろ?」
私が歯切れ悪くつぶやいていると、剱さんは何をもじもじしてるんだ、とでも言いたいようにスッパリと言った。
「部でどんなテントを使ってるのかは見ておきたいし、一〇分で建てる必要があるなら、練習すればいいだけだろ」
「わぁっ! 美嶺ちゃん、いいね!」
ほたか先輩の口調が急に熱を帯びた。
「じゃあ、次の週末にみんなでキャンプしようよ! テントの練習をやったり、山の道具を使って料理もしてみるの!」
「いいっすよ」
「ましろちゃんは?」
笑顔で訪ねるほたか先輩の言葉に対して、拒む理由なんてない。
ましてや、ようやくアウトドアの部活っぽいイベントがやってきたのだ。
「はい! キャンプしたいです!」
「やったぁ! あとで千景ちゃんにも確認しておくね。あ~ウズウズしちゃう! ガスボンベは足りるかな。献立も考えなきゃ……」
ほたか先輩はキャンプが楽しみで仕方がないようで、そわそわしながら立ち上がる。
「ちょっと、お店を見てきていいかな! 足りないものを確認したいの!」
そう言って、ほたか先輩は私の返事を待たずにお店に飛んで行ってしまった。
剱さんが男子小学生だとすれば、ほたか先輩もまた、同じかもしれない。
みるみると小さくなっていく背中を、私は見送ることしかできなかった。
(あぅ……。千景さんをまもるってこと、忘れちゃいましたね?)
このままでは、剱さんを私一人でけん制しなくてはいけない。
やれやれという諦めの気分で私は剱さんに向き直る。
すると、剱さんの表情が妙に深刻なものになっていた。
「……二人きりに……なってしまったな」
明らかに空気が変わった剱さんが、そこにいた。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~
楠富 つかさ
恋愛
中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。
佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。
「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」
放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。
――けれど、佑奈は思う。
「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」
特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。
放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。
4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
春に狂(くる)う
転生新語
恋愛
先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/
カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる