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第四章「陽を見あげる向日葵のように」
第二十話「一つ屋根の下で」
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大騒ぎのシャワーを終え、私はなんだかドキドキしっぱなしだった。
こういう時は早く寝て、気持ちをリセットするに限る。
テントに戻ると、さっそく寝袋を取り出した。
時計を見ると夜の九時だ。
陽彩さんと先生は今頃、宿直室で寝ている頃だろう。
明日の朝はなるべく目立たない時間にテントを片付けたいので、少し早い時間だけど私たちも寝ることにした。
テントの外から聞こえる風の音はさっきよりも強まっている。
明日の朝はテントを片付けるけど、雨にならなければいいなと願うしかなかった。
「えへへ。お隣ですね」
「うん。手をつなご」
私は千景さんの隣に寝そべると、千景さんが手を差し伸べてくれる。
そのきれいな指に触れようとした時、「とりゃっ」という掛け声と共に私の上に美嶺がのしかかってきて、千景さんとの間に割り込んできた。
私はその拍子にテントの奥のほうにはじき出されてしまう。
美嶺がこんなことをした理由はわかってる。
千景さんと私がイチャイチャしてるとジェラシーの炎が燃え上がってしまうらしいのだ。
「もぉ~美嶺! 急に挟まって来ちゃ、ケガするでしょ!」
「す、すまん。……つい」
美嶺もやりすぎたと思ったのか、ちょっと弱腰だ。
「……あの、やっぱり伊吹さんがましろの隣に行ってください」
「美嶺さん、そこがいいのでは?」
「いや……。アタシが邪魔しちゃったんで。どうぞ」
「今のままで、いい。美嶺さんも好きだから」
そして千景さんはにこっと笑った。
美嶺は顔を真っ赤にして動揺し始める。
その二人の様子はなんだか微笑ましかった。
(わかる。わかるよ、美嶺。千景さんの瞳は魔性なんだよ……)
私はウンウンと無言でうなづく。
すると、テントの一番奥、私の隣にほたか先輩がやって来た。
「ましろちゃんのお隣で寝ていっかな」
「いいですけど……。いつも入り口側で寝られているのに、珍しいですね」
「あの……えっと……。風の音が怖くって。一番奥がいいなぁって……」
そう言いながらも、ほたか先輩はモジモジした様子で私を見つめている。
その時、私はふとこのテントの中の状況がおかしいことに気が付いた。
(あれ……? なんだろうこれ。なんか、私の横で誰が寝るかみたいなことになってる?)
三人が私の隣を取り合っているように思えてくる。
まるで私がハーレムの中心にいるようだった。
そんなはずは絶対にないので、必死に変な妄想を頭から追い払う。
(気のせいだよね。うん。気のせい)
心を静め、改めてほたか先輩のほうを見つめた。
すると、寝袋の穴から見覚えのあるぬいぐるみの頭が見えているではないか。
私は驚きの声を出しそうになり、慌てて口を閉じた。
そしてほたか先輩の近くに忍び寄って、先輩だけに聞こえるように囁いた。
「なんでぬいぐるみを抱きしめてるんですか?」
「……実はいつも、夜が怖かったの。だから、お守り」
「……なんで私なんですか?」
「それは……」
ほたか先輩は困ったような表情になり、言葉に詰まる。
そして、無言で口だけを動かした。
先輩が示した口の動きは三つ。
私には「ひ・み・つ」と言っているように見えた。
「みんな、おやすみなさ~い」
ほたか先輩はわざとらしい大きめの声で呼びかけると、ランタンの光を消す。
そして訪れる暗闇。
私はほたか先輩の呼吸を聞きながら、なかなか寝つけなくなってしまった。
こういう時は早く寝て、気持ちをリセットするに限る。
テントに戻ると、さっそく寝袋を取り出した。
時計を見ると夜の九時だ。
陽彩さんと先生は今頃、宿直室で寝ている頃だろう。
明日の朝はなるべく目立たない時間にテントを片付けたいので、少し早い時間だけど私たちも寝ることにした。
テントの外から聞こえる風の音はさっきよりも強まっている。
明日の朝はテントを片付けるけど、雨にならなければいいなと願うしかなかった。
「えへへ。お隣ですね」
「うん。手をつなご」
私は千景さんの隣に寝そべると、千景さんが手を差し伸べてくれる。
そのきれいな指に触れようとした時、「とりゃっ」という掛け声と共に私の上に美嶺がのしかかってきて、千景さんとの間に割り込んできた。
私はその拍子にテントの奥のほうにはじき出されてしまう。
美嶺がこんなことをした理由はわかってる。
千景さんと私がイチャイチャしてるとジェラシーの炎が燃え上がってしまうらしいのだ。
「もぉ~美嶺! 急に挟まって来ちゃ、ケガするでしょ!」
「す、すまん。……つい」
美嶺もやりすぎたと思ったのか、ちょっと弱腰だ。
「……あの、やっぱり伊吹さんがましろの隣に行ってください」
「美嶺さん、そこがいいのでは?」
「いや……。アタシが邪魔しちゃったんで。どうぞ」
「今のままで、いい。美嶺さんも好きだから」
そして千景さんはにこっと笑った。
美嶺は顔を真っ赤にして動揺し始める。
その二人の様子はなんだか微笑ましかった。
(わかる。わかるよ、美嶺。千景さんの瞳は魔性なんだよ……)
私はウンウンと無言でうなづく。
すると、テントの一番奥、私の隣にほたか先輩がやって来た。
「ましろちゃんのお隣で寝ていっかな」
「いいですけど……。いつも入り口側で寝られているのに、珍しいですね」
「あの……えっと……。風の音が怖くって。一番奥がいいなぁって……」
そう言いながらも、ほたか先輩はモジモジした様子で私を見つめている。
その時、私はふとこのテントの中の状況がおかしいことに気が付いた。
(あれ……? なんだろうこれ。なんか、私の横で誰が寝るかみたいなことになってる?)
三人が私の隣を取り合っているように思えてくる。
まるで私がハーレムの中心にいるようだった。
そんなはずは絶対にないので、必死に変な妄想を頭から追い払う。
(気のせいだよね。うん。気のせい)
心を静め、改めてほたか先輩のほうを見つめた。
すると、寝袋の穴から見覚えのあるぬいぐるみの頭が見えているではないか。
私は驚きの声を出しそうになり、慌てて口を閉じた。
そしてほたか先輩の近くに忍び寄って、先輩だけに聞こえるように囁いた。
「なんでぬいぐるみを抱きしめてるんですか?」
「……実はいつも、夜が怖かったの。だから、お守り」
「……なんで私なんですか?」
「それは……」
ほたか先輩は困ったような表情になり、言葉に詰まる。
そして、無言で口だけを動かした。
先輩が示した口の動きは三つ。
私には「ひ・み・つ」と言っているように見えた。
「みんな、おやすみなさ~い」
ほたか先輩はわざとらしい大きめの声で呼びかけると、ランタンの光を消す。
そして訪れる暗闇。
私はほたか先輩の呼吸を聞きながら、なかなか寝つけなくなってしまった。
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