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第3章 本格的侵攻開始   か?

第7話 変わってきた、世界と常識

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「ニュースです。本日未明。また、ダンジョンを起因とする地震が発生しました。その後、世界各地で被害が報告されています。こちらをご覧ください」

 映像では、どこかのパニック映画さながらに、武装した市民がモンスターと対峙している映像が流れていた。持っている銃やショットガンではあまり役に立たず、襲われてパニックになっているようだった。

「管理がされていない、ダンジョンからの氾濫の様子でした。これは国内でも発生しており、未発見のダンジョンから氾濫がおこったようです。これは九州地方ですが、少しショッキングな映像を含んでいます。ご注意ください」

 映像は、モンスターが氾濫をしているが、みんなが素手でモンスターを殴り殺していた……。

「あれって、壮二や真魚と同じくらいかな?」
 茶菓子をつまみながら、一司が言うと、
「そうだね。ゴブリンなんかワンパンだね」
 美月が、反応する。

「あっちのおじいさんなんか、絶対一般人じゃないよね」
 美月が端に映る達人を見つけた。
「ああ、パンチ一発で。オークの首が折れたぞ? あの逆立ちして足を交差するのも、早すぎて一般人なら見えんだろう」

「あの子もすごいよ。軽くパンチあてただけでモンスターを倒している」
「あれは、あてた瞬間にこぶしを振動させているな」
 そこに到達するまでに、どれくらいの研鑽を積んだのだろう。
 頭が下がるよ。
「あの人、通りすがりにパンチを入れて、行き過ぎてからモンスターが爆発している」

「みんなすごいな」

 その後も、世界各国のニュース映像が流れているが、銃に頼った国の方が苦戦をしているようだ。あれはどうしてなんだろうな? 物理的な衝撃は一緒だろうに?
 俺がそう考えると、念話として漏れていたようだ。
〈魔素で構成されていないから、きかないのにゃ。もう人は、手足に魔素を纏っているから効くのにゃ〉
〈単なる、物質じゃダメなのか? でも最初、俺のバットは無敵だったぞ?〉
〈それは使う時に、そのものを持って、振りかぶり振り下ろす。その一連の動作をイメージしているにゃ。その時、俺のバット? にも、魔素を纏わせている。あの銃というものは、撃つまでは意識していても、その後は、しらんぷりにゃ〉

〈あれか、撃った弾を一発一発を当たるまで、イメージし続けていないとだめなのか?〉
〈そうにゃ〉
〈大事な情報だが、そりゃむりだ〉

「幸い日本では、人的被害は軽微ですが、物損。器物破損が多く発生しています。家の壁や車を壊されていても保険の条件によっては、支払われないことがあります。ご注意ください。今すぐ条件の見直しをお勧めしますと、損保各社からそのような返答が返ってきています。提供は○○損害保険相互会社がお送りいたしております。CMです」

「このように、世界中が少し大変な状況になってきています。有識者からは、チュートリアルが終わった。と謎の声が上がっています。それでは皆さん、野良モンスターにはくれぐれもご注意ください」


「あれかな? 日本人位なのか? ダンジョンができた。わーいって突っ込んで行ったのは」
「まあねえ。海外はすぐに、軍隊が封鎖して、氾濫を起こしていたし」

「そういえば、一司。井守先生から、海外からも魔道具の問い合わせが来ているらしいけれど、どうするかって?」
「あー。面倒だからヤダ。この前も使い終わった、えーとまもる君(魔道具個人用バリア、魔法の世界から女性に優しいお届け物。モンスターも痴漢も近づけません。中からは攻撃可能。ほぼ10回使用可能お得バージョン)を持ってきて役所で暴れていた外国人がいただろう。あれで懲りた」

「ああ、回数終わっているのに、使えないから構造を確認する。原理と組み方教えろって、クレーム入れていたやつね」
「ああ、俺の回路の組み方がおかしいのじゃないか? 検証してやるとか訳の分からんこと言われて……」
 まあ、魔道具に回路がどうこう言ってる時点で詰みだがな。
「仕様が無いから、新しい魔石を使って、目の前で修理してあげたやつでしょ」
「ああ、近くでお仲間も録画していたから、干渉してカメラを壊してやった。直して今のでおかしいところがありましたか? 具体的に教えてくださいって言ったら帰ったな」
「魔法で作ると、思っていなかったのでしょうね。多分」

「多分。あの騒いでいた外国人の関係者だろう。あの後も、ちゃんと教えてくれないと作れないって叫んでいたもんな。なんで教えてもらえると、思っているんだろう?」

「じゃあまあ、断っておくね」

「海外向けに作るなら、どこでも蛇口かな?」
「便利そうね、ついでならマヌカンピスにする?」
「なんで、わざわざ英語で…… いやオランダ語だったか? まあ良い。まさかおまえ、恥ずかしいのか? そういやベルギーのブリュッセルに少女像もあったよな…… いや絶対どこかから、クレームが入りそうだからやめよう」
 そう言うと、やっぱり美月が食いついた。
「女の子版作るの? モデルがいるでしょ。恥ずかしいけどいいよ…… 見る?」
「今、俺はやめようと言ったんだ。いらないし作らない」
「ぶー。つまんない」
 そう言ってじたばたし始める。

「お前がモデルで作ってみろ、速攻で捕まる。特にお母さんから、うふふ死刑でいいわね。送検しておくわ。とか言われたら怖いわ…… あれ? 言われるかな? あらあらで終わりそうな気もするな。試す気はしないけれど……」
「そうね、警察から書類が来ても、途中で消えると思うわ」

 そんなバカな話をしていると、ダイニング側で真魚と玲己が見ていた。
「あの二人。仲がいいよね」
「そうですね」
「おりょ、真魚ちゃんは、やきもちかな?」
「いえ別に、違います……」
「へー、ほー。多感なお年頃だね」
 玲己にそう言われて、真魚はそっぽを向く。

「……からかわないで、ください」
「神地さんなんかまだ、深淵(フチ)も覗いてないくせに」
「縁ってなあに?」
「秘密です。時が来れば、一司さんが、見させてくれます」

 真魚達は、持っていないと不便という。
 それだけの軽いノリで、ダンジョンマスターにされた。
 確かに亜空間収納や念話は便利だし、許可をもらっているので、ダンジョン側の部屋は棚とかくらいだと自分で作れる。確かに便利。
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