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第3章 アミサム王国 動乱
第114話 ステラのお使い
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〈マスター広大。お忙しいでしょうか?〉
〈うん?まあ。ぼちぼちだが、おまえどこかで見ているのか?〉
〈何のことでしょう?〉
〈まあいい。何だ?〉
〈ちょっとした手違いで、封印されたユニットを起動してしまい。私では停止が出来ません〉
〈何だそれ? そのユニット。動いているとどうなる?〉
〈前回の結果では、レグナム人が死滅しました〉
思わず力が入る。すると、美咲が声を上げ気絶する。
最近、美咲と勤めをしていると、ステラから通信が入る。
驚かされると、つい力が入る。すると、思ったより奥を押し上げるようで、美咲はこれまた意図せず。深くいくようで、ときに気を失うこともある。
〈時間的猶予は?〉
〈多少はありそうです〉
〈分かった。何とかしよう〉
「はふっ。びっくりした。でも気持ちよかった」
「よかったなら良い」
抱えて、頭をなでる。
翌日。再度ステラに連絡を取る。
〈座標と、船を送ります。そこは、メインフレームですので、侵入防止トラップや付属ユニットがあるため内部は迷路のようになっています。フォローはいたしますがお気を付けください〉
〈ややっこしそうだな。皆を連れて行くか。具体的にユニットの停止はどうすればいい〉
〈破壊してください。それが簡単です〉
〈あーうん。分かった〉
一応皆が留守にすると、クスティには言っておくか、最近色々な関わりが出来たし。
領主の館へ向かいクスティを探す。
ヤルマリが居たので、『しばらく留守にする』と伝えてくれるようにお願いをして帰る事にした。
「何だって。広大が来た? 今どこに?」
「ご用件のみ伝えて、今ご帰宅の途中かと」
「しまった」
あわてて追いかけ出す、クスティ。
「広大」
窓から顔を出すと、まだ屋敷から出たところだった、広大を見つける。
「おう。クスティ。さっきヤルマリにも言ったが、少し留守にする。何かあったら、エーリッキかシーラにでも、伝言を残しておいてくれ」
「いや丁度、王からと、魔王から親書が届いて、広大からの返事を欲しい様なのです。無論正式な物は後日ですが」
「よくわからんが、分かった。返事をしといてくれ」
「本当によろしいのですか?」
そう聞いたが、手を振り。転移をしていった。
「内容は?どのようなものなので?」
「それがなあ」
広大達は、ステラがよこした船に乗り、出発をした。
美咲と勇者くん。真一とマリアーナ。それにチームのエルミとアミー。
エルミは、真一と会える時間が少ないからと参加。
アミーは精霊を使い。宝を探すのが得意なそうだ。
マリアーナが言うには、遺跡は一応王家の持ち物なので、やっかいごとが起きたときの要員として付いていくらしい。
王都を通り過ぎ、小高い山に囲まれた盆地。
月からのエネルギーが降り注ぎ、光に包まれている。
それなのに木々は元気で、植生に異常もなさそうだ。
古代遺跡にしては珍しく、水をたたえる池があり。石造りの庭が整備されている。
奥に神殿があり、そこが入り口のようだ。
道の両脇には、水路が造られ。冷たい水が流れている。
ひんやりとした空間を進み。宮殿へと入る。
そこはさらに気温が下がる。
「これって、地下水を利用した冷却システムかな?」
「そうかもな。かなり気温が低いぞ」
神殿に入ると、兵士が現れる。
降りてきた船。それから出てきた俺たちをかなり警戒している。
「貴様ら何者だ」
マリアーナの出番だ。
「第二王女マリアーナ・ヘレナ・アミサムだ。王家のものに王家の人間が用事があってきたのだ。控えろ」
「姫様。しかし、連絡を何も受けておりません」
思い出して、メダルを見せる。
「これは。王家の許可証。失礼いたしました」
そう言って兵達が下がる。
「私は、役に立たなかった」
ぼそっとつぶやき、真一に甘え始める。
周りは、当然またかと思い無視をする。
〈その辺りに、入り口があります〉
〈ああ見える、だが脇に入り口が開けられ、エレベーターの中に木組みの階段があるぞ〉
〈対応いたします。そのままどうぞ〉
そう言うと、作業用ロボットがわらわらと出てくる。
みるみるうちに、階段が撤去され、壁に開けられた穴が閉じていく。
兵士達は、その異様な光景に固まっている。
「今のは一体?」
「ああ。あれは、作業用の道具だ。気にするな」
少し待つと、連絡が入る。
〈修復可能。利用できます。そのまま、6階まで降りてください〉
〈分かった〉
「行くぞ。6階だとさ」
近付くと、ドアが開く。
背後で、兵達の驚く声が聞こえる。
普通に乗り込み、6のボタンをタッチする。
扉が閉まり移動しているのだろうが、重力制御か変化を感じないので、全然分からない。すぐに、扉が開く。
流れ込んでくる冷気。
俺たちは平気だが、マリアーナがわめく。
「寒い。真一寒いの」
真一はすがりつくマリアーナに、ダウンのベンチコートを出す。
気温は、15度前後だと思うがな。
運動すれば、すぐに必要なくなると思いながら、目の前に広がる。広大な倉庫っぽい景色を見る。
エレベーターから降りたところは、2階の通路となっていて、眼下ににょきにょきと機械が生えている。
「赤やら青やら綺麗だが、広いな」
〈案内を開始します〉
俺たちは、移動を開始する。
〈うん?まあ。ぼちぼちだが、おまえどこかで見ているのか?〉
〈何のことでしょう?〉
〈まあいい。何だ?〉
〈ちょっとした手違いで、封印されたユニットを起動してしまい。私では停止が出来ません〉
〈何だそれ? そのユニット。動いているとどうなる?〉
〈前回の結果では、レグナム人が死滅しました〉
思わず力が入る。すると、美咲が声を上げ気絶する。
最近、美咲と勤めをしていると、ステラから通信が入る。
驚かされると、つい力が入る。すると、思ったより奥を押し上げるようで、美咲はこれまた意図せず。深くいくようで、ときに気を失うこともある。
〈時間的猶予は?〉
〈多少はありそうです〉
〈分かった。何とかしよう〉
「はふっ。びっくりした。でも気持ちよかった」
「よかったなら良い」
抱えて、頭をなでる。
翌日。再度ステラに連絡を取る。
〈座標と、船を送ります。そこは、メインフレームですので、侵入防止トラップや付属ユニットがあるため内部は迷路のようになっています。フォローはいたしますがお気を付けください〉
〈ややっこしそうだな。皆を連れて行くか。具体的にユニットの停止はどうすればいい〉
〈破壊してください。それが簡単です〉
〈あーうん。分かった〉
一応皆が留守にすると、クスティには言っておくか、最近色々な関わりが出来たし。
領主の館へ向かいクスティを探す。
ヤルマリが居たので、『しばらく留守にする』と伝えてくれるようにお願いをして帰る事にした。
「何だって。広大が来た? 今どこに?」
「ご用件のみ伝えて、今ご帰宅の途中かと」
「しまった」
あわてて追いかけ出す、クスティ。
「広大」
窓から顔を出すと、まだ屋敷から出たところだった、広大を見つける。
「おう。クスティ。さっきヤルマリにも言ったが、少し留守にする。何かあったら、エーリッキかシーラにでも、伝言を残しておいてくれ」
「いや丁度、王からと、魔王から親書が届いて、広大からの返事を欲しい様なのです。無論正式な物は後日ですが」
「よくわからんが、分かった。返事をしといてくれ」
「本当によろしいのですか?」
そう聞いたが、手を振り。転移をしていった。
「内容は?どのようなものなので?」
「それがなあ」
広大達は、ステラがよこした船に乗り、出発をした。
美咲と勇者くん。真一とマリアーナ。それにチームのエルミとアミー。
エルミは、真一と会える時間が少ないからと参加。
アミーは精霊を使い。宝を探すのが得意なそうだ。
マリアーナが言うには、遺跡は一応王家の持ち物なので、やっかいごとが起きたときの要員として付いていくらしい。
王都を通り過ぎ、小高い山に囲まれた盆地。
月からのエネルギーが降り注ぎ、光に包まれている。
それなのに木々は元気で、植生に異常もなさそうだ。
古代遺跡にしては珍しく、水をたたえる池があり。石造りの庭が整備されている。
奥に神殿があり、そこが入り口のようだ。
道の両脇には、水路が造られ。冷たい水が流れている。
ひんやりとした空間を進み。宮殿へと入る。
そこはさらに気温が下がる。
「これって、地下水を利用した冷却システムかな?」
「そうかもな。かなり気温が低いぞ」
神殿に入ると、兵士が現れる。
降りてきた船。それから出てきた俺たちをかなり警戒している。
「貴様ら何者だ」
マリアーナの出番だ。
「第二王女マリアーナ・ヘレナ・アミサムだ。王家のものに王家の人間が用事があってきたのだ。控えろ」
「姫様。しかし、連絡を何も受けておりません」
思い出して、メダルを見せる。
「これは。王家の許可証。失礼いたしました」
そう言って兵達が下がる。
「私は、役に立たなかった」
ぼそっとつぶやき、真一に甘え始める。
周りは、当然またかと思い無視をする。
〈その辺りに、入り口があります〉
〈ああ見える、だが脇に入り口が開けられ、エレベーターの中に木組みの階段があるぞ〉
〈対応いたします。そのままどうぞ〉
そう言うと、作業用ロボットがわらわらと出てくる。
みるみるうちに、階段が撤去され、壁に開けられた穴が閉じていく。
兵士達は、その異様な光景に固まっている。
「今のは一体?」
「ああ。あれは、作業用の道具だ。気にするな」
少し待つと、連絡が入る。
〈修復可能。利用できます。そのまま、6階まで降りてください〉
〈分かった〉
「行くぞ。6階だとさ」
近付くと、ドアが開く。
背後で、兵達の驚く声が聞こえる。
普通に乗り込み、6のボタンをタッチする。
扉が閉まり移動しているのだろうが、重力制御か変化を感じないので、全然分からない。すぐに、扉が開く。
流れ込んでくる冷気。
俺たちは平気だが、マリアーナがわめく。
「寒い。真一寒いの」
真一はすがりつくマリアーナに、ダウンのベンチコートを出す。
気温は、15度前後だと思うがな。
運動すれば、すぐに必要なくなると思いながら、目の前に広がる。広大な倉庫っぽい景色を見る。
エレベーターから降りたところは、2階の通路となっていて、眼下ににょきにょきと機械が生えている。
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〈案内を開始します〉
俺たちは、移動を開始する。
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