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第一章 少年達の日常
第2話 水
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水祭 雫は、惰眠をむさぼっていた。
そう、彼女にとって、お休みの時間。
周りは、数学。
算数とは違い、見慣れない記号が出てきて焦る頃。
「先生、水祭さん寝ています」
その声に、ちらっとだけ、先生は状況を確認をする。
「大丈夫だ、惰眠をむさぼるのも今のうちだけだ。きけ童共よ、中間時に四〇点以下は赤点とする。んんー? 高校じゃ無くて、中学校だから大丈夫だとぉ。どぅぁれが決めた。この教室では我が神だ。今は静かに寝かせてやるが良い。今はな…… さて、点Pが、無敵だった場合、点AとBは逃げ出す。この時、谷を越えて逃げれば二次方程式だ」
「っ先生。ここ一年の教室です」
「うん? 一年? ちょっと教科書を貸せ。うーん。先生間違えちゃった。ごめんね」
数学教師、葛野 極三十六歳。
少し色々こじらせているが、優しく少しおっちょこちょい。
意外と生徒には人気がある。
そして、別の教室では。
颯司と土祭 陸斗が並んで座り、デジタルホワイトボードを見ていた。
いや実際は、椅子から陸斗の作った土の柱が二人の背中を支え、二人の瞳はまぶたに描かれた黒丸だ。
その様子を、国語教師国野 導二十八歳は、きちんと把握をしていた。
この教師、一見めがねを掛けて、おどおどしている。
ひ弱そうだが、実は超強い。
細く見えるのは、極限まで鍛え上げた肉体のせい。
子どもの頃、戦国武将に憧れて、体を鍛え始めた。
無論、習ったのは総合的な武術。
するとだ、必然的に祭グループのどこかとなる。
そう、彼は土祭家の門下生。
坊ちゃんを叱ることなど出来ない。
必然的に、颯司も見逃される。
そんな彼だが、怒らせると人が代わる。
その時には、気迫だけで教室の温度が三度は下がる。
「先生、そいつら寝てますよ。いいんすか?」
そう、彼の使ったそんな礼儀の無い言葉に反応をした。
「ああっ? てめえ、いまなんつった? 死にてえのか? おらぁ。いまなんつーったぁ。も一回言えよ」
今まさに教室の温度が下がった。
なぜか、黒目が小さくなり、白目が広くなる。
そんな目で、生徒の目の前に立ち、上から見下ろす。
「すんません」
ビビった生徒は、謝る。
「すみませんだ。馬鹿野郎。調子くれてっと絞めるぞ。ボケがぁ」
そう言うと、彼は落ち着くためか深呼吸を行う。それは丹田呼吸法。息吹。
「コホー」
シンとする教室。
「えー。それでは皆さん。日本語は美しい言語です。正しく優雅に語るようにしましょう。汚い言葉を使うと精神まで歪みます。良いですね」
彼はそう説明を始め、何もなかった様に授業は進む。
坊ちゃんの居眠りは、無事にごまかせたようだ。
別の授業。
ここに居るのは、火祭 朱莉。
理科の実験中で、グランドの脇にある花壇にいた。
「皆さん植物の種類と、違いを見つけてください」
周囲に落ち着いた声が響く。
理科教師
神苑 啓三十二歳。
体は細く、黒い服が好き。
そうイメージ的には映画であった魔法使い学校の神経質な先生がイメージが近いだろう。
彼の行動からも、そんな様子がうかがえる。
「先生。スズランがあります」
「ほう綺麗ですね。特徴は言えますか?」
そう、答えているのは朱莉。
「はい。スズランはコンバラトキシンやコンバロシドを持っています。飲ませると嘔吐や頭痛、めまい、血圧低下、心臓麻痺が起こります。摂取後1時間以内に発症し、上手く行けば殺すことが出来ます」
それを聞いて少し焦る。
「君の名は?」
くるっとターンをして、なぜか振り返るように問いかける。
「火祭 朱莉です」
「ああ。あの一族ですか。道具としてだけでは無く、単純に愛でるのも、心に安らぎを与えますよ」
先生がそう言うが、きょとんとする朱莉。
そして出した回答は……
「心に安らぎを望むなら、トケイ草とかですかね」
トケイ草は、パッションフラワーとも呼ばれ正式にはチャボトケイ草。
フラボノイド、インドールアルカロイド。そして、青酸配膳体(ジノカルディン)が作用として鎮静効果を持つ。
「あーそうでは無くてですね。美しいものを見ると、その…… 心が落ち着きませんか?」
少しこめかみをグリグリとマッサージ。
「美しいもの? そうですね。火が好きです。赤い火が揺らぎながらものが燃える。ものが燃え、すべてが炭となり崩れ落ちていくところを見ると、心が落ち着いたりワクワクしたりしますね」
そう言いながら、少し頬を染めて、恍惚とした表情を見せる朱莉。
そこで先生は、諦めた。
「花の種類と構造の違いを調べて、明日までにリポートを出してください」
「はーい」
花壇に向けて、シュパパと走って行く朱莉を見て、ため息を付く。
「なんという。あの歳ですべてが道具。しかも毒物まで網羅しているとは…… なんて素晴らしいのだ。もう少し私が若く。彼らを知ったなら…… そう、きっと彼らの懐に入れば、我が欲求は今よりも、きっと満たされていたであろう…… 惜しい。実に惜しい」
そう言って、ふと目がとまる。彼が見つめる先には、クリスマスローズが可憐な花を咲かせていた。
そして、その向こうにはキョウチクトウが立っている。
よく見ればこの学校、どこかしこに毒草が植わっている。
そう各家の子どもが、代々植えたもの。
学校全体で毒草の栽培がされていた。
ふと見る。ニリンソウかと思えば、葉の形が少し違う。
―― ああ、これはトリカブト。
きっと夏には、綺麗な花が咲くだろう。
少し、日差しのせいなのか、汗が目に入ったのか、軽い目眩。彼の目には、うっすらと喜びの涙が浮かんでいた。
そう彼は色んな学校で少しだけ問題有りとされて、この学校に流れてきた。
やっと安住の地を見つけたようだ。
そして……
「先生。水祭さんのよだれが、洪水を起こしています」
「見なかったことにして、おあげなさい」
雫は、周囲からの優しい目に包まれていた。年頃の女の子としては結構致命的だが、その位では雫は負けない。たぶん。
「ええい。今度は負けにゃいにょぉ……」
寝言まで……
その後、彼女は真っ赤になったまま、一時間ほど膝を抱えて、教室の隅で座り込んでいたらしい。
そう、彼女にとって、お休みの時間。
周りは、数学。
算数とは違い、見慣れない記号が出てきて焦る頃。
「先生、水祭さん寝ています」
その声に、ちらっとだけ、先生は状況を確認をする。
「大丈夫だ、惰眠をむさぼるのも今のうちだけだ。きけ童共よ、中間時に四〇点以下は赤点とする。んんー? 高校じゃ無くて、中学校だから大丈夫だとぉ。どぅぁれが決めた。この教室では我が神だ。今は静かに寝かせてやるが良い。今はな…… さて、点Pが、無敵だった場合、点AとBは逃げ出す。この時、谷を越えて逃げれば二次方程式だ」
「っ先生。ここ一年の教室です」
「うん? 一年? ちょっと教科書を貸せ。うーん。先生間違えちゃった。ごめんね」
数学教師、葛野 極三十六歳。
少し色々こじらせているが、優しく少しおっちょこちょい。
意外と生徒には人気がある。
そして、別の教室では。
颯司と土祭 陸斗が並んで座り、デジタルホワイトボードを見ていた。
いや実際は、椅子から陸斗の作った土の柱が二人の背中を支え、二人の瞳はまぶたに描かれた黒丸だ。
その様子を、国語教師国野 導二十八歳は、きちんと把握をしていた。
この教師、一見めがねを掛けて、おどおどしている。
ひ弱そうだが、実は超強い。
細く見えるのは、極限まで鍛え上げた肉体のせい。
子どもの頃、戦国武将に憧れて、体を鍛え始めた。
無論、習ったのは総合的な武術。
するとだ、必然的に祭グループのどこかとなる。
そう、彼は土祭家の門下生。
坊ちゃんを叱ることなど出来ない。
必然的に、颯司も見逃される。
そんな彼だが、怒らせると人が代わる。
その時には、気迫だけで教室の温度が三度は下がる。
「先生、そいつら寝てますよ。いいんすか?」
そう、彼の使ったそんな礼儀の無い言葉に反応をした。
「ああっ? てめえ、いまなんつった? 死にてえのか? おらぁ。いまなんつーったぁ。も一回言えよ」
今まさに教室の温度が下がった。
なぜか、黒目が小さくなり、白目が広くなる。
そんな目で、生徒の目の前に立ち、上から見下ろす。
「すんません」
ビビった生徒は、謝る。
「すみませんだ。馬鹿野郎。調子くれてっと絞めるぞ。ボケがぁ」
そう言うと、彼は落ち着くためか深呼吸を行う。それは丹田呼吸法。息吹。
「コホー」
シンとする教室。
「えー。それでは皆さん。日本語は美しい言語です。正しく優雅に語るようにしましょう。汚い言葉を使うと精神まで歪みます。良いですね」
彼はそう説明を始め、何もなかった様に授業は進む。
坊ちゃんの居眠りは、無事にごまかせたようだ。
別の授業。
ここに居るのは、火祭 朱莉。
理科の実験中で、グランドの脇にある花壇にいた。
「皆さん植物の種類と、違いを見つけてください」
周囲に落ち着いた声が響く。
理科教師
神苑 啓三十二歳。
体は細く、黒い服が好き。
そうイメージ的には映画であった魔法使い学校の神経質な先生がイメージが近いだろう。
彼の行動からも、そんな様子がうかがえる。
「先生。スズランがあります」
「ほう綺麗ですね。特徴は言えますか?」
そう、答えているのは朱莉。
「はい。スズランはコンバラトキシンやコンバロシドを持っています。飲ませると嘔吐や頭痛、めまい、血圧低下、心臓麻痺が起こります。摂取後1時間以内に発症し、上手く行けば殺すことが出来ます」
それを聞いて少し焦る。
「君の名は?」
くるっとターンをして、なぜか振り返るように問いかける。
「火祭 朱莉です」
「ああ。あの一族ですか。道具としてだけでは無く、単純に愛でるのも、心に安らぎを与えますよ」
先生がそう言うが、きょとんとする朱莉。
そして出した回答は……
「心に安らぎを望むなら、トケイ草とかですかね」
トケイ草は、パッションフラワーとも呼ばれ正式にはチャボトケイ草。
フラボノイド、インドールアルカロイド。そして、青酸配膳体(ジノカルディン)が作用として鎮静効果を持つ。
「あーそうでは無くてですね。美しいものを見ると、その…… 心が落ち着きませんか?」
少しこめかみをグリグリとマッサージ。
「美しいもの? そうですね。火が好きです。赤い火が揺らぎながらものが燃える。ものが燃え、すべてが炭となり崩れ落ちていくところを見ると、心が落ち着いたりワクワクしたりしますね」
そう言いながら、少し頬を染めて、恍惚とした表情を見せる朱莉。
そこで先生は、諦めた。
「花の種類と構造の違いを調べて、明日までにリポートを出してください」
「はーい」
花壇に向けて、シュパパと走って行く朱莉を見て、ため息を付く。
「なんという。あの歳ですべてが道具。しかも毒物まで網羅しているとは…… なんて素晴らしいのだ。もう少し私が若く。彼らを知ったなら…… そう、きっと彼らの懐に入れば、我が欲求は今よりも、きっと満たされていたであろう…… 惜しい。実に惜しい」
そう言って、ふと目がとまる。彼が見つめる先には、クリスマスローズが可憐な花を咲かせていた。
そして、その向こうにはキョウチクトウが立っている。
よく見ればこの学校、どこかしこに毒草が植わっている。
そう各家の子どもが、代々植えたもの。
学校全体で毒草の栽培がされていた。
ふと見る。ニリンソウかと思えば、葉の形が少し違う。
―― ああ、これはトリカブト。
きっと夏には、綺麗な花が咲くだろう。
少し、日差しのせいなのか、汗が目に入ったのか、軽い目眩。彼の目には、うっすらと喜びの涙が浮かんでいた。
そう彼は色んな学校で少しだけ問題有りとされて、この学校に流れてきた。
やっと安住の地を見つけたようだ。
そして……
「先生。水祭さんのよだれが、洪水を起こしています」
「見なかったことにして、おあげなさい」
雫は、周囲からの優しい目に包まれていた。年頃の女の子としては結構致命的だが、その位では雫は負けない。たぶん。
「ええい。今度は負けにゃいにょぉ……」
寝言まで……
その後、彼女は真っ赤になったまま、一時間ほど膝を抱えて、教室の隅で座り込んでいたらしい。
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