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迫り来る脅威
第112話 理解したもの
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「当然ですが、日本からです。太陽系の外縁で停止させて拿捕を行い、話を聞いたようです」
「外縁だと?」
第二次大戦後、日本はアメリカに占領された際に、軍事的な開発を停止させられた。
戦艦や航空機の技術、それらを恐れ封じるためだ。
長い年月の間にそれは緩んだのだが……
日本はあっという間に発展をして、先進国へと上り詰めた。
彼等は、逆境になると爆発的な力を見せる。
それも有り、我が国に対して金の拠出を断った彼等が、自分たちで何とかすると言った時止めなかった。
「できるならば、やってみるが良い。一国でできることなどたかが知れている。アメリカはいつでも門戸を開いているぞ」
そう言っていたのに。
するとこれだ……
「情報だけでは駄目だ。捕虜とその宇宙船をよこすように言え」
「はっ。すぐに」
―― その頃……
「調査隊からの、シグナルが消失いたしました」
シールドが展開されて、太陽系内に入った瞬間に信号は途切れた。
そのすぐ後に拿捕されたのだが、そんな事は知らない彼等。
探査機が二回も消えた宙域なのだ。
今度は少し慎重になり、無人機では無く有人機を送ったのだが。
彼等にとっても、五百人あまりの損失は、政治的に良いことでは無い。
「むう。再び無人探査機を複数派遣。異常の発生ポイントをマークしろ」
「はっ」
―― 日本では……
「当然、国民には秘匿されていますから、アメリカに渡っても問題は無いでしょうが、多分ですが、向こうの収容所とか食事はよくないし、正義のためなら解剖だって行いますからね」
散々な言いようだが、ありえる。
向こうでは、倫理よりも正義が優先されることが多々ある。
「渡せ? 良いんじゃ無いですか? でも、可哀想なので隷属は解放しますよ」
話しを聞いて、悪い顔をした司。
お願いをしたものの、嫌な予感がする国野。
司の意見を聞き、総理と話しをして旗艦を渡すことにした。
意識は解放されて……
「貴様」
睨み付ける、少尉。
初めて、司をまともな意識で見たのだ。
「なんだ。文句でもあるのか?」
司がそう念じたとき、副官のアルフレド=バーリエル軍曹がバーリ=ストレーム少尉に耳打ちをする。
「こいつ、化け物です」
「化け物だと?」
「ええ。霊圧センサーが振り切れています。賢者様が子どもレベルです」
「なに?」
その表情を見て何かを悟り、司は凶悪な力を少しだけ解放をする。
その威圧は、彼等の身に降り注ぐ。
途端に、冷気を含み、重くなる空気。
体は、自動的に小刻みに震え始めて、力が抜ける。
そして、本能が警告を発する。
「ひっ、ひぃぃ」
彼等は、どこかの悪の組織にいる戦闘員のような声を出す。
「お前達は、命令があって別の国へ移すことになった。武装は解除しているが…… 船のロックも解除した。まあ向こうに行ってからは自由にして良いし、船長…… じゃ無い、少尉だったな。君達の自室にある金庫内部は手を付けていない。自由に使え」
司は悪い顔を見せながら、彼等に説明をする。
「なっそれは、本当なのか?」
「ああ。君ら個人の持ち物には手を出していない」
少尉達は唖然とする。
自室の金庫には、白兵戦用の携帯銃が入っている。
無論自決用の意味もあるのだが、とにかく武器が有る。
目の前にいる若い男。
何を考えているのか判らないが、従うことにする。
開放されるのは、旗艦が一機。
他の戦闘員達は、どうなったのかと聞くと、連れて行かれた場所。
牧歌的な空間に家を建てて、農業を行い牧畜を行っていた。
「帰る? 嫌です。ここの暮らしは良い。ここに残ります」
野心を持ち、ギラギラしていた者達は、すっかり変わっていた。
汗水を流し、村のために働く。
「どうです。隊長達も?」
「いや…… 我らは、どこかに移送されるようだ」
「そりゃあ、残念ですな」
そう言って彼等は、少尉達を見送ってしまう。
「此処はなんだ?」
地下にあるはずだが、そこには普通の世界があった。
どう見ても、自分たちに再現ができるような物では無い。
彼等は、シンハスターも見せて貰った。
彼等が帰ったときに、抑止になるように情報を小出しに教える。
彼等の船に比べて、半分程度のはずなのに中は広く快適。
武器は魔法を中心に、凶悪で射程も長い。
適当な星系なら、外縁から殲滅ができる強力さ。
そして、転移距離を聞いて驚く。
「二回のスキップで本星に届く」
「なんと言うことだ……」
特に凶悪なのは、土魔法による杭。
あれは、此方の射程外から撃ち出されて、速度により被害が調整できる。
魔法を使い、射出後も質量変化を起こせるとのことだ。
宇宙空間で、すぐには視認できない杭が発射されて、船の目の前で突如大きくなるということ。
「つまらない事をすれば、お前達の本星に直接攻撃を加えるぞ。そして、もし帰るのなら、植民星は解放をしろと伝えろ」
「判りました」
自分たちより圧倒的に進んだ文明をみて、彼等は自分たちの浅はかさを知る。
だがそれは、疑問へと変わる。
自称、先進国アメリカ。
彼等がどうだと言わんばかりに説明をした内容は、どう考えても日本より数世紀レベルで遅れている。
「一つの星に、幾つもの国家が存在をしているのも驚きだが、旧時代の文明しか持たない国が、どうして威張っているのだ?」
「それは、あれですな。我が国で言う所の、知恵者は身分を秘匿するという物でしょう。ここは昔…… きっと、歴史上重要だった国家なのでしょう」
そう言われて、少佐は納得をする。
彼等にも、能ある鷹は爪を隠すという感じの格言があるようだ。
無論彼等の国でそう言われるのは、厳格な身分制度があり、下手に身分が知られれば、誘拐などにあうからだろう。
「そうなのか? ならばこの国は、過去に生きる道化だな?」
「そうですね。気を付けましょう。それで、どうされますか?」
「船から離されそうなら、行動を開始。全員に通達をしておけ」
「はい。承知しました」
彼等の船は全長一キロも有る。
当然ながら基地には入らずに、地上に浮いている。
シンハスターは、彼等の引き継ぎを行った後、帰ってしまった。
引き渡しは秘密裏に行われたから、当然夜の話しだ。
「あの船はなんだ?」
現れたとき、事情を知っている、軍関係者は愕然とした。
「あれが日本の船?」
だが報告をしようにも、写真や動画を撮っても映らない。
無論意図的に、船体は黒く塗られて光りを殆ど反射しない。
宇宙は暗いのに、目立つ色にしてどうするの?
そう言って黒くなった。
シンハスターの先導で、アメリカの砂漠にある基地に到着をしたのは、司に話しを聞いた翌日だった。
夜が明けてから、基地の兵に案内されて彼等に会いに来たのは、この国の代表であり、星の代表だと言った。
だがその霊圧は低く、素手で制圧ができる。
彼等は数日後、行動を起こした。
日本とは違い、自由が無かったからだ。
それに、サンプルを取りたいと言って、危害を加えようとした。
拘束をして、船から離される。
ステンレスの手錠など、彼等にとってはおもちゃのような物。
すぐに引きちぎり、行動を開始した……
「外縁だと?」
第二次大戦後、日本はアメリカに占領された際に、軍事的な開発を停止させられた。
戦艦や航空機の技術、それらを恐れ封じるためだ。
長い年月の間にそれは緩んだのだが……
日本はあっという間に発展をして、先進国へと上り詰めた。
彼等は、逆境になると爆発的な力を見せる。
それも有り、我が国に対して金の拠出を断った彼等が、自分たちで何とかすると言った時止めなかった。
「できるならば、やってみるが良い。一国でできることなどたかが知れている。アメリカはいつでも門戸を開いているぞ」
そう言っていたのに。
するとこれだ……
「情報だけでは駄目だ。捕虜とその宇宙船をよこすように言え」
「はっ。すぐに」
―― その頃……
「調査隊からの、シグナルが消失いたしました」
シールドが展開されて、太陽系内に入った瞬間に信号は途切れた。
そのすぐ後に拿捕されたのだが、そんな事は知らない彼等。
探査機が二回も消えた宙域なのだ。
今度は少し慎重になり、無人機では無く有人機を送ったのだが。
彼等にとっても、五百人あまりの損失は、政治的に良いことでは無い。
「むう。再び無人探査機を複数派遣。異常の発生ポイントをマークしろ」
「はっ」
―― 日本では……
「当然、国民には秘匿されていますから、アメリカに渡っても問題は無いでしょうが、多分ですが、向こうの収容所とか食事はよくないし、正義のためなら解剖だって行いますからね」
散々な言いようだが、ありえる。
向こうでは、倫理よりも正義が優先されることが多々ある。
「渡せ? 良いんじゃ無いですか? でも、可哀想なので隷属は解放しますよ」
話しを聞いて、悪い顔をした司。
お願いをしたものの、嫌な予感がする国野。
司の意見を聞き、総理と話しをして旗艦を渡すことにした。
意識は解放されて……
「貴様」
睨み付ける、少尉。
初めて、司をまともな意識で見たのだ。
「なんだ。文句でもあるのか?」
司がそう念じたとき、副官のアルフレド=バーリエル軍曹がバーリ=ストレーム少尉に耳打ちをする。
「こいつ、化け物です」
「化け物だと?」
「ええ。霊圧センサーが振り切れています。賢者様が子どもレベルです」
「なに?」
その表情を見て何かを悟り、司は凶悪な力を少しだけ解放をする。
その威圧は、彼等の身に降り注ぐ。
途端に、冷気を含み、重くなる空気。
体は、自動的に小刻みに震え始めて、力が抜ける。
そして、本能が警告を発する。
「ひっ、ひぃぃ」
彼等は、どこかの悪の組織にいる戦闘員のような声を出す。
「お前達は、命令があって別の国へ移すことになった。武装は解除しているが…… 船のロックも解除した。まあ向こうに行ってからは自由にして良いし、船長…… じゃ無い、少尉だったな。君達の自室にある金庫内部は手を付けていない。自由に使え」
司は悪い顔を見せながら、彼等に説明をする。
「なっそれは、本当なのか?」
「ああ。君ら個人の持ち物には手を出していない」
少尉達は唖然とする。
自室の金庫には、白兵戦用の携帯銃が入っている。
無論自決用の意味もあるのだが、とにかく武器が有る。
目の前にいる若い男。
何を考えているのか判らないが、従うことにする。
開放されるのは、旗艦が一機。
他の戦闘員達は、どうなったのかと聞くと、連れて行かれた場所。
牧歌的な空間に家を建てて、農業を行い牧畜を行っていた。
「帰る? 嫌です。ここの暮らしは良い。ここに残ります」
野心を持ち、ギラギラしていた者達は、すっかり変わっていた。
汗水を流し、村のために働く。
「どうです。隊長達も?」
「いや…… 我らは、どこかに移送されるようだ」
「そりゃあ、残念ですな」
そう言って彼等は、少尉達を見送ってしまう。
「此処はなんだ?」
地下にあるはずだが、そこには普通の世界があった。
どう見ても、自分たちに再現ができるような物では無い。
彼等は、シンハスターも見せて貰った。
彼等が帰ったときに、抑止になるように情報を小出しに教える。
彼等の船に比べて、半分程度のはずなのに中は広く快適。
武器は魔法を中心に、凶悪で射程も長い。
適当な星系なら、外縁から殲滅ができる強力さ。
そして、転移距離を聞いて驚く。
「二回のスキップで本星に届く」
「なんと言うことだ……」
特に凶悪なのは、土魔法による杭。
あれは、此方の射程外から撃ち出されて、速度により被害が調整できる。
魔法を使い、射出後も質量変化を起こせるとのことだ。
宇宙空間で、すぐには視認できない杭が発射されて、船の目の前で突如大きくなるということ。
「つまらない事をすれば、お前達の本星に直接攻撃を加えるぞ。そして、もし帰るのなら、植民星は解放をしろと伝えろ」
「判りました」
自分たちより圧倒的に進んだ文明をみて、彼等は自分たちの浅はかさを知る。
だがそれは、疑問へと変わる。
自称、先進国アメリカ。
彼等がどうだと言わんばかりに説明をした内容は、どう考えても日本より数世紀レベルで遅れている。
「一つの星に、幾つもの国家が存在をしているのも驚きだが、旧時代の文明しか持たない国が、どうして威張っているのだ?」
「それは、あれですな。我が国で言う所の、知恵者は身分を秘匿するという物でしょう。ここは昔…… きっと、歴史上重要だった国家なのでしょう」
そう言われて、少佐は納得をする。
彼等にも、能ある鷹は爪を隠すという感じの格言があるようだ。
無論彼等の国でそう言われるのは、厳格な身分制度があり、下手に身分が知られれば、誘拐などにあうからだろう。
「そうなのか? ならばこの国は、過去に生きる道化だな?」
「そうですね。気を付けましょう。それで、どうされますか?」
「船から離されそうなら、行動を開始。全員に通達をしておけ」
「はい。承知しました」
彼等の船は全長一キロも有る。
当然ながら基地には入らずに、地上に浮いている。
シンハスターは、彼等の引き継ぎを行った後、帰ってしまった。
引き渡しは秘密裏に行われたから、当然夜の話しだ。
「あの船はなんだ?」
現れたとき、事情を知っている、軍関係者は愕然とした。
「あれが日本の船?」
だが報告をしようにも、写真や動画を撮っても映らない。
無論意図的に、船体は黒く塗られて光りを殆ど反射しない。
宇宙は暗いのに、目立つ色にしてどうするの?
そう言って黒くなった。
シンハスターの先導で、アメリカの砂漠にある基地に到着をしたのは、司に話しを聞いた翌日だった。
夜が明けてから、基地の兵に案内されて彼等に会いに来たのは、この国の代表であり、星の代表だと言った。
だがその霊圧は低く、素手で制圧ができる。
彼等は数日後、行動を起こした。
日本とは違い、自由が無かったからだ。
それに、サンプルを取りたいと言って、危害を加えようとした。
拘束をして、船から離される。
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