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王都ヴァハマー、ギルド受付嬢のマリレーナ
第17話 王都ヴァハマー
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「カグラさん、言ったでしょ無理は駄目だと」
今特例で銀級になっているが、特例という情報はこちらまで届いていないようだ。
そのため、銀級の依頼を受けているが、あくまでもソロ。
オークの村を、壊滅させてはいけないらしい。
いや見つけたんだよ。
捕らえられている人も居たし、ちょっと戦ったら殲滅をしてしまった。
その人達を連れて帰ってきて、ギルドに報告をしたんだが……
ギルドは急遽招集を掛けて、翌日、大人数で行ったらオークの村は殲滅していて、怒られた。
いや、俺はきちんと言ったんだよ、殲滅をしたと。
そんな馬鹿なと、取り合わなかったのは彼らだ。
酒場側ですねていたら、ごっつい奴らに絡まれた。
「おうガキが、昼間っから飲んでいるのか、仕事をしろやぁ。この席は、俺らがいつも使ってんだ」
「うん? 空いていたぞ」
「いつも俺らが使うから空いてんだよ」
汚え、上で怒鳴るから、つばが飛んでくる。
振り返るとむさ苦しい、男達が五人ほど立って見おろしている。
座っている俺を、威圧するように囲む。
無論エールのジョッキは、手でカバーして、ばばっちい物が入らないようにした。
さて、どうするのが正解か?
やんわり諭しながら、殴る。
脅し、恫喝しながら殴る。
黙って殴る。
そんな事を考えていたのだが……
ギルド側のカウンターから、受付嬢のマリレーナさんが叫ぶ。
「その人はカグラくん、銀級なの。あんた達下がりなさい」
それを聞いて、そいつらの顔色が変わる。
「銀級だぁ」
俺は首元から、プレートを引っ張り出す。
「げっ、本物だ」
偉そうに言っていたが、彼らは黄銅級だったらしい。
真面目に仕事をしろよと、心の中で思う。
まあ午前中、ちょろっと仕事をして、昼から飲んでいる奴らは多い。
かくゆう俺も、飲んでいるのだが、金はそこそこある。
そして金が多くなったので、亜空間庫を創った。
そうあの岩場でこれが使えれば、幾度も出たり入ったりしなくて良かったのに。
ただ創りが甘いのか、生き物を入れると死んでしまう。
この町ではホテル暮らしだ。
そして、王を失脚させるため、夜な夜な走り回っている。
息の掛かった店の倉庫を空にしてみたり、貴族の屋敷、調度品を空にしてみたり。
まあ無論、書類を全部集めて、今解析中だが、すぐにズブズブだという事は判った。悪人だから良いよねと思いつき、書類のついでに、金や商品も持って来た。
すると、なぜかお金持ちになってしまった。
まあそれはさておき、問題は、どうやって潰すか。
どうも王都中、全部が関わりがあるようで、そんな証拠が出てくる。
このまま金銭などを奪っていても、破産はするだろうが、王の周りには、大量の兵がいる。
それ全部と戦うのは骨が折れる。
それに王は殺さないと、あの性格は治らないというのが判った。
まあ、当初の予定通りではある。
「うー、どうするかなぁ……」
エールでぶくぶくとしながら、悩む。
すると、テーブル脇に、血だらけの女の人が来た。
多分モンスターの返り血。
「見ない顔だね」
そう言ってどっかり座り、エールを注文。
鳥串とスープ、芋の蒸した物。
「昼飯か? 珍しいな」
この世界、飲んだくれはいるが、基本朝と晩の二食。
「いや、朝食だ」
のんびり屋さんだったようだ。
早い奴らは、さっきの奴らのように帰ってくる。
多分、今は午後二時くらいだろう。
とろくさい彼女は、ディアナと言ってなんと鉄級。
主に薬草採取をしていて、金がないので毎日街の外で寝泊まりをしているらしい。
「安い宿に泊まる方が危険だ」
「まあ、そりゃそうか」
だから薄汚れて、昼に飯を食い、また森に帰っていく。
女の知恵ではある。
仲間を作れば襲われ、宿に泊まれば襲われ、安心できない。
それならばいっそ森に入れば、近郊なら日常的にモンスターは狩られているから、安全ではある。
そしてギルドに入れば、目についた見慣れない男。
絡まれもせず、一人で席を占有しているが、安全そうだと俺は判断されたようだ。
うん、良い判断だ。
容姿のせいか、相手には不自由をしないんだよな。
男には嫌われそうだが。
ただ、ユスティの様な特別は作っていない。
妻の死、そしてユスティ。
俺に関わると、死でも呼ぶのかと勘ぐってしまう。
そう思っていたのに、目の前にいる腐っている女に、数日後森で出会うことになる。
「いやあぁ、放して」
「ディアナ。さがしたぜぇ」
あんまりごつくない小物達、三人。
そこそこ若そうな若造。
若いから若造、当然か。
だが、女の子一人に、三人は卑怯だな。
「こらこら、童達。放しておあげなさい」
某有名な物語の台詞で介入してみる。
「あーなんだ? じゃまをすんじゃねえよ」
「どう見ても嫌がっているし、そう言うのは、ぼくちん良くないと思うんだ」
「ふざけんなこら。おい」
目配せをされて、一人が剣を抜く。
そして、こちらへ一歩。
「森の中で人に向けて剣を抜く、それがどう言う事か知っているのか?」
「ああ? 殺るにきまっているだろ」
「ちがう。殺されても文句が言えないという事」
「ふざっ……」
向かって来ていた彼は、最後にそう言って首を落としてしまった。
首はコロコロと坂道を転がっていく。
彼女をおさえている奴ら、二人も……
ただ、羽交い締めにされて、相手の首が飛ぶと、おさえられていた彼女は頭から血をかぶる事になる。
「ひやあぁぁぁ……」
ぱったりと倒れる。
三人は、強盗という事でタグを奪い……
「一応埋めとくか」
面倒だから燃やそうかと思ったが、見聞があったときにまずい。
魔法で穴を掘り、浄化して埋める。
問題は、頭から血をかぶり、色々垂れ流して寝ている彼女。
一応、よく判らない奴の血をかぶったし、病気とか怖いから、浄化と、治癒。
するとだね、汚れが落ちてみると結構な美人さんだった。
河原へ連れて行き、顔と髪の毛だけは洗った振りにする。
ゴワゴワの、赤髪。
キューティクルは、表皮だった気がする。
試しに集中的に治癒してみる。
「おっ意外と、すべすべになった」
濡れた布きれで顔を拭く。
無論、目を覚まして貰うためだ。
「うん? いやああぁぁ」
「ああ、騒ぐでない」
彼女の上半身は俺が抱っこ中。
河原の石は丸いが、結構痛そうだし。
「へっ? あれ? あいつら…… いやあああぁぁ……」
思い出したらしい。
「知り合いだったなら悪い。もう殺した」
そう言うと思いだしてきたのか、彼女は固まってしまう。
「そう、そうよ。あいつら、強いのに」
「弱かったぞ」
「あーうん。ソウダネ」
なぜか片言になって、表情が消えた。
そしてじっくりと俺を見て、抱っこされているのに気がつき、立ち上がったと思ったら川に向かってダッシュ、足を取られてザンブリと川の中へ。
季節は秋、結構寒いが、水浴びをしたかったようだ。
今特例で銀級になっているが、特例という情報はこちらまで届いていないようだ。
そのため、銀級の依頼を受けているが、あくまでもソロ。
オークの村を、壊滅させてはいけないらしい。
いや見つけたんだよ。
捕らえられている人も居たし、ちょっと戦ったら殲滅をしてしまった。
その人達を連れて帰ってきて、ギルドに報告をしたんだが……
ギルドは急遽招集を掛けて、翌日、大人数で行ったらオークの村は殲滅していて、怒られた。
いや、俺はきちんと言ったんだよ、殲滅をしたと。
そんな馬鹿なと、取り合わなかったのは彼らだ。
酒場側ですねていたら、ごっつい奴らに絡まれた。
「おうガキが、昼間っから飲んでいるのか、仕事をしろやぁ。この席は、俺らがいつも使ってんだ」
「うん? 空いていたぞ」
「いつも俺らが使うから空いてんだよ」
汚え、上で怒鳴るから、つばが飛んでくる。
振り返るとむさ苦しい、男達が五人ほど立って見おろしている。
座っている俺を、威圧するように囲む。
無論エールのジョッキは、手でカバーして、ばばっちい物が入らないようにした。
さて、どうするのが正解か?
やんわり諭しながら、殴る。
脅し、恫喝しながら殴る。
黙って殴る。
そんな事を考えていたのだが……
ギルド側のカウンターから、受付嬢のマリレーナさんが叫ぶ。
「その人はカグラくん、銀級なの。あんた達下がりなさい」
それを聞いて、そいつらの顔色が変わる。
「銀級だぁ」
俺は首元から、プレートを引っ張り出す。
「げっ、本物だ」
偉そうに言っていたが、彼らは黄銅級だったらしい。
真面目に仕事をしろよと、心の中で思う。
まあ午前中、ちょろっと仕事をして、昼から飲んでいる奴らは多い。
かくゆう俺も、飲んでいるのだが、金はそこそこある。
そして金が多くなったので、亜空間庫を創った。
そうあの岩場でこれが使えれば、幾度も出たり入ったりしなくて良かったのに。
ただ創りが甘いのか、生き物を入れると死んでしまう。
この町ではホテル暮らしだ。
そして、王を失脚させるため、夜な夜な走り回っている。
息の掛かった店の倉庫を空にしてみたり、貴族の屋敷、調度品を空にしてみたり。
まあ無論、書類を全部集めて、今解析中だが、すぐにズブズブだという事は判った。悪人だから良いよねと思いつき、書類のついでに、金や商品も持って来た。
すると、なぜかお金持ちになってしまった。
まあそれはさておき、問題は、どうやって潰すか。
どうも王都中、全部が関わりがあるようで、そんな証拠が出てくる。
このまま金銭などを奪っていても、破産はするだろうが、王の周りには、大量の兵がいる。
それ全部と戦うのは骨が折れる。
それに王は殺さないと、あの性格は治らないというのが判った。
まあ、当初の予定通りではある。
「うー、どうするかなぁ……」
エールでぶくぶくとしながら、悩む。
すると、テーブル脇に、血だらけの女の人が来た。
多分モンスターの返り血。
「見ない顔だね」
そう言ってどっかり座り、エールを注文。
鳥串とスープ、芋の蒸した物。
「昼飯か? 珍しいな」
この世界、飲んだくれはいるが、基本朝と晩の二食。
「いや、朝食だ」
のんびり屋さんだったようだ。
早い奴らは、さっきの奴らのように帰ってくる。
多分、今は午後二時くらいだろう。
とろくさい彼女は、ディアナと言ってなんと鉄級。
主に薬草採取をしていて、金がないので毎日街の外で寝泊まりをしているらしい。
「安い宿に泊まる方が危険だ」
「まあ、そりゃそうか」
だから薄汚れて、昼に飯を食い、また森に帰っていく。
女の知恵ではある。
仲間を作れば襲われ、宿に泊まれば襲われ、安心できない。
それならばいっそ森に入れば、近郊なら日常的にモンスターは狩られているから、安全ではある。
そしてギルドに入れば、目についた見慣れない男。
絡まれもせず、一人で席を占有しているが、安全そうだと俺は判断されたようだ。
うん、良い判断だ。
容姿のせいか、相手には不自由をしないんだよな。
男には嫌われそうだが。
ただ、ユスティの様な特別は作っていない。
妻の死、そしてユスティ。
俺に関わると、死でも呼ぶのかと勘ぐってしまう。
そう思っていたのに、目の前にいる腐っている女に、数日後森で出会うことになる。
「いやあぁ、放して」
「ディアナ。さがしたぜぇ」
あんまりごつくない小物達、三人。
そこそこ若そうな若造。
若いから若造、当然か。
だが、女の子一人に、三人は卑怯だな。
「こらこら、童達。放しておあげなさい」
某有名な物語の台詞で介入してみる。
「あーなんだ? じゃまをすんじゃねえよ」
「どう見ても嫌がっているし、そう言うのは、ぼくちん良くないと思うんだ」
「ふざけんなこら。おい」
目配せをされて、一人が剣を抜く。
そして、こちらへ一歩。
「森の中で人に向けて剣を抜く、それがどう言う事か知っているのか?」
「ああ? 殺るにきまっているだろ」
「ちがう。殺されても文句が言えないという事」
「ふざっ……」
向かって来ていた彼は、最後にそう言って首を落としてしまった。
首はコロコロと坂道を転がっていく。
彼女をおさえている奴ら、二人も……
ただ、羽交い締めにされて、相手の首が飛ぶと、おさえられていた彼女は頭から血をかぶる事になる。
「ひやあぁぁぁ……」
ぱったりと倒れる。
三人は、強盗という事でタグを奪い……
「一応埋めとくか」
面倒だから燃やそうかと思ったが、見聞があったときにまずい。
魔法で穴を掘り、浄化して埋める。
問題は、頭から血をかぶり、色々垂れ流して寝ている彼女。
一応、よく判らない奴の血をかぶったし、病気とか怖いから、浄化と、治癒。
するとだね、汚れが落ちてみると結構な美人さんだった。
河原へ連れて行き、顔と髪の毛だけは洗った振りにする。
ゴワゴワの、赤髪。
キューティクルは、表皮だった気がする。
試しに集中的に治癒してみる。
「おっ意外と、すべすべになった」
濡れた布きれで顔を拭く。
無論、目を覚まして貰うためだ。
「うん? いやああぁぁ」
「ああ、騒ぐでない」
彼女の上半身は俺が抱っこ中。
河原の石は丸いが、結構痛そうだし。
「へっ? あれ? あいつら…… いやあああぁぁ……」
思い出したらしい。
「知り合いだったなら悪い。もう殺した」
そう言うと思いだしてきたのか、彼女は固まってしまう。
「そう、そうよ。あいつら、強いのに」
「弱かったぞ」
「あーうん。ソウダネ」
なぜか片言になって、表情が消えた。
そしてじっくりと俺を見て、抱っこされているのに気がつき、立ち上がったと思ったら川に向かってダッシュ、足を取られてザンブリと川の中へ。
季節は秋、結構寒いが、水浴びをしたかったようだ。
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