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最悪な国、ニコ国
第37話 民の暮らし
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「俺は他国の冒険者だが、治療ができる。冒険者達のチーム至高の極と知り合いでね。彼らが、君達を運び込んできたんだ。無論教会とかには内緒だよ」
一応釘を刺してにっこり。
「うむ…… わたくしは、ニコ国第一王女ヴァイオレットである。手間を掛けた。礼を言う」
そう言われては礼を取るしかない。
「わたしは、ヴァーラ国のズィクムントの町所属の冒険者。カグラでございます。些末な場所でございますが、もう少し治療のため御逗留ください」
一歩下がり、膝をついて礼を取りながらご挨拶。
「うむ。よろしく頼む」
同じ事を、ロジーヌが目覚めたときに行う事になる。
「食事を、私と彼女は私とチームを組んでおりますディアナでございます。彼女も同じテーブルで取ることをお許しください」
とまあ断り、テーブルに食べ物を並べていく。
ジャガイモを裏ごししてビシソワーズ。
冷製ではなく、暖かいもの。
コンソメは、牛骨と鶏ガラを合わせたもの。
作り置きをして、保存してある。
二人がきちんと食べられるのを見て、クリームシチューを出す。
これもジャガイモゴロゴロ、猪肉とニンジンのような根菜。
一見小さなだいこんだが、食べるとニンジンというもの。
自家製自然酵母のパンも出してみる。
二人とも、うまうまと食べてくれる。
俺達と食事が違うのは病人食で、数日様子見としている。
二人とも怪我をして、数ヶ月寝ていたことになっているしね。
ディアナが部屋へ入ってきたとき、ものすごくかわいそうな顔で二人を見やがって、それを当然二人は気がついた。
ディアナの尻を張り倒し、二人に言い訳をした。
でだ、寝ていたという事は、世話をしたと言う事。
変に嘘をついてもややっこしくなるので最小限、治療の一環ですと断り世話をしたと言ってみた。
するとだな、未婚の女性。その下の世話をしたと言う事は、責任を取れという事に。なんとか流したのだが、今度偉い手さんが来たとき、どうにか説得して貰おうと俺はきめた。
それでまあ、その頃になると、にわかに町全体に妙な気配がただよい始めて、物資が大量にあちこち走り始める。
そして、偉そうなオッサンが家に来た。
実は、王エタルーノは王都へ帰ってきたとき、王妃トリアーヌと共に娘の様子。
つまり、意識のないロジーヌを見ていた。
まあ無論、ブルーノ達が叫んだって、王女の治療を市位にいる正体不明のそれも教会とは関係ないものに預ける事など普通はできない。
だが王も馬鹿ではないし、小国であるために王も強くなくてはならず。若い頃修行のため冒険者として活動をしていたこともある。近くで氾濫があり、モンスター達と戦い、オーク達に攫われた者達の事も見て記憶にある。そう、一目でどのような状態かを理解した。
見た瞬間、王妃は顔を背けて、戻してしまうほどひどかった。
まあそのおかげで、ブルーノ達に頼むと言ったのだが、その心情的には、もう王族からの除外を決断していた。
そうして、ニコ国への報復がすぐに決定。
準備が始まった頃合いで、王は忍んで様子を見に来た。
最低限の供たち。
「じゃまをする」
傍らには、ブルーノ達と宰相も一緒に来ていた。
説明されてイーリスは驚き、途中の敷居で幾度も躓きながら駆け込んできた。
「カグラさん。お客様です」
「はいよ。来て貰って」
普通に対応したら、切れられた。
「えっ、来てください」
「やだ。忙しい」
イーリスは相手は王様だと言いたいが、いうなと言われているため葛藤する。
うーと思いながら、足踏みをしているとカグラに言われる。
「トイレを我慢するのはよくないぞ、使って良いぞ」
この家のトイレは、洗浄機能はないが暖房便座。
実は、日常的に使いに来ている。
「違います。もう」
そんな事をしていると、背後にやって来てしまった。
「失礼する。娘が世話になっているのは此処かな? 遠出をする前に一目見ていこうと思ってな。よろしいか?」
「娘? ヴァイオレットはニコ国と言ったから、ロジーヌ様の方か。おーい。ロジーヌ様。お客さんだ」
すると奥の方から返事。
「もうカグラ、様はいらないって言ったでしょロジーヌって呼んで」
そんな文句を言いながら、元気な姿でひょっこりと娘が現れる。
暇なため、カグラの手伝いで紙すきをしていた。
「王、いえ御父様、御無沙汰をしております」
そう言って見事な礼を取る。
その顔は、数ヶ月前、元気なときと変わらない顔、そして姿だった。
ほんの二週間前、娘達は命の危険があるために、ロープで縛られていたが、顔や体は鞭で打たれたような傷だらけ、胸は変形して片方は噛みちぎられたのか、乳首すらなかった。
穴はだらしなく広がり、だらだらと色々なものを垂れ流していた。
そう、ヴァイオレットは王の手前、そんなに手荒にされなかったが、ロジーヌは別、忍び込み女達を逃がそうとした賊である。
薬が効く前に拷問を受けた。
生かされてはいたが、扱いはひどかった。
「おおおおぅ。ロジーヌ、体は? 異常はないか?」
「はい。すっかり元気でございます」
その笑顔に、嘘はないようだ。
「カグラ殿、娘が世話になった」
だが、幾人かの者達はあの時を知っている。
少し考え、王は決断をする。
「カグラ殿、娘を頼む。困ることのないよう、金銭的援助なども行おう」
そう言って、泣きながら帰って行った。
「えっ?」
一応釘を刺してにっこり。
「うむ…… わたくしは、ニコ国第一王女ヴァイオレットである。手間を掛けた。礼を言う」
そう言われては礼を取るしかない。
「わたしは、ヴァーラ国のズィクムントの町所属の冒険者。カグラでございます。些末な場所でございますが、もう少し治療のため御逗留ください」
一歩下がり、膝をついて礼を取りながらご挨拶。
「うむ。よろしく頼む」
同じ事を、ロジーヌが目覚めたときに行う事になる。
「食事を、私と彼女は私とチームを組んでおりますディアナでございます。彼女も同じテーブルで取ることをお許しください」
とまあ断り、テーブルに食べ物を並べていく。
ジャガイモを裏ごししてビシソワーズ。
冷製ではなく、暖かいもの。
コンソメは、牛骨と鶏ガラを合わせたもの。
作り置きをして、保存してある。
二人がきちんと食べられるのを見て、クリームシチューを出す。
これもジャガイモゴロゴロ、猪肉とニンジンのような根菜。
一見小さなだいこんだが、食べるとニンジンというもの。
自家製自然酵母のパンも出してみる。
二人とも、うまうまと食べてくれる。
俺達と食事が違うのは病人食で、数日様子見としている。
二人とも怪我をして、数ヶ月寝ていたことになっているしね。
ディアナが部屋へ入ってきたとき、ものすごくかわいそうな顔で二人を見やがって、それを当然二人は気がついた。
ディアナの尻を張り倒し、二人に言い訳をした。
でだ、寝ていたという事は、世話をしたと言う事。
変に嘘をついてもややっこしくなるので最小限、治療の一環ですと断り世話をしたと言ってみた。
するとだな、未婚の女性。その下の世話をしたと言う事は、責任を取れという事に。なんとか流したのだが、今度偉い手さんが来たとき、どうにか説得して貰おうと俺はきめた。
それでまあ、その頃になると、にわかに町全体に妙な気配がただよい始めて、物資が大量にあちこち走り始める。
そして、偉そうなオッサンが家に来た。
実は、王エタルーノは王都へ帰ってきたとき、王妃トリアーヌと共に娘の様子。
つまり、意識のないロジーヌを見ていた。
まあ無論、ブルーノ達が叫んだって、王女の治療を市位にいる正体不明のそれも教会とは関係ないものに預ける事など普通はできない。
だが王も馬鹿ではないし、小国であるために王も強くなくてはならず。若い頃修行のため冒険者として活動をしていたこともある。近くで氾濫があり、モンスター達と戦い、オーク達に攫われた者達の事も見て記憶にある。そう、一目でどのような状態かを理解した。
見た瞬間、王妃は顔を背けて、戻してしまうほどひどかった。
まあそのおかげで、ブルーノ達に頼むと言ったのだが、その心情的には、もう王族からの除外を決断していた。
そうして、ニコ国への報復がすぐに決定。
準備が始まった頃合いで、王は忍んで様子を見に来た。
最低限の供たち。
「じゃまをする」
傍らには、ブルーノ達と宰相も一緒に来ていた。
説明されてイーリスは驚き、途中の敷居で幾度も躓きながら駆け込んできた。
「カグラさん。お客様です」
「はいよ。来て貰って」
普通に対応したら、切れられた。
「えっ、来てください」
「やだ。忙しい」
イーリスは相手は王様だと言いたいが、いうなと言われているため葛藤する。
うーと思いながら、足踏みをしているとカグラに言われる。
「トイレを我慢するのはよくないぞ、使って良いぞ」
この家のトイレは、洗浄機能はないが暖房便座。
実は、日常的に使いに来ている。
「違います。もう」
そんな事をしていると、背後にやって来てしまった。
「失礼する。娘が世話になっているのは此処かな? 遠出をする前に一目見ていこうと思ってな。よろしいか?」
「娘? ヴァイオレットはニコ国と言ったから、ロジーヌ様の方か。おーい。ロジーヌ様。お客さんだ」
すると奥の方から返事。
「もうカグラ、様はいらないって言ったでしょロジーヌって呼んで」
そんな文句を言いながら、元気な姿でひょっこりと娘が現れる。
暇なため、カグラの手伝いで紙すきをしていた。
「王、いえ御父様、御無沙汰をしております」
そう言って見事な礼を取る。
その顔は、数ヶ月前、元気なときと変わらない顔、そして姿だった。
ほんの二週間前、娘達は命の危険があるために、ロープで縛られていたが、顔や体は鞭で打たれたような傷だらけ、胸は変形して片方は噛みちぎられたのか、乳首すらなかった。
穴はだらしなく広がり、だらだらと色々なものを垂れ流していた。
そう、ヴァイオレットは王の手前、そんなに手荒にされなかったが、ロジーヌは別、忍び込み女達を逃がそうとした賊である。
薬が効く前に拷問を受けた。
生かされてはいたが、扱いはひどかった。
「おおおおぅ。ロジーヌ、体は? 異常はないか?」
「はい。すっかり元気でございます」
その笑顔に、嘘はないようだ。
「カグラ殿、娘が世話になった」
だが、幾人かの者達はあの時を知っている。
少し考え、王は決断をする。
「カグラ殿、娘を頼む。困ることのないよう、金銭的援助なども行おう」
そう言って、泣きながら帰って行った。
「えっ?」
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