新しい年、新しい自分、変わる切っ掛けは…… 一つの出逢い

久遠 れんり

文字の大きさ
28 / 29

第28話 再会

しおりを挟む
「こいつが詐欺師か?」

「そう、最初のデートくらいで撮ったものだけど」
 プリントシール機で撮影されたもの。
 男はなれなれしく光の肩に手を回し、彼女は少し引きつった笑顔。

 だがその顔を見て、俺は気がつく。
「ちょっと待て」
 スマホを取りだし確認をするが、不要な写真は転送していない。
「ちっ、古い方か」
 探しまくって見つけたが、バッテリーが死んでいる。
「ええい充電器、なんで規格が変わるかな」
 最近のは、タイプCに変わって互換性がない。

「無事に起動をして…… こいつか」
 見たくもない顔。
 いやらしくにやけた顔で、女の子の尻をなでている奴の写真。
 これって、教室だぜ。
 女の子は別の子とお喋りをしていたのに。

 意外と記憶が蘇る。

「こいつ、同じだろ」
「えっ、知り合いなの?」
「こいつなら同級生で、おっ…… 俺をはめた奴だ。名前は…… ああこれだ阿久井 霧掛あくい きりかけ
「全然違う名前、有栖川 優翔ありすがわ ゆうしょうてどこから出たの?」
「知るか……」
 そう思っていたが、こいつで間違いが無いなら、連絡をしないとなぁ。

「さっきの回収業者、連絡先があったな」
「うん、電話とメールアドレス。WEBからならフォームもあるみたい」
「じゃあ、教えてやれ」
「あっそうだね。お金が返ってくるかもしれないし」
「警察にも、被害届は出してあるんだろ」
「うん、でも相手が判らないからどうとか色々言われて、真面目に探してくれているかは判らない」
「そっちにも流しておけ。誰か弁護士を探さないとな」

 そうして、事態は動き始める。

 光は、落ち着いたところで、借金返済のために就職先を探す。
 結局、ご飯も作るし、家のことをするから…… それに、好きなときに体使って良いよ。
 などと言って居付いた。

 だが、募集があったのは、大きな救急病院。
 勤務は三交代制。
 日中、準夜、深夜。

 当然……
「ご飯美味しい」
 彼女は、俺が作った飯をぱくついている。

「なんでこうなるんだ?」
「ごめんなさい。お給料が良いのよ。明日はきちんとするから」
 そう言いながら、勤務明けは爆睡。

 結局俺は、主夫になっていた。
 使って良いと言った体も……
「ねえ、起きてる? しよ…… ねえってばぁ」
 そうコイツのほうが、したいときに俺を使う。

「だって、慣れてくると、気持ちが良くて。こんな体にしたのは新道君だし…… えへっ、大きくなった」
 仕事柄か、男に疲れマラとかがある様に、女にもあるらしい。

 そして、職業柄なのか禁忌感はなく、技を色々と使い始める。

「んばっ。気持ちいい? あんっ。そこいじっちゃ駄目。いやもっと」
「どっちだよ」
「もっと」
「えっちな奴」
「えへへへ」
 そうして、少し時間が経ち、奴が捕まったと連絡が来る。

「確認をお願いします。こいつですかな」
「えーと、顔がボコボコで、包帯だらけで判断が出来ませんね」
「まあ、指紋は採っていますから本人ですけどね。こいつ余罪が無茶苦茶あって、また後日調書に協力をお願いいたします」
 結構凶悪な類いなのか、警察の人が嬉しそう。

 捕まえれば、けちな結婚詐欺師では終わらなかった様だ。
「点数が良いのかな?」
「どうだろ」

 これでまあ、一通り終わった。

 実は、阿久井の名前は分かったが、今の住所とかが判らないから、久しぶりというか、十年ぶりに吉田に連絡をする。
 ツールはブロックしていたが、スマホの番号自体は変わっていなかった。

「もしもし」
「んあ、本物かおまえ。いや何度も連絡をしようとしたんだが、ためらっちまって、元気か、今何してるんだ?」
「いやまあ、ぼつぼつ元気だ、それでだな……」
「元気なら出てこいよ、清水とかにも連絡をするから、いつが良い場所の希望は?」
 まあすごい勢いで食いつかれて、なになに攻撃。

 結局、話は切り出せず、会うことに。
 有名な居酒屋さんに集合で、会うことになった。

 タイミングが良いのか悪いのか。
「私、深夜勤務だから行く。私にも関係があることだし、それに、晩ご飯……」
 そう言って押し切られた。

 当然……

「えっ奥さんか?」
 こうなる。
「そうです。主人がお世話になっています」
 これだ……

「あー違うから、単なる居候だし」
 そう言うと反論しようとするが。
「むう、そんな事言うけど、家の事だって、できていないけど、ご飯だって、作って貰っているけど…… あれ?」
「言ったこと、一切してないよな」
「あーうん」
「まあそれは良いとして、こいつのことだ」
 俺は古いスマホの画面を見せる。

「おっ、阿久井じゃあねえか。こいつ地元じゃ顔が知られたから、隣町まで行って悪さをしているらしいぜ」
 そう隣町というのが光が住んでいた街。

「住所とか判るか?」
「家は基本実家だろ」
 そう言って、地図データを転送してもらい、その後奴らについて話を聞くことになる。

 俺に会って何が嬉しいのか、まあ皆が酔っ払って大騒ぎとなる。

 阿久井は詐欺師というか、女を騙して食い物にしているらしい。
 そして、海野 深海うんの ふかみは、共々退学になった後、しばらくは夜間に通っていたらしいが、騒動を起こして退学。
 その頃、援交のようなこともしていたらしい。

 周りにはずっと男の影があり、結構やばそうな所へ出入りしているとか。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!

satomi
恋愛
昼夜問わずに働く18才の主人公南ユキ。 働けども働けどもその収入は両親に搾取されるだけ…。睡眠時間だって2時間程度しかないのに、それでもまだ働き口を増やせと言う両親。 早朝のバイトで頭は朦朧としていたけれど、そんな時にうちにやってきたのは白虎商事CEOの白川大雄さん。ポーンっと25億で私を買っていった。 そんな大雄さん、白虎商事のCEOとは別に白虎組組長の顔を持っていて、私に『姐』になれとのこと。 大丈夫なのかなぁ?

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...