堕ちたαの罪と愛

おはぎのあんこ

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第2章

11.望まぬ変化

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 後始末をするために、龍我は教室にあったバケツで水を汲みにいった。

 トイレに人がいたので、びっくりした。
 中学生のようだ。

 高校生の自分たちが中学生の校舎にいることを何て説明したら良いのか…?

 龍我が悩んでいるうちに、中学生はトイレを出ていった。
 龍我がトイレを出たときには人影はなかった。

 理斗との行為を見られてなかったか?という不安を感じながら教室へ戻り後片付けをした。
 その後2人で保健室へ行き、理斗は早退した。



 理斗は今まで完璧に何でもこなし、人当たりも良かった。
 しかし、自分でコントロールできないΩ特有の症状に襲われたことで、理斗は変わってしまった。

 どこかオドオドした雰囲気を出すようになった。
 今までは小柄で女性的な外見上の特徴を内面の強さで覆っていたのに、それがなくなって、より弱く見えてしまうようになった。
 Ωらしさが目立つようになってしまった。

 龍我といても、駅や道端でナンパされたり、からかわれたりする場面に遭遇した。
 理斗1人だともっと色々あるのだろうな、ということは龍我にも想像がついた。


 プールの授業が始まってしばらくして、更衣室に置いた理斗の制服が盗まれるという事件もあった。
 理斗はやはり男のΩなんだ。αやβから性的に狙われる存在なんだ、と龍我は思った。



 …夏休み明けのある日。

「ねぇ、龍我。今から俺の家に来てくれない?」
 高校からの帰り道に龍我は理斗に言われた。

 発情期で休んでいるときに、龍我が理斗の家を訪れたことは何度かあった。
 もちろん、そのとき2人は性行為をした。
 でも、こんな形で誘われたのは初めてだった。

 龍我は理斗の家に行くことにした。

 理斗の両親は2人とも仕事でいない。
 リビングではなく理斗の部屋に通される。

「何か飲む?」
 座布団の上に座った龍我に理斗が聞く。
「何でも良いよ。喉が渇いた」
 理斗は台所へ行く。


 帰ってきて…
 龍我は思わず声を上げそうになる。
 理斗が全裸だったからだ。

「麦茶どうぞ」
「いや、どうぞじゃないだろ!なんで全裸なの?」

 龍我が聞くと、理斗は龍我の隣に座る。

 そして…
 理斗は首に巻いた紺色のチョーカーを外す。
 うなじが露わになる。

「俺、龍我と番つがいになりたい」
 真剣な目で言う。

 龍我は掛ける言葉を探した…

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