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第四章 佐村家だらけの死亡遊戯
第55話 チーム『ジャンクメイカー』の脱落
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空間を切り離し、限定的に世界を『異階化』させる金属符。
色々と便利なアイテムであるが、実はこれには裏技的な使い方がある。
「連中が突入してきたと同時に切り離す。いいな」
「うん」
「上等」
ミフユとタマキが揃って応じ、俺の手には二枚の金属符。
玄関からガチャガチャと音が聞こえて、その直後に鍵が回る音がする。
そして、ドアが開け放たれ、外から武器を手にした男達が次々に突入してきた。
数を確認。全部で六人。
手には木刀やバット。飛び道具のたぐいを持ってるヤツはいない。
全員が帽子をかぶってバンダナを巻いたりして顔を隠している。
「佐村美芙柚はここにいるよなぁ!」
男の一人がそう叫んだところで、後続がいないことを確認した俺は動き出す。
「さぁね」
両手に持った金属符二枚を、背中合わせに張りつけた。
こうすることで、本来であれば『異階化』を引き起こす効果に、バグが生じる。
そして空間は変質を起こし、全てが灰色に染まる。
灰色の大地、灰色の空、壁はなくてどこまでも同じ風景が続いている。
スダレの『万象集積階』の第三階層にも似ていなくもない風景だ。
ただし、これはバグを利用したものなので不安定で、十分ほどで現実に戻る。
「な、何だ、何が起こりやがった……!?」
「オイ、何だよここ、真夜中だろうが、今!」
襲撃者達が混乱しているが、俺がそれを斟酌する必要はない。
「さて、こいつら全員――」
「待って、アキラ。先にやらなきゃいけないことがあるわ」
ダガーに殺意を込めようとした俺を、ミフユが止めてくる。
「……何だよ」
俺が低い声を出すと、ミフユは無言でタマキの方を見る。
ああ、そうか。そうだったな。確かに、それは先に済ませておかなきゃな。
「タマキ」
「うん」
「わかってるな。禊の時間だ」
「……うん」
バーンズ家は基本的に子供達の自由にさせるが、例外的にいくつかルールがある。
例えば、月に一度の定例大宴会とかがそれに当たる。
その中に、どんな理由でも外の争いを家に持ち込まない、というものがあった。
どんな理由でも、だ。
そこに例外は認めない。俺も持ち込まないし、持ち込ませない。
そして、このルールを破った者は、罰として禊をしなければならなくなる。
「俺と知らなかったとはいえ、おまえは他人からの依頼で俺を狙った。これは違反だ。事情は汲まない。そういうルールだ。ただ事実のみで判断する」
「わかってるよ、オレだってバーンズ家の長子だ。責任はとる。汚名を雪ぐよ」
言って、タマキが襲撃者達の方に向き直る。
「共通の黒いシャツに、スパナと髑髏のエンブレム。おまえら、チーム『ジャンクメイカー』だな。名前くらいは知ってるぜ。少数だけどイケイケの武闘派だってな」
「何だ、この女……?」
「あ、こいつ! 天月でムチャクチャやってる『喧嘩屋』だ!」
襲撃者達の中に、タマキを知っている者がいたらしい。
それが嬉しかったのか、ウチのバカ娘は「ムフフッ」とかキモい笑いを漏らす。
「ハァーッハッハッハ! その通り、オレ様こそは天月の闇に躍るストリートの伝説、喧嘩屋ガルシア――、と言いたいが、悪いな。今からオレはグレイス・環・ガルシアとしてじゃなく、タマキ・バーンズとして、おまえらを皆殺しにする」
「は、皆殺し?」
「何言ってんだ、こいつ――」
タマキを前に、六人の襲撃者達は一人残らずゲラゲラと笑い出す。
「オイ、マジかよ、怖すぎるぜ。俺達はそっちのメスガキ一人をヤリに来ただけなんだぜ。それなのに皆殺しって、釣り合いとれねぇだろ、理不尽すぎるぜ~!」
「っつーか、イキってるJKちゃんは僕達六人に何ができるんでしゅ~? あ、でもすっげー上玉じゃん。おっぱいもでけぇぞ! オイ、あの女マワしちまおうぜ!」
「いいねぇいいねぇ、何か変なトコに来たけどまあいいや。俺の股間のビッグマグナムでアヒンアヒン言わせてやるからよ、ゥヘヘヘヘヘ……」
はいはい、そういう連中なワケね、こいつら。
これなら心置きなくやれるな。元から、同情の余地はないんだけどね。
「やれ、タマキ」
「言われなくてもわかってるよ、おとしゃん」
こいつ、真剣になると『おとしゃん』呼びになるの可愛いよな。どう思う?
「行くぜ、オレの異面体――」
言ってタマキが構えを取る。足を広げ、両腕を腰に溜めて、風が巡り始める。
「お……?」
笑っていた襲撃者達が、タマキを見て笑いを止める。だがもう遅い。
タマキは両腕を顔の前で×の形に交差させると、次の瞬間、それを大きく広げる。
そして、叫んだ。
「――変身ッ!」
足元から光を伴った風が舞い上がり、空の果てから一条の雷光が降り注ぐ。
そして、雷鳴が轟く中、タマキは純白の異形へとその姿を変える。
首に漆黒のスカーフを巻いた、全身が真っ白い、仮面の武闘家。
それが、自らの肉体を素体とした、バーンズ家最強を誇るタマキの異面体。
「神威雷童」
何となく某特撮ヒーローっぽい名前ではあるが、これがまた強ェんだわ。
「オイオイ、今度はコスプレしちゃったぜ?」
「うわ、バカみてぇ! 喧嘩屋なんてやってる――、イテッ!」
言いかけてた一人が、急に悲鳴をあげる。その頬に、ザックリと傷ができていた。
さて、始まったな。あとはもう、見ているだけですべてが終わる。
「な、え、うぉ!」
別の一人が、腕に切り傷を作って飛び退いた。
「なん……、ひっ!?」
さらに別の一人が、太ももにできた小さな傷に動揺する。
異面体は、それを使う者の精神の一側面が形になったもの。俺ならば『怒り』だ。
一方で、あのカムイライドウはタマキの『強さへの欲求』が顕れたものだ。
言い換えれば『英雄願望』、または『変身願望』と表すこともできる。
タマキは、心の底では自分は弱いと思っている。
もちろんそんな事実はないのだが、異面体は自己認識が大きく影響する。
さて、ここで問題だ。
三歳の時点でケントのゲキテンロウに対応できた、ウチの長女。
もしそれが十分に成長し、異面体の力でさらに強くなったらどうなるか――。
答えは『もはや誰にも止められない』、だ。
「ひっ!」
「痛ッ、な、何だよ、傷が、どんどん傷が、増えて……ッ!?」
「何だ、やめ、な、何が起きてンだよォ!」
次々に刻まれる小さな傷に、六人の襲撃者達は全員が恐慌状態に陥っていた。
もちろん、タマキの攻撃によるものだ。
超高速で動き回るタマキの姿は、俺でも捉え切れない。
一思いに殺すのではなく、少しずつ少しずつ、削り取って弱らせる。
狩りではなく、遊びでもなく、ただ恐怖を与え、後悔させ、心をへし折るために。
与える傷が、徐々に大きくなっていく。
最初は切り傷程度だったものが、今は指を切断するまでに。
「ひぎぃやぁぁぁぁぁ! ゆ、指ッ! 俺の指ィィィィィ!!?」
絶叫しながら、襲撃者が逃げようとする。
しかし、それはできない。逃げようとした先で目に見えない壁に弾かれる。
もちろん、それもタマキだ。突き飛ばして、元の場所に戻す。
「うあああああああああああ、逃げられねぇ! 嘘だろ、嘘だろォォォォォ!!?」
灰色の空間に、だみ声での絶叫がこだまする。
叫んだ襲撃者の左耳が、次の瞬間には削がれてなくなっていた。
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ!」
「ひぃ、助けてくれ、俺達が悪かった! もうやめてくれェ――――ッ!」
そうやって命乞いをする間にも、襲撃者達の体積は減っていく。
傷が刻まれ、皮膚は剥がれ、筋肉は削られ、内臓が露わになっていき、
「ギギャアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァアァァァァ――――ッ!」
圧倒的な暴力の渦に飲み込まれ、チーム『ジャンクメイカー』は解体されていく。
やがて、たった数分で一生分の恐怖を味わった一人目がようやく逝った。
二人目、三人目と絶命し、四人目、五人目も発狂の末に死を迎える。
そして最後の一人、四肢を失い、顔も半分骨が見えているという悲惨な状態だ。
動きを止めたタマキが、赤く染まったその顔で、最後の一人を見下ろす。
「何か、言い残すことは?」
「ぁ……」
相手がかすかに口を開いたところで、タマキはそいつの心臓を踏み潰した。
割れた風船みたいに血が弾けて、最後の襲撃者も骸と化した。
「うちのおかしゃんを狙うからこうなるんだ、バカだな」
そう言い放つタマキの声は、まさに冷徹そのものだった。
かける情などあるはずがない。こいつらは、ミフユを狙ったのだから。
「おとしゃん、終わった」
「ああ、しかと見届けたぞ。おまえの禊はこれで終わりだ」
「ありがとう。ごめんなさい」
元の姿に戻ったタマキがペコリと頭を下げてくる。うんうん、いい子だね。
そろそろ、このバグ空間も終わりが近い。その前に、蘇生蘇生、っと。
「ちょっと、何してんの、ジジイ?」
「え、タマキの禊も終わったし、改めてこいつらに俺からミフユを狙った仕返しをね? 別にそんなひどいことはしないよ、イバラヘビを寄生させるだけだから」
「リッキーコース確定じゃないの……」
「一生涯、苦しみながら余生を過ごすがいいのさ! フハハハハハハハハハハハハ! アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハァ――――ッ!」
けたたましく笑う俺に、タマキが「おとしゃん、怖い」と震えていた。
色々と便利なアイテムであるが、実はこれには裏技的な使い方がある。
「連中が突入してきたと同時に切り離す。いいな」
「うん」
「上等」
ミフユとタマキが揃って応じ、俺の手には二枚の金属符。
玄関からガチャガチャと音が聞こえて、その直後に鍵が回る音がする。
そして、ドアが開け放たれ、外から武器を手にした男達が次々に突入してきた。
数を確認。全部で六人。
手には木刀やバット。飛び道具のたぐいを持ってるヤツはいない。
全員が帽子をかぶってバンダナを巻いたりして顔を隠している。
「佐村美芙柚はここにいるよなぁ!」
男の一人がそう叫んだところで、後続がいないことを確認した俺は動き出す。
「さぁね」
両手に持った金属符二枚を、背中合わせに張りつけた。
こうすることで、本来であれば『異階化』を引き起こす効果に、バグが生じる。
そして空間は変質を起こし、全てが灰色に染まる。
灰色の大地、灰色の空、壁はなくてどこまでも同じ風景が続いている。
スダレの『万象集積階』の第三階層にも似ていなくもない風景だ。
ただし、これはバグを利用したものなので不安定で、十分ほどで現実に戻る。
「な、何だ、何が起こりやがった……!?」
「オイ、何だよここ、真夜中だろうが、今!」
襲撃者達が混乱しているが、俺がそれを斟酌する必要はない。
「さて、こいつら全員――」
「待って、アキラ。先にやらなきゃいけないことがあるわ」
ダガーに殺意を込めようとした俺を、ミフユが止めてくる。
「……何だよ」
俺が低い声を出すと、ミフユは無言でタマキの方を見る。
ああ、そうか。そうだったな。確かに、それは先に済ませておかなきゃな。
「タマキ」
「うん」
「わかってるな。禊の時間だ」
「……うん」
バーンズ家は基本的に子供達の自由にさせるが、例外的にいくつかルールがある。
例えば、月に一度の定例大宴会とかがそれに当たる。
その中に、どんな理由でも外の争いを家に持ち込まない、というものがあった。
どんな理由でも、だ。
そこに例外は認めない。俺も持ち込まないし、持ち込ませない。
そして、このルールを破った者は、罰として禊をしなければならなくなる。
「俺と知らなかったとはいえ、おまえは他人からの依頼で俺を狙った。これは違反だ。事情は汲まない。そういうルールだ。ただ事実のみで判断する」
「わかってるよ、オレだってバーンズ家の長子だ。責任はとる。汚名を雪ぐよ」
言って、タマキが襲撃者達の方に向き直る。
「共通の黒いシャツに、スパナと髑髏のエンブレム。おまえら、チーム『ジャンクメイカー』だな。名前くらいは知ってるぜ。少数だけどイケイケの武闘派だってな」
「何だ、この女……?」
「あ、こいつ! 天月でムチャクチャやってる『喧嘩屋』だ!」
襲撃者達の中に、タマキを知っている者がいたらしい。
それが嬉しかったのか、ウチのバカ娘は「ムフフッ」とかキモい笑いを漏らす。
「ハァーッハッハッハ! その通り、オレ様こそは天月の闇に躍るストリートの伝説、喧嘩屋ガルシア――、と言いたいが、悪いな。今からオレはグレイス・環・ガルシアとしてじゃなく、タマキ・バーンズとして、おまえらを皆殺しにする」
「は、皆殺し?」
「何言ってんだ、こいつ――」
タマキを前に、六人の襲撃者達は一人残らずゲラゲラと笑い出す。
「オイ、マジかよ、怖すぎるぜ。俺達はそっちのメスガキ一人をヤリに来ただけなんだぜ。それなのに皆殺しって、釣り合いとれねぇだろ、理不尽すぎるぜ~!」
「っつーか、イキってるJKちゃんは僕達六人に何ができるんでしゅ~? あ、でもすっげー上玉じゃん。おっぱいもでけぇぞ! オイ、あの女マワしちまおうぜ!」
「いいねぇいいねぇ、何か変なトコに来たけどまあいいや。俺の股間のビッグマグナムでアヒンアヒン言わせてやるからよ、ゥヘヘヘヘヘ……」
はいはい、そういう連中なワケね、こいつら。
これなら心置きなくやれるな。元から、同情の余地はないんだけどね。
「やれ、タマキ」
「言われなくてもわかってるよ、おとしゃん」
こいつ、真剣になると『おとしゃん』呼びになるの可愛いよな。どう思う?
「行くぜ、オレの異面体――」
言ってタマキが構えを取る。足を広げ、両腕を腰に溜めて、風が巡り始める。
「お……?」
笑っていた襲撃者達が、タマキを見て笑いを止める。だがもう遅い。
タマキは両腕を顔の前で×の形に交差させると、次の瞬間、それを大きく広げる。
そして、叫んだ。
「――変身ッ!」
足元から光を伴った風が舞い上がり、空の果てから一条の雷光が降り注ぐ。
そして、雷鳴が轟く中、タマキは純白の異形へとその姿を変える。
首に漆黒のスカーフを巻いた、全身が真っ白い、仮面の武闘家。
それが、自らの肉体を素体とした、バーンズ家最強を誇るタマキの異面体。
「神威雷童」
何となく某特撮ヒーローっぽい名前ではあるが、これがまた強ェんだわ。
「オイオイ、今度はコスプレしちゃったぜ?」
「うわ、バカみてぇ! 喧嘩屋なんてやってる――、イテッ!」
言いかけてた一人が、急に悲鳴をあげる。その頬に、ザックリと傷ができていた。
さて、始まったな。あとはもう、見ているだけですべてが終わる。
「な、え、うぉ!」
別の一人が、腕に切り傷を作って飛び退いた。
「なん……、ひっ!?」
さらに別の一人が、太ももにできた小さな傷に動揺する。
異面体は、それを使う者の精神の一側面が形になったもの。俺ならば『怒り』だ。
一方で、あのカムイライドウはタマキの『強さへの欲求』が顕れたものだ。
言い換えれば『英雄願望』、または『変身願望』と表すこともできる。
タマキは、心の底では自分は弱いと思っている。
もちろんそんな事実はないのだが、異面体は自己認識が大きく影響する。
さて、ここで問題だ。
三歳の時点でケントのゲキテンロウに対応できた、ウチの長女。
もしそれが十分に成長し、異面体の力でさらに強くなったらどうなるか――。
答えは『もはや誰にも止められない』、だ。
「ひっ!」
「痛ッ、な、何だよ、傷が、どんどん傷が、増えて……ッ!?」
「何だ、やめ、な、何が起きてンだよォ!」
次々に刻まれる小さな傷に、六人の襲撃者達は全員が恐慌状態に陥っていた。
もちろん、タマキの攻撃によるものだ。
超高速で動き回るタマキの姿は、俺でも捉え切れない。
一思いに殺すのではなく、少しずつ少しずつ、削り取って弱らせる。
狩りではなく、遊びでもなく、ただ恐怖を与え、後悔させ、心をへし折るために。
与える傷が、徐々に大きくなっていく。
最初は切り傷程度だったものが、今は指を切断するまでに。
「ひぎぃやぁぁぁぁぁ! ゆ、指ッ! 俺の指ィィィィィ!!?」
絶叫しながら、襲撃者が逃げようとする。
しかし、それはできない。逃げようとした先で目に見えない壁に弾かれる。
もちろん、それもタマキだ。突き飛ばして、元の場所に戻す。
「うあああああああああああ、逃げられねぇ! 嘘だろ、嘘だろォォォォォ!!?」
灰色の空間に、だみ声での絶叫がこだまする。
叫んだ襲撃者の左耳が、次の瞬間には削がれてなくなっていた。
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ!」
「ひぃ、助けてくれ、俺達が悪かった! もうやめてくれェ――――ッ!」
そうやって命乞いをする間にも、襲撃者達の体積は減っていく。
傷が刻まれ、皮膚は剥がれ、筋肉は削られ、内臓が露わになっていき、
「ギギャアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァアァァァァ――――ッ!」
圧倒的な暴力の渦に飲み込まれ、チーム『ジャンクメイカー』は解体されていく。
やがて、たった数分で一生分の恐怖を味わった一人目がようやく逝った。
二人目、三人目と絶命し、四人目、五人目も発狂の末に死を迎える。
そして最後の一人、四肢を失い、顔も半分骨が見えているという悲惨な状態だ。
動きを止めたタマキが、赤く染まったその顔で、最後の一人を見下ろす。
「何か、言い残すことは?」
「ぁ……」
相手がかすかに口を開いたところで、タマキはそいつの心臓を踏み潰した。
割れた風船みたいに血が弾けて、最後の襲撃者も骸と化した。
「うちのおかしゃんを狙うからこうなるんだ、バカだな」
そう言い放つタマキの声は、まさに冷徹そのものだった。
かける情などあるはずがない。こいつらは、ミフユを狙ったのだから。
「おとしゃん、終わった」
「ああ、しかと見届けたぞ。おまえの禊はこれで終わりだ」
「ありがとう。ごめんなさい」
元の姿に戻ったタマキがペコリと頭を下げてくる。うんうん、いい子だね。
そろそろ、このバグ空間も終わりが近い。その前に、蘇生蘇生、っと。
「ちょっと、何してんの、ジジイ?」
「え、タマキの禊も終わったし、改めてこいつらに俺からミフユを狙った仕返しをね? 別にそんなひどいことはしないよ、イバラヘビを寄生させるだけだから」
「リッキーコース確定じゃないの……」
「一生涯、苦しみながら余生を過ごすがいいのさ! フハハハハハハハハハハハハ! アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハァ――――ッ!」
けたたましく笑う俺に、タマキが「おとしゃん、怖い」と震えていた。
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