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職人の村
職人の村(1)
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(結構、日が昇ったな。
村からどのくらい歩いただろうか?)
初めて通る薄暗い山道を宛も無く、ただ一人黙々と歩く乙葉。
すると
【ニッ…ニンゲンンンンンン゙ッ!!】
一匹の虫のような体をした妖怪が濁音混じりの言葉を発し、乙葉の背後へ襲いかかった。
がっ!
バチッ!!
【ギャッ!】
後少しで乙葉に手が届くというところで、妖怪は弾ける様に跡形もなく消し飛んだ。
「ん?……気のせいか?」
※
「ハァッ!!ハァッ!!!」
鬱蒼と草木が生い茂る森の中を、必死に走る男の子。
【ギギギギッ…マテ‥ニニッニンゲンッ…!】
背後には、細い虫のような形をした妖怪が牙を剥き出しにし、男の子を喰らおうと草木をなぎ倒しながら追いかけていた。
「わあっ!」
走る事に霧中になっていた男の子は、地面から顔を出す木の根に気づかず、足を取られて凸凹した地面へと倒れ込んだ。
【タッ…タタア‥タベルルル!!!!!!!】
「うっ……あっ……。」
逃げないといけないと思っているのに対し、体は痛みと目の前の恐怖で動けない。
そんな姿に妖怪は今が好機だと、男の子へ飛びかかった。
その時!
ドスッ!!
【ギャャアァアアァアアッ!! 】
突然、妖怪の脳天に矢が突き刺されば奇声を上げた直後、体はバラバラに砕け散り何事もなかったような平穏が辺りを包んだ。
「ふむ、昨日と似た光景だな。」
木の陰から現れたのは乙葉。
山道を黙々と歩いている中、森の奥から何やら騒がしい音が聞こえ、気になり好奇心に扇がれるまま向かってみた結果、現在に至る。
軽い気持ちで赴いた為、思ってもない展開に少々驚きはしたが、兎にも角にも男の子が無事で良かったと乙葉は安堵した。
「立てるか?」
「はっ、はい。」
駆け寄ってきた乙葉を前に、男の子は唖然とした表情で乙葉を見上げていたが、我に返ると慌てて立ち上がり、緊張した面持ちで頭を下げた。
「私の名は乙葉だ。お主は?」
「僕は、勇太。」
「勇太か。良き名だ。」
まだ微かに怯えている勇太の頭を、乙葉はそっと撫でる。
すると安心したのか、強ばっていた表情が少し緩んだ。
.
村からどのくらい歩いただろうか?)
初めて通る薄暗い山道を宛も無く、ただ一人黙々と歩く乙葉。
すると
【ニッ…ニンゲンンンンンン゙ッ!!】
一匹の虫のような体をした妖怪が濁音混じりの言葉を発し、乙葉の背後へ襲いかかった。
がっ!
バチッ!!
【ギャッ!】
後少しで乙葉に手が届くというところで、妖怪は弾ける様に跡形もなく消し飛んだ。
「ん?……気のせいか?」
※
「ハァッ!!ハァッ!!!」
鬱蒼と草木が生い茂る森の中を、必死に走る男の子。
【ギギギギッ…マテ‥ニニッニンゲンッ…!】
背後には、細い虫のような形をした妖怪が牙を剥き出しにし、男の子を喰らおうと草木をなぎ倒しながら追いかけていた。
「わあっ!」
走る事に霧中になっていた男の子は、地面から顔を出す木の根に気づかず、足を取られて凸凹した地面へと倒れ込んだ。
【タッ…タタア‥タベルルル!!!!!!!】
「うっ……あっ……。」
逃げないといけないと思っているのに対し、体は痛みと目の前の恐怖で動けない。
そんな姿に妖怪は今が好機だと、男の子へ飛びかかった。
その時!
ドスッ!!
【ギャャアァアアァアアッ!! 】
突然、妖怪の脳天に矢が突き刺されば奇声を上げた直後、体はバラバラに砕け散り何事もなかったような平穏が辺りを包んだ。
「ふむ、昨日と似た光景だな。」
木の陰から現れたのは乙葉。
山道を黙々と歩いている中、森の奥から何やら騒がしい音が聞こえ、気になり好奇心に扇がれるまま向かってみた結果、現在に至る。
軽い気持ちで赴いた為、思ってもない展開に少々驚きはしたが、兎にも角にも男の子が無事で良かったと乙葉は安堵した。
「立てるか?」
「はっ、はい。」
駆け寄ってきた乙葉を前に、男の子は唖然とした表情で乙葉を見上げていたが、我に返ると慌てて立ち上がり、緊張した面持ちで頭を下げた。
「私の名は乙葉だ。お主は?」
「僕は、勇太。」
「勇太か。良き名だ。」
まだ微かに怯えている勇太の頭を、乙葉はそっと撫でる。
すると安心したのか、強ばっていた表情が少し緩んだ。
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