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その2
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この仕事を好きかと問われれば、NOと答える。
しかし、お店に出た以上はプロとして
振る舞うしかない。
仕事は仕事だ。馬鹿な私でもそれぐらいわかっている。
今まで好きになった人がいなかった訳じゃない。
好きだと思っても、店内だけで店外にでると魔法がさめたように、興味を失った。
私が本気で恋したのも、付き合ったのも高校生の頃だけで、働く前に別れてからもう恋愛の方法さえも忘れていた。
お客さんとの店内だけの疑似恋愛。
それだけでじゅうぶんだった。
愛情を求める一方で私は自分の力で生きるしかないという気持ちが強くて、
心から甘えることも頼ることも怖くなった。
いつか自分の足りないものを埋めてくれる人に出会える。
そんな夢を描いていた時期は遠い昔に消えていた。
一度、店の子に彼氏もいなくて寂しくないか聞かれたけれど、寂しさが何なのかさえも分からなくなるほど、心は冷え切っていた。
同伴の約束をして、待ち合わせをしそのまま店に行くこともあれば、
食事や欲しいものを買って貰ってから店に行くパターンもある。
どちらかというと後者で食事などをご馳走して話をしたいという人が当然ながら多い。
ブランド品もたくさん頂いたけれど、
個人的にはブランド品には興味はない。
お店で多くお金を落としてくれる方が嬉しい。
何故ならプレゼントを頂けば身につけてくれることを楽しみにしている人もいる、もらった物が趣味に合わずとも我慢してつけることもあるからだ。
特にお願いした同伴の時は貰ったものを覚えておかなければ面倒なこともある。
同じものを複数の人から買ってもらい、1つだけ残してあとは売ってしまう方法もある。
これなら誰からもらったかなんて気にしなくても楽だから。
でも、似合うだろうからと一方的に買ってこられるとそうはいかない。
メールをして同伴の約束をとった。
このお客さんは楽しく飲めればそれでいいと、会ってからすぐお店に向かってくれるし、指名も絶対だ。
面倒なことがない、体に触れる事もしてこないし純粋にとても良い人だ。
私は夕方、近くの美容室で髪をセットしてもらう。
器用に髪をまとめることが出来ないのと、気持ちを切り替えるためでもある。
それが終わると私はいつもの夜の街に出発するのだ。
髪をセットしてもらい、お客さんとの待ち合わ場所に先に向かい。
会えた事を毎回嬉しそうに振る舞い、会話をしながら店に向かって歩き出す。
その途中、こちらを見ている昨日の男がいたのだ。
女性と並んでこちらに向かってくる。
この時は海の名前も知らず、昨日の出来事に少し腹が立っていて、視線をそらした。
彼がこちらを見ているのは気がついたけれど、視線を合わせる気にはなれなかった。
「さっきの彼…知り合い?君を見てたけど」
「え?知らないと思いますけど、そんな人いました? 」
私はわざとらしく周りを見渡すふりをして驚いてみせた。
「あぁ、じゃあ君に見とれてただけかもしれないね」
私は笑ってごまかした。
実際、知り合いという類でもない。
お店に到着し、いつものように仕事をする。
お客さんの話を聞いて、頷いて、笑って、飲んで。
何も変わらない一日だった。
その次の日も何も変わらない一日が終わろうとしていた。
しかし、お店に出た以上はプロとして
振る舞うしかない。
仕事は仕事だ。馬鹿な私でもそれぐらいわかっている。
今まで好きになった人がいなかった訳じゃない。
好きだと思っても、店内だけで店外にでると魔法がさめたように、興味を失った。
私が本気で恋したのも、付き合ったのも高校生の頃だけで、働く前に別れてからもう恋愛の方法さえも忘れていた。
お客さんとの店内だけの疑似恋愛。
それだけでじゅうぶんだった。
愛情を求める一方で私は自分の力で生きるしかないという気持ちが強くて、
心から甘えることも頼ることも怖くなった。
いつか自分の足りないものを埋めてくれる人に出会える。
そんな夢を描いていた時期は遠い昔に消えていた。
一度、店の子に彼氏もいなくて寂しくないか聞かれたけれど、寂しさが何なのかさえも分からなくなるほど、心は冷え切っていた。
同伴の約束をして、待ち合わせをしそのまま店に行くこともあれば、
食事や欲しいものを買って貰ってから店に行くパターンもある。
どちらかというと後者で食事などをご馳走して話をしたいという人が当然ながら多い。
ブランド品もたくさん頂いたけれど、
個人的にはブランド品には興味はない。
お店で多くお金を落としてくれる方が嬉しい。
何故ならプレゼントを頂けば身につけてくれることを楽しみにしている人もいる、もらった物が趣味に合わずとも我慢してつけることもあるからだ。
特にお願いした同伴の時は貰ったものを覚えておかなければ面倒なこともある。
同じものを複数の人から買ってもらい、1つだけ残してあとは売ってしまう方法もある。
これなら誰からもらったかなんて気にしなくても楽だから。
でも、似合うだろうからと一方的に買ってこられるとそうはいかない。
メールをして同伴の約束をとった。
このお客さんは楽しく飲めればそれでいいと、会ってからすぐお店に向かってくれるし、指名も絶対だ。
面倒なことがない、体に触れる事もしてこないし純粋にとても良い人だ。
私は夕方、近くの美容室で髪をセットしてもらう。
器用に髪をまとめることが出来ないのと、気持ちを切り替えるためでもある。
それが終わると私はいつもの夜の街に出発するのだ。
髪をセットしてもらい、お客さんとの待ち合わ場所に先に向かい。
会えた事を毎回嬉しそうに振る舞い、会話をしながら店に向かって歩き出す。
その途中、こちらを見ている昨日の男がいたのだ。
女性と並んでこちらに向かってくる。
この時は海の名前も知らず、昨日の出来事に少し腹が立っていて、視線をそらした。
彼がこちらを見ているのは気がついたけれど、視線を合わせる気にはなれなかった。
「さっきの彼…知り合い?君を見てたけど」
「え?知らないと思いますけど、そんな人いました? 」
私はわざとらしく周りを見渡すふりをして驚いてみせた。
「あぁ、じゃあ君に見とれてただけかもしれないね」
私は笑ってごまかした。
実際、知り合いという類でもない。
お店に到着し、いつものように仕事をする。
お客さんの話を聞いて、頷いて、笑って、飲んで。
何も変わらない一日だった。
その次の日も何も変わらない一日が終わろうとしていた。
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