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能力
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時々、その人達は目の前に現れる。
何の前触れもなく突然やってくるのだ。
こちらの都合などお構いなしだったりする。
日中も現れる事があるが、私達二人は絶対に外では会話しないと決めていた。
だから、一人の時ではないと相手に出来ない事を相手も理解して、こういうタイミングでやってくるのだ。
正直、会話をすると疲れる。
体力を使うため、30分程度が会話の限界なのだ。
それでも、放っておけない。
「私の背後にいる、あなたは誰ですか?」
「やっぱり、あなたは分かる人なんですね。私は亜衣です。あなたは?」
嬉しそうに声のトーンが上がっている。まだ幼さの残るような声だ。
「梨花よ。正面に来ないのは理由があるのね。」
「そう。私は元々なんですけど、顔の半分に痣があって見せたくないの。それに傷もあるし」
「なるほどね。それでどうしたの?」
「私、理解出来なくて導かれた道をそれてしまって。色々な人をたずねたけれど気付いてもらえなかったんです。あなただけ普通とは違う光を放っていて…….お話が出来るのか来てみたの」
女性も男性もそうだけれど、
顔などに怪我をしている場合、恥ずかしい気持ちと怖がらせてはいけないと思って背後からきてくれる事も多い。
悪意がこもっていない人もそれだけ多いからだ。
色んなタイプの人がいる。
これは普通の生活と何らかわりはないのだ。
「そうだったの。亜衣さんはいくつ?」
「15です。ねぇ、梨花さん。教えてください。やっぱり私は死んだの?」
「残念だけど、そうよ。あなたは死んでる。あなたも薄々気付いてるんでしょ?」
時々、死んでいるのか分かっているけど認めなれないまま彷徨い確認に訪れる人がやってくることがある。
「やっぱりそうなんだ………そっかぁ。」
「あなたの直前の記憶を思い出してごらん。」
「それが思い出せなかったんです。」
「では、今、目を閉じて。あなたの楽しかった頃の記憶を思い浮かべて、その時からゆっくりと順々に思い浮かべてみて。焦らないで、ゆっくりね」
私はこの間に少し休憩する。
連続した会話以外は体力が減ることがない、これまでの経験上だ。
そして、彼女が直前の記憶を思い出した時に彼女は迷うことなく次の道に進めるのだ。
「………学校で友達が出来たの、とても嬉しかった。………私………入院したの、そうだ。手術したんだ。それで………」
私の背後で混乱する彼女の弱々しい声が聞こえた。
「落ち着いて。」
「梨花さん、本当にありがとう。差し込む光、導く道にはお父さんが待ってくれてたみたい。」
「お父さんも亡くなってたのね。迎えに来てくれてたんだね。よかった。 次はたくさんの友達に出会える事を願ってるわ。気をつけてね。」
「はい。ありがとう。いつかまた会えたらゆっくりお話させてください。行ってきます………」
静かになり、去って行ったのがすぐわかった。
振り返るといつもの部屋だ。
私は床に寝転がった。
「疲れた」
かわいい子だったなぁ。
とても素直だった。みんなこうだといいのだけれど、そうはいかないものだ。
何の前触れもなく突然やってくるのだ。
こちらの都合などお構いなしだったりする。
日中も現れる事があるが、私達二人は絶対に外では会話しないと決めていた。
だから、一人の時ではないと相手に出来ない事を相手も理解して、こういうタイミングでやってくるのだ。
正直、会話をすると疲れる。
体力を使うため、30分程度が会話の限界なのだ。
それでも、放っておけない。
「私の背後にいる、あなたは誰ですか?」
「やっぱり、あなたは分かる人なんですね。私は亜衣です。あなたは?」
嬉しそうに声のトーンが上がっている。まだ幼さの残るような声だ。
「梨花よ。正面に来ないのは理由があるのね。」
「そう。私は元々なんですけど、顔の半分に痣があって見せたくないの。それに傷もあるし」
「なるほどね。それでどうしたの?」
「私、理解出来なくて導かれた道をそれてしまって。色々な人をたずねたけれど気付いてもらえなかったんです。あなただけ普通とは違う光を放っていて…….お話が出来るのか来てみたの」
女性も男性もそうだけれど、
顔などに怪我をしている場合、恥ずかしい気持ちと怖がらせてはいけないと思って背後からきてくれる事も多い。
悪意がこもっていない人もそれだけ多いからだ。
色んなタイプの人がいる。
これは普通の生活と何らかわりはないのだ。
「そうだったの。亜衣さんはいくつ?」
「15です。ねぇ、梨花さん。教えてください。やっぱり私は死んだの?」
「残念だけど、そうよ。あなたは死んでる。あなたも薄々気付いてるんでしょ?」
時々、死んでいるのか分かっているけど認めなれないまま彷徨い確認に訪れる人がやってくることがある。
「やっぱりそうなんだ………そっかぁ。」
「あなたの直前の記憶を思い出してごらん。」
「それが思い出せなかったんです。」
「では、今、目を閉じて。あなたの楽しかった頃の記憶を思い浮かべて、その時からゆっくりと順々に思い浮かべてみて。焦らないで、ゆっくりね」
私はこの間に少し休憩する。
連続した会話以外は体力が減ることがない、これまでの経験上だ。
そして、彼女が直前の記憶を思い出した時に彼女は迷うことなく次の道に進めるのだ。
「………学校で友達が出来たの、とても嬉しかった。………私………入院したの、そうだ。手術したんだ。それで………」
私の背後で混乱する彼女の弱々しい声が聞こえた。
「落ち着いて。」
「梨花さん、本当にありがとう。差し込む光、導く道にはお父さんが待ってくれてたみたい。」
「お父さんも亡くなってたのね。迎えに来てくれてたんだね。よかった。 次はたくさんの友達に出会える事を願ってるわ。気をつけてね。」
「はい。ありがとう。いつかまた会えたらゆっくりお話させてください。行ってきます………」
静かになり、去って行ったのがすぐわかった。
振り返るといつもの部屋だ。
私は床に寝転がった。
「疲れた」
かわいい子だったなぁ。
とても素直だった。みんなこうだといいのだけれど、そうはいかないものだ。
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