運命の人

noraneko

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認識

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私達の前に現れる人は様々だ。


死を受け入れられない、
死んでることに気付いてない、
生きてるけれど憎悪が肥大しがその別の人格形成を遂げ姿を変えて存在しよとしていたりと色々なケースがある。


でも、その人達が口を揃えて言うのは、行き先が示されていても違う行き先を選択しているのだ。


詳しくはわからないけれど、その示された道は偶然に発生するものなのか私はまだ死をむかえていないので、わからない。


美香子はどうであったのだろうか、機会があれば聞いてみよう。


でも、もしも……
自分自身がどうなっているのか分からぬまま、いつもの生活のように過ごし出勤して真弓に話しかけ無反応、周りに話しかけても無反応だとしたら、
孤独に彷徨い、存在に気づいてくれる人を人間の本能として探してしまうのかもしれない。


人は誰かに認められたいとか、分かってもらいたいと思うはずだ。


そう考えると、少なからず気づいているのだから無下にしてはいけないのだろうと思う。


でも、日中外で誰にも見えない人と会話をしていたとしたら、誰でも驚くはずだ。

生活に支障をきたすのは当然の話しだ。


その昔、私達はみんなが見えているものだと思っていた。

壁に向かって話してる光景を叔母さんが目撃して、何かの遊びだと思ったけれどそれが連日続いて慌てたと前に叔母さんから聞いた時にはそれはそうだと理解出来た。


けれど、私達姉妹には当たり前のことで寧ろ何故見えないのかが不思議だったのだ。


次から次へと声を掛けられ、その人達が聞いたこともない難しい言葉を使ってきた時は叔母さんに聞いて叔母さんの言葉を伝えた時もあった。


私達が知る由もない様々な方言なども伝えているうちに叔母さんも信じてくれたのもあると思う。


「外では知らない人達とは絶対に話してはだめ」

その意味は小学生になっていた私は気付いていた。

普通の子とは違うのだと。

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