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嬉し涙と挑戦
しおりを挟む「あ、そうそう。お姉ちゃん、お願いがあるの。」
妹の望みなら頼まれなくとも私は聞き入れるだろう。
「なに?どんなお願い?」
「あのね、彼氏が出来たって言ったじゃない?
その彼がお兄ちゃんと喧嘩したらしいの、そのまま彼は事故で亡くなったのね。
それで………彼はお兄ちゃんの事が好きだったから後悔してんのよ。
実は事故後に明るくて優しかったお兄ちゃんも塞ぎがちになってるみたいで、それを見て彼もまた落ち込んでて……隣にいるんだけど。」
妹が恋愛をしたのは初めてじゃない。
でも、妹の恋愛はさっぱりしていて、
こんなにも「彼」と口にすることは今までになかった。
妹が本当に好きな人を見つけたのだろうか。
私は少し嫉妬しながらも、嬉しかった。
妹が幸せなら私は幸せなのだ。
「うん、それで?え、もしかして」
「そう。そのもしかして。
私とさお姉ちゃんは仲良くやってきたけど、もしもだけど喧嘩別れとか辛いよ。
ましてや、もう直接は会えないんだもん。
それにね、彼氏いない歴かれこれのお姉ちゃん……あ、いうのやめた。」
「なによ?喧嘩うってんの?」
その後に続く言葉はなんだ?
彼氏のいる私の気持ちがわかるかみたいなこと?
そんな事をいうはずはないだろう。
まぁいいか……
「違う違う、ふくれないで。
ということで、彼のお兄ちゃんに会って伝えて欲しいの。
お兄ちゃんに謝りたい気持ちがあること、
何よりも元気でいてほしいって。
人助けと妹の頼みと思ってお願い!」
妹の声が真剣だった。
でも、躊躇していた。
「え~人にこの能力がばれないようにって、叔母さんにも言われてたじゃん。美香子だってわかるでしょ。」
「もちろん。変な人と見られる事も、信じてくれる人ばかりじゃないということも。
私達、そういう経験もあったね。
でも、彼のお兄ちゃんなら大丈夫。
理解してくれる、絶対。
そして、お姉ちゃんの腕次第かなぁ。」
「腕次第って、腕なんかあるわけないでしょ。」
「実は彼とお兄ちゃん結構似てるから、お姉ちゃんに彼氏のイメージをつかんで頂けたら…ハハハ」
「それは興味あるわ。私の可愛い妹が好きな人を。
だけど……うーん、まぁ、やるだけやってみる。それでいい?」
「お願いします。もちろんサポートもします。彼しか知らない話とか言えば信じてもらえるだろうし」
「わかった。そして、事前に彼の情報を教えておいて。お兄ちゃんのこともね。電話長くなって疲れたでしょ?」
「そしたら、確認しておくね。
さすが、お姉ちゃん、ありがとう。
そうまだこのコンタクト方法慣れなくて疲れるの。
また連絡するね。
お姉ちゃん、大好きだよ」
こみ上げてくる感情で泣きそうになったけれど、おさえた。
笑顔でいよう。
「ゆっくり休んで、最後の別れみたいな言い方やめてよ。」
「照れてるくせにー。
じゃあね、おやすみ。
ちゃんと食べて寝るんだよ。」
「はーい、おやすみー」
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