運命の人

noraneko

文字の大きさ
7 / 8

嬉し涙と挑戦

しおりを挟む

「あ、そうそう。お姉ちゃん、お願いがあるの。」


妹の望みなら頼まれなくとも私は聞き入れるだろう。


「なに?どんなお願い?」


「あのね、彼氏が出来たって言ったじゃない?
その彼がお兄ちゃんと喧嘩したらしいの、そのまま彼は事故で亡くなったのね。

それで………彼はお兄ちゃんの事が好きだったから後悔してんのよ。

実は事故後に明るくて優しかったお兄ちゃんも塞ぎがちになってるみたいで、それを見て彼もまた落ち込んでて……隣にいるんだけど。」


妹が恋愛をしたのは初めてじゃない。

でも、妹の恋愛はさっぱりしていて、
こんなにも「彼」と口にすることは今までになかった。


妹が本当に好きな人を見つけたのだろうか。
私は少し嫉妬しながらも、嬉しかった。
妹が幸せなら私は幸せなのだ。


「うん、それで?え、もしかして」


「そう。そのもしかして。
私とさお姉ちゃんは仲良くやってきたけど、もしもだけど喧嘩別れとか辛いよ。

ましてや、もう直接は会えないんだもん。
それにね、彼氏いない歴かれこれのお姉ちゃん……あ、いうのやめた。」


「なによ?喧嘩うってんの?」


その後に続く言葉はなんだ?
彼氏のいる私の気持ちがわかるかみたいなこと?
そんな事をいうはずはないだろう。
まぁいいか……


「違う違う、ふくれないで。
ということで、彼のお兄ちゃんに会って伝えて欲しいの。

お兄ちゃんに謝りたい気持ちがあること、
何よりも元気でいてほしいって。

人助けと妹の頼みと思ってお願い!」


妹の声が真剣だった。
でも、躊躇していた。


「え~人にこの能力がばれないようにって、叔母さんにも言われてたじゃん。美香子だってわかるでしょ。」


「もちろん。変な人と見られる事も、信じてくれる人ばかりじゃないということも。

私達、そういう経験もあったね。
でも、彼のお兄ちゃんなら大丈夫。
理解してくれる、絶対。
そして、お姉ちゃんの腕次第かなぁ。」


「腕次第って、腕なんかあるわけないでしょ。」


「実は彼とお兄ちゃん結構似てるから、お姉ちゃんに彼氏のイメージをつかんで頂けたら…ハハハ」


「それは興味あるわ。私の可愛い妹が好きな人を。
だけど……うーん、まぁ、やるだけやってみる。それでいい?」


「お願いします。もちろんサポートもします。彼しか知らない話とか言えば信じてもらえるだろうし」


「わかった。そして、事前に彼の情報を教えておいて。お兄ちゃんのこともね。電話長くなって疲れたでしょ?」


「そしたら、確認しておくね。
さすが、お姉ちゃん、ありがとう。
そうまだこのコンタクト方法慣れなくて疲れるの。
また連絡するね。
お姉ちゃん、大好きだよ」


こみ上げてくる感情で泣きそうになったけれど、おさえた。
笑顔でいよう。


「ゆっくり休んで、最後の別れみたいな言い方やめてよ。」


「照れてるくせにー。
じゃあね、おやすみ。
ちゃんと食べて寝るんだよ。」


「はーい、おやすみー」

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

僕は君を思うと吐き気がする

月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。

許すかどうかは、あなたたちが決めることじゃない。ましてや、わざとやったことをそう簡単に許すわけがないでしょう?

珠宮さくら
恋愛
婚約者を我がものにしようとした義妹と義母の策略によって、薬品で顔の半分が酷く爛れてしまったスクレピア。 それを知って見舞いに来るどころか、婚約を白紙にして義妹と婚約をかわした元婚約者と何もしてくれなかった父親、全員に復讐しようと心に誓う。 ※全3話。

王様の恥かきっ娘

青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。 本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。 孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます 物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります これもショートショートで書く予定です。

あなたのためなら

天海月
恋愛
エルランド国の王であるセルヴィスは、禁忌魔術を使って偽の番を騙った女レクシアと婚約したが、嘘は露見し婚約破棄後に彼女は処刑となった。 その後、セルヴィスの真の番だという侯爵令嬢アメリアが現れ、二人は婚姻を結んだ。 アメリアは心からセルヴィスを愛し、彼からの愛を求めた。 しかし、今のセルヴィスは彼女に愛を返すことが出来なくなっていた。 理由も分からないアメリアは、セルヴィスが愛してくれないのは自分の行いが悪いからに違いないと自らを責めはじめ、次第に歯車が狂っていく。 全ては偽の番に過度のショックを受けたセルヴィスが、衝動的に行ってしまった或ることが原因だった・・・。

【完結】番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。

貴方の側にずっと

麻実
恋愛
夫の不倫をきっかけに、妻は自分の気持ちと向き合うことになる。 本当に好きな人に逢えた時・・・

【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~

山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」 母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。 愛人宅に住み屋敷に帰らない父。 生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。 私には母の言葉が理解出来なかった。

没落貴族とバカにしますが、実は私、王族の者でして。

亜綺羅もも
恋愛
ティファ・レーベルリンは没落貴族と学園の友人たちから毎日イジメられていた。 しかし皆は知らないのだ ティファが、ロードサファルの王女だとは。 そんなティファはキラ・ファンタムに惹かれていき、そして自分の正体をキラに明かすのであったが……

処理中です...