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名古屋軍縮会議・前話
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1942年秋、一部では霜も降り、紅葉が散り始めた頃の話である。支那事変、第二次シベリア遠征と続いた諸戦役もようやく終わりが見え始め、講和会議も整ったことにより連合艦隊は3年以内を目標に解散を宣言する運びとなった。当然、それは動員を解くための準備運動であるのだが、大政翼賛会も解散となったこともあって、割とスムーズに進むかと思われた。
そして、その予想は、少なくとも年内の動員解除命令においては、完全に想定通りの、否、想定よりもスムーズに事は運んだ。
もちろんそれは、大日本帝国が突然戦後のような平和主義に目覚めたわけでもなければ、負けた結果誰かに強制されたものではない。元々軍隊とは、貼り付けるだけでも、維持するだけでも費用のかかるものなのだ。それでも、徴兵制国家であれば国民の義務として比較的維持費用は抑えられる。
だが、大日本帝国は先帝祭、つまりは先帝の崩御した日を偲ぶ日に、おそらくは当初、同日がクリスマスである欧米列強へのリップサービス的なものではあろうが、諸外国にある条件と引き換えに軍縮会議の参加を提唱し始めた。当初は、最早戦争による解決時期が終わったのだからというアピールに過ぎないはずのそれは、にわかに現実味を帯び始める……。
当初その軍縮会議は、アメリカ合衆国の軍事力を縛り付けるために行われると思われており、そこまで露骨ではないにしても、日英同盟復活をはじめ、ソビエト崩壊による共産主義者の世界革命計画の判明や、ルーズベルトなどの各国の大統領・首相経験者やそのシンクタンクなどがそのスパイであったこと、他にも様々な世界情勢を加味し、結果としてそれに総決算を確定するための軍縮会議は、名古屋で行われることが確定した。
……そして、運命の1943年が訪れる。この年をはじめとして、日本列島は4年連続の震災という苦難が待ち受けているのだが、それを知る者は、まだ誰も居ない。
そして、その予想は、少なくとも年内の動員解除命令においては、完全に想定通りの、否、想定よりもスムーズに事は運んだ。
もちろんそれは、大日本帝国が突然戦後のような平和主義に目覚めたわけでもなければ、負けた結果誰かに強制されたものではない。元々軍隊とは、貼り付けるだけでも、維持するだけでも費用のかかるものなのだ。それでも、徴兵制国家であれば国民の義務として比較的維持費用は抑えられる。
だが、大日本帝国は先帝祭、つまりは先帝の崩御した日を偲ぶ日に、おそらくは当初、同日がクリスマスである欧米列強へのリップサービス的なものではあろうが、諸外国にある条件と引き換えに軍縮会議の参加を提唱し始めた。当初は、最早戦争による解決時期が終わったのだからというアピールに過ぎないはずのそれは、にわかに現実味を帯び始める……。
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……そして、運命の1943年が訪れる。この年をはじめとして、日本列島は4年連続の震災という苦難が待ち受けているのだが、それを知る者は、まだ誰も居ない。
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