36 / 52
以下、下書き中原稿
カナンの地、ジョージアに在り1941/7/10
しおりを挟む
1941年年度初め、ある画期的な軍縮条約が発布された。その内容は以下の通り。
・日米英独仏伊はそれぞれ5:5:5:3:4:2の軍事力を以て列強として取り扱う
・ロシアを初めとしたそれ以外の国家は、原則公使へとランクを落とすものとする
・尚、軍事力を測る物差しは軍事予算と兵隊の頭数であり、六カ国は軍事技術を合同で保有するものとする
・軍事力1点の計算基準は、後に条約合議で取り決める
・列強諸国は、植民地の保有を禁じる(ただし、国防上やむを得ぬ場合および公使国が覇権を取ろうとした場合への措置はその限りではない)
・列強六カ国は国際連盟協同軍をその割合予算分割り当て、国際平和のための協同軍事組織を作り上げるものとする
・今後、特に指定が無い場合、国連欧州本部はイスタンブール、国連アジア本部は新京とする
これの何が画期的なのか判らないと言う方もいるかもしれないが、これは事実上アメリカ合衆国の軍事力を縛り付ける行為であった。だが、発案者はなんとアメリカ合衆国であった。フーバーは本気で国際平和のための軍縮条約を作るつもりだったのか、あるいは進捗著しいドイツ第三帝国を警戒してのものだったのか、それとも日本が対英米7割のことを考えていたことを考慮してか、その点においては大幅譲歩したものであった。
だが、フーバーのこの配慮は後に思いも寄らぬ福音を生むことになる……。
ソビエト連邦が解体処分となったのは記憶に新しいが、その結果このシベリアの地には大小様々な泡沫国家が発生した。その中でも特徴的なのが、旧グルジアに出来た通称は「カナン共和国」である。名前の由来は言うまでも無い、ユダヤ人国家はそこにすると国連協議の結果決まったようだ。
無論、そこはパレスチナではない以上、不服を唱えるユダヤ人も存在したが、まずは現状から比べたら大いなる前進であるが故に、多くのユダヤ人はそれに歓喜した。では、なぜグルジアが選ばれたのか。それは……。
「ミスター・ホリ、この度はパレスチナ叛乱の解決に乗り出して頂き、ありがとうございます」
「いえいえ、日英同盟を堅持する以上、味方の基地で叛乱が起こっては困りますからな」
「しかし、なぜグルジアに?」
「……チェンバレン殿は「ハザール汗国」という国をご存じですか?」
「いえ、私は労働者階級なので故実には詳しくないのですよ」
「……そうですか。タタールの軛より遙か昔にカスピ海近辺で栄えたテュルク人の国家なのですがな、そこはユダヤ人国家だったらしいのですよ」
「ほう、それで」
「ええ。なればまあ、故実にうるさいユダヤ人もそれになら納得すると思いましてな」
「ははは、ミスター・ホリは詳しゅう御座いますな」
「いつも脳で思いつくのはこんなことばかりでしてな、偶には実務的な事も思いつかねば拙いのですが、今回はそれが偶々実を結んだようなもの。それに……」
「それに?」
「グルジアはあのヒゲの故郷ですからな、再びアカが現れんようにユダヤ人で封印するのも、悪いことでは無いでしょう」
……グルジアを初めとしたコーカサスの地には古代、ユダヤ人国家であるハザール汗国が存在していた。そして、グルジアは言うまでもなくヨシフ・ジュガシヴィッリの故郷である。そこを世界の嫌われ者であるユダヤ人が占拠する。それが、大日本帝国なりユダヤ人問題に対する答えであった。
・日米英独仏伊はそれぞれ5:5:5:3:4:2の軍事力を以て列強として取り扱う
・ロシアを初めとしたそれ以外の国家は、原則公使へとランクを落とすものとする
・尚、軍事力を測る物差しは軍事予算と兵隊の頭数であり、六カ国は軍事技術を合同で保有するものとする
・軍事力1点の計算基準は、後に条約合議で取り決める
・列強諸国は、植民地の保有を禁じる(ただし、国防上やむを得ぬ場合および公使国が覇権を取ろうとした場合への措置はその限りではない)
・列強六カ国は国際連盟協同軍をその割合予算分割り当て、国際平和のための協同軍事組織を作り上げるものとする
・今後、特に指定が無い場合、国連欧州本部はイスタンブール、国連アジア本部は新京とする
これの何が画期的なのか判らないと言う方もいるかもしれないが、これは事実上アメリカ合衆国の軍事力を縛り付ける行為であった。だが、発案者はなんとアメリカ合衆国であった。フーバーは本気で国際平和のための軍縮条約を作るつもりだったのか、あるいは進捗著しいドイツ第三帝国を警戒してのものだったのか、それとも日本が対英米7割のことを考えていたことを考慮してか、その点においては大幅譲歩したものであった。
だが、フーバーのこの配慮は後に思いも寄らぬ福音を生むことになる……。
ソビエト連邦が解体処分となったのは記憶に新しいが、その結果このシベリアの地には大小様々な泡沫国家が発生した。その中でも特徴的なのが、旧グルジアに出来た通称は「カナン共和国」である。名前の由来は言うまでも無い、ユダヤ人国家はそこにすると国連協議の結果決まったようだ。
無論、そこはパレスチナではない以上、不服を唱えるユダヤ人も存在したが、まずは現状から比べたら大いなる前進であるが故に、多くのユダヤ人はそれに歓喜した。では、なぜグルジアが選ばれたのか。それは……。
「ミスター・ホリ、この度はパレスチナ叛乱の解決に乗り出して頂き、ありがとうございます」
「いえいえ、日英同盟を堅持する以上、味方の基地で叛乱が起こっては困りますからな」
「しかし、なぜグルジアに?」
「……チェンバレン殿は「ハザール汗国」という国をご存じですか?」
「いえ、私は労働者階級なので故実には詳しくないのですよ」
「……そうですか。タタールの軛より遙か昔にカスピ海近辺で栄えたテュルク人の国家なのですがな、そこはユダヤ人国家だったらしいのですよ」
「ほう、それで」
「ええ。なればまあ、故実にうるさいユダヤ人もそれになら納得すると思いましてな」
「ははは、ミスター・ホリは詳しゅう御座いますな」
「いつも脳で思いつくのはこんなことばかりでしてな、偶には実務的な事も思いつかねば拙いのですが、今回はそれが偶々実を結んだようなもの。それに……」
「それに?」
「グルジアはあのヒゲの故郷ですからな、再びアカが現れんようにユダヤ人で封印するのも、悪いことでは無いでしょう」
……グルジアを初めとしたコーカサスの地には古代、ユダヤ人国家であるハザール汗国が存在していた。そして、グルジアは言うまでもなくヨシフ・ジュガシヴィッリの故郷である。そこを世界の嫌われ者であるユダヤ人が占拠する。それが、大日本帝国なりユダヤ人問題に対する答えであった。
1
あなたにおすすめの小説
If太平洋戦争 日本が懸命な判断をしていたら
みにみ
歴史・時代
もし、あの戦争で日本が異なる選択をしていたら?
国力の差を直視し、無謀な拡大を避け、戦略と外交で活路を開く。
真珠湾、ミッドウェー、ガダルカナル…そして終戦工作 分水嶺で下された「if」の決断。
破滅回避し、国家存続をかけたもう一つの終戦を描く架空戦記。
もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら
俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。
赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。
史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。
もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。
電子の帝国
Flight_kj
歴史・時代
少しだけ電子技術が早く技術が進歩した帝国はどのように戦うか
明治期の工業化が少し早く進展したおかげで、日本の電子技術や精密機械工業は順調に進歩した。世界規模の戦争に巻き込まれた日本は、そんな技術をもとにしてどんな戦いを繰り広げるのか? わずかに早くレーダーやコンピューターなどの電子機器が登場することにより、戦場の様相は大きく変わってゆく。
改大和型戦艦一番艦「若狭」抜錨す
みにみ
歴史・時代
史実の第二次世界大戦が起きず、各国は技術力を誇示するための
「第二次海軍休日」崩壊後の無制限建艦競争に突入した
航空機技術も発達したが、それ以上に電子射撃装置が劇的に進化。
航空攻撃を無力化する防御陣形が確立されたことで、海戦の決定打は再び「巨大な砲」へと回帰した。
そんな中⑤計画で建造された改大和型戦艦「若狭」 彼女が歩む太平洋の航跡は
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
幻の十一代将軍・徳川家基、死せず。長谷川平蔵、田沼意知、蝦夷へ往く。
克全
歴史・時代
西欧列強に不平等条約を強要され、内乱を誘発させられ、多くの富を収奪されたのが悔しい。
幕末の仮想戦記も考えましたが、徳川家基が健在で、田沼親子が権力を維持していれば、もっと余裕を持って、開国準備ができたと思う。
北海道・樺太・千島も日本の領地のままだっただろうし、多くの金銀が国外に流出することもなかったと思う。
清国と手を組むことも出来たかもしれないし、清国がロシアに強奪された、シベリアと沿海州を日本が手に入れる事が出来たかもしれない。
色々真剣に検討して、仮想の日本史を書いてみたい。
一橋治済の陰謀で毒を盛られた徳川家基であったが、奇跡的に一命をとりとめた。だが家基も父親の十代将軍:徳川家治も誰が毒を盛ったのかは分からなかった。家基は田沼意次を疑い、家治は疑心暗鬼に陥り田沼意次以外の家臣が信じられなくなった。そして歴史は大きく動くことになる。
印旛沼開拓は成功するのか?
蝦夷開拓は成功するのか?
オロシャとは戦争になるのか?
蝦夷・千島・樺太の領有は徳川家になるのか?
それともオロシャになるのか?
西洋帆船は導入されるのか?
幕府は開国に踏み切れるのか?
アイヌとの関係はどうなるのか?
幕府を裏切り異国と手を結ぶ藩は現れるのか?
対ソ戦、準備せよ!
湖灯
歴史・時代
1940年、遂に欧州で第二次世界大戦がはじまります。
前作『対米戦、準備せよ!』で、中国での戦いを避けることができ、米国とも良好な経済関係を築くことに成功した日本にもやがて暗い影が押し寄せてきます。
未来の日本から来たという柳生、結城の2人によって1944年のサイパン戦後から1934年の日本に戻った大本営の特例を受けた柏原少佐は再びこの日本の危機を回避させることができるのでしょうか!?
小説家になろうでは、前作『対米戦、準備せよ!』のタイトルのまま先行配信中です!
土方歳三ら、西南戦争に参戦す
山家
歴史・時代
榎本艦隊北上せず。
それによって、戊辰戦争の流れが変わり、五稜郭の戦いは起こらず、土方歳三は戊辰戦争の戦野を生き延びることになった。
生き延びた土方歳三は、北の大地に屯田兵として赴き、明治初期を生き抜く。
また、五稜郭の戦い等で散った他の多くの男達も、史実と違えた人生を送ることになった。
そして、台湾出兵に土方歳三は赴いた後、西南戦争が勃発する。
土方歳三は屯田兵として、そして幕府歩兵隊の末裔といえる海兵隊の一員として、西南戦争に赴く。
そして、北の大地で再生された誠の旗を掲げる土方歳三の周囲には、かつての新選組の仲間、永倉新八、斎藤一、島田魁らが集い、共に戦おうとしており、他にも男達が集っていた。
(「小説家になろう」に投稿している「新選組、西南戦争へ」の加筆修正版です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる