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2.ハグしないと出られない部屋
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あの奇妙な夢を見た日から2週間が経過しようとしていた。
あれから桜庭とは何度か一緒に飲みに行ったりと特に変わった様子もなくいつも通りの日常を過ごしている。
しばらくはあの夢が忘れられなかったが、最近は日々の忙しさに追われて記憶の奥底に埋もれつつあった。
そんなある日の夜。
「あれ?ここって…」
いつものように眠りについた俺は再びあの真っ白な部屋で目が覚めた。
前回と同様、天蓋付きのベッドと扉、そして謎のホワイトボードしかない殺風景な空間だ。
また桜庭が居るのではないか、という淡い期待を抱きつつ、俺はベッドの膨らみへと視線を移した。
頭まですっぽり布団を被っているせいで顔は見えないが、黒い短髪が少しだけのぞいている。
「おーい。起きてますかー?こんばんはー……」
恐る恐る声をかけてみたものの、返事はない。
寝息に合わせて上下する小山を見て、一瞬躊躇したものの思い切って掛け布団を捲ってみた。
「あ」
そこには前回と同じ紺色のパジャマを着た桜庭が気持ち良さそうな表情を浮かべて眠っていた。
思わずごくりと唾を飲む。
やっぱり可愛い。
桜庭は決して美形に部類されるタイプではないのだが、むしろこの素朴さが俺の好みにどストライクだった。
しかしこの桜庭はあくまで俺の記憶と妄想から生み出された存在であって本物ではない。
我ながら再現度は高いと思うが、所詮は紛い物なのだ。
それならいっそ欲望のままに行動してみてもいいのではなかろうか。
そんな邪な考えが頭をよぎり、そろりと手を伸ばしかけたところでハッとした。
「危ねぇ……」
いくら夢とは言え、眠っている同僚を襲うのは人としてダメだろう。
俺だってそこまで落ちぶれてはいない。
「ん……山吹?」
「あ、おはよ」
桜庭は少しの間ぼうっとしていたが、やがて俺の存在を認識するとゆっくりと上半身を起こした。
寝起きのせいなのか、それともこの部屋が特殊なのか、いつもよりぼんやりとしている桜庭が可愛くて思わず笑みが溢れる。
「なんか…前もこんな夢見たような…」
ゆっくりとあたりを見回した桜庭はぽつりと呟いた。
「ああ。確か前回は手を繋がないと……あれ?」
何気なく扉の方へ視線を移すと、いつの間にかホワイトボードには文字が浮かび上がっていた。
【ハグしないと出られない部屋】
「は、ぐ……」
予想外の展開に思考回路が停止する。
この前は手を繋ぐだけだったのにどうして今回は若干ハードルが上がっているのか。
やはり俺の願望を反映しているのか?
突然現れた謎の指令に戸惑う俺とは対照的に桜庭は呆れた様子で口を開いた。
「誰が得すんだよこれ」
主に俺が得します。
とは勿論言えないので俺も適当に同調する事にした。
「あはは確かに。あー、どうせなら好きな女優とかアイドルが相手だったらなぁ」
「俺だって別に男同士で抱き合う趣味なんかねーよ」
その言葉にチクリと胸が痛む。
自分で言い出しといてなんだが、やっぱり桜庭は異性愛者なのだ。
そんな当たり前の事を再認識させられてしまい俺は自嘲気味な笑みを浮かべる事しかできなかった。
「ほんとに開かねーのかな。あの扉」
桜庭はおもむろにベッドから降りると、そのまま扉の方へ歩いていきドアノブに手をかけた。
そしてしばらくガチャガチャとドアノブを捻ったり蹴りを入れてみたりと扉と格闘していたが一向に開く様子はなかった。
「くそ。ダメだわ」
その言葉にホッとしている自分に気づいて嫌気がさす。
「そ、そりゃ困ったなぁ」
俺はわざとらしく呟きながら天井を見上げた。
正直、できることなら桜庭を抱きしめたい。
しかしここで欲望のままに行動してもし拒絶されてしまったら、夢の中とはいえ立ち直れそうにないのだ。
そんな事を考えているうちに桜庭が俺の隣に腰掛けてきた。
ベッドが沈み込み二人分の体重でマットレスが軋む音が響く。
「でもま、しゃーないな。出る為だし」
そう言うと桜庭はベッドの上で胡座をかいて両手を広げた。
「えっと、」
好きな男が自分に向かって両手を広げているという状況に緊張しないわけがない。
心臓の鼓動が速くなっていくのがわかる。
「俺が相手で嫌なのは分かるけど今だけ我慢してくれ。ほれ、早く来いよ」
同性とのハグを俺が渋っていると思ったのか、桜庭は急かすように俺の腕を掴んだ。
そして強引に引き寄せると俺の身体をぎゅっと抱きしめた。
途端に鼻腔いっぱいに広がる桜庭の匂い。
俺は恐る恐る桜庭の背中に腕を回し、ぎゅうっと力を込める。
これが現実だったらどんなに良かっただろう。
そんなことを考えつつ、桜庭にバレないように彼の肩口で深呼吸を繰り返した。
夢の中だというのに匂いまで再現度が高すぎる。
まるで本物の桜庭を抱き締めているような錯覚に陥った。
静かな空間に衣擦れの音と互いの息遣いだけが響く。
「……こ、これで出られるはず、だよな」
無言に耐えきれず、そう口にすると桜庭はこくりと小さく首を縦に振った。
「じゃなきゃ困る。明日も仕事なのに」
「あはは。桜庭はそればっかだなぁ」
「悪いかよ」
「悪く無いよ。俺は桜庭の真面目なとこ好きだし」
思わず本音を口にしてしまった。
俺は慌てて口をつぐんだが、当の本人は特に驚いた様子もなく「ふーん」と興味なさげに呟いただけだった。
そりゃそうか。
ただの同僚、しかも同性から「好き」だなんて言われてもただの社交辞令にしか聞こえないだろう。
「あー早く出たいな」
桜庭が独り言のように呟く。
「なんだよそれ~!俺とのハグは不満なのか~」
俺はわざと拗ねたような口調で桜庭を強く抱きしめた。
そしてぐりぐりと頭を擦り付けると、耳元から「うぜぇ」と笑い声が聞こえた。
「……あ、そういや俺。この前久しぶりに寝坊してさ。初めて仕事に遅刻しかけたんだよな」
俺は話題を切り替えるように先日の失態について語り始めた。
「山吹が?珍しいな」
「あの時はまじで焦ったわ~」
確かあれは初めてこの部屋の夢を見た日の朝だったはずだ。
あの時は疲れが溜まっていたせいでアラームが聞こえなかっただけかと深く考えなかったが、今思えばこの夢が原因のような気もする。
夢の世界が幸せすぎて、現実の生活に支障をきたしていたとはなんとも情けない話だ。
「どうせ夜更かしでもしてたんだろ」
「ひでえ~!てか桜庭こそ最近遅刻しかけた事無かったか?確かひと月くらい前ー…」
そう言いかけたところで扉の方からガチャリと音がした。
「開いた?」
桜庭は慌てて俺から離れると扉の方へと駆け寄っていった。
まだ腕の中に残る桜庭の温もりが名残惜しかったが俺も駆け足でその後を追う。
ドアノブに手をかけながら振り向いた彼は少し照れたような表情で口を開いた。
「ありがとな」
その瞬間、意識が浮上していく感覚に襲われた。
まだ目覚めたくないのに強制的に覚醒させられるような不快感。
やがて視界に光が差していき、ぼんやりとしていた輪郭がはっきりとしてきた。
「……またあの夢?」
俺はしばらく呆然と天井を眺めていたが、やがて大きなため息をついて起き上がった。
まさか二度も似たような夢を見る事ができるなんて思わなかった。
まだ桜庭の匂いが残っているような錯覚に陥った俺は自身のスウェットの襟口を顔に近づけて思い切り匂いを吸い込んだ。
当然自分の体臭と柔軟剤の香りしかしない。
「……何やってんだ俺」
現実世界では桜庭とあんなに密着できる機会など今後一生訪れないだろうと思うと、もう一度だけでもいいから同じ夢を見たいと願わずにはいられなかった。
あれから桜庭とは何度か一緒に飲みに行ったりと特に変わった様子もなくいつも通りの日常を過ごしている。
しばらくはあの夢が忘れられなかったが、最近は日々の忙しさに追われて記憶の奥底に埋もれつつあった。
そんなある日の夜。
「あれ?ここって…」
いつものように眠りについた俺は再びあの真っ白な部屋で目が覚めた。
前回と同様、天蓋付きのベッドと扉、そして謎のホワイトボードしかない殺風景な空間だ。
また桜庭が居るのではないか、という淡い期待を抱きつつ、俺はベッドの膨らみへと視線を移した。
頭まですっぽり布団を被っているせいで顔は見えないが、黒い短髪が少しだけのぞいている。
「おーい。起きてますかー?こんばんはー……」
恐る恐る声をかけてみたものの、返事はない。
寝息に合わせて上下する小山を見て、一瞬躊躇したものの思い切って掛け布団を捲ってみた。
「あ」
そこには前回と同じ紺色のパジャマを着た桜庭が気持ち良さそうな表情を浮かべて眠っていた。
思わずごくりと唾を飲む。
やっぱり可愛い。
桜庭は決して美形に部類されるタイプではないのだが、むしろこの素朴さが俺の好みにどストライクだった。
しかしこの桜庭はあくまで俺の記憶と妄想から生み出された存在であって本物ではない。
我ながら再現度は高いと思うが、所詮は紛い物なのだ。
それならいっそ欲望のままに行動してみてもいいのではなかろうか。
そんな邪な考えが頭をよぎり、そろりと手を伸ばしかけたところでハッとした。
「危ねぇ……」
いくら夢とは言え、眠っている同僚を襲うのは人としてダメだろう。
俺だってそこまで落ちぶれてはいない。
「ん……山吹?」
「あ、おはよ」
桜庭は少しの間ぼうっとしていたが、やがて俺の存在を認識するとゆっくりと上半身を起こした。
寝起きのせいなのか、それともこの部屋が特殊なのか、いつもよりぼんやりとしている桜庭が可愛くて思わず笑みが溢れる。
「なんか…前もこんな夢見たような…」
ゆっくりとあたりを見回した桜庭はぽつりと呟いた。
「ああ。確か前回は手を繋がないと……あれ?」
何気なく扉の方へ視線を移すと、いつの間にかホワイトボードには文字が浮かび上がっていた。
【ハグしないと出られない部屋】
「は、ぐ……」
予想外の展開に思考回路が停止する。
この前は手を繋ぐだけだったのにどうして今回は若干ハードルが上がっているのか。
やはり俺の願望を反映しているのか?
突然現れた謎の指令に戸惑う俺とは対照的に桜庭は呆れた様子で口を開いた。
「誰が得すんだよこれ」
主に俺が得します。
とは勿論言えないので俺も適当に同調する事にした。
「あはは確かに。あー、どうせなら好きな女優とかアイドルが相手だったらなぁ」
「俺だって別に男同士で抱き合う趣味なんかねーよ」
その言葉にチクリと胸が痛む。
自分で言い出しといてなんだが、やっぱり桜庭は異性愛者なのだ。
そんな当たり前の事を再認識させられてしまい俺は自嘲気味な笑みを浮かべる事しかできなかった。
「ほんとに開かねーのかな。あの扉」
桜庭はおもむろにベッドから降りると、そのまま扉の方へ歩いていきドアノブに手をかけた。
そしてしばらくガチャガチャとドアノブを捻ったり蹴りを入れてみたりと扉と格闘していたが一向に開く様子はなかった。
「くそ。ダメだわ」
その言葉にホッとしている自分に気づいて嫌気がさす。
「そ、そりゃ困ったなぁ」
俺はわざとらしく呟きながら天井を見上げた。
正直、できることなら桜庭を抱きしめたい。
しかしここで欲望のままに行動してもし拒絶されてしまったら、夢の中とはいえ立ち直れそうにないのだ。
そんな事を考えているうちに桜庭が俺の隣に腰掛けてきた。
ベッドが沈み込み二人分の体重でマットレスが軋む音が響く。
「でもま、しゃーないな。出る為だし」
そう言うと桜庭はベッドの上で胡座をかいて両手を広げた。
「えっと、」
好きな男が自分に向かって両手を広げているという状況に緊張しないわけがない。
心臓の鼓動が速くなっていくのがわかる。
「俺が相手で嫌なのは分かるけど今だけ我慢してくれ。ほれ、早く来いよ」
同性とのハグを俺が渋っていると思ったのか、桜庭は急かすように俺の腕を掴んだ。
そして強引に引き寄せると俺の身体をぎゅっと抱きしめた。
途端に鼻腔いっぱいに広がる桜庭の匂い。
俺は恐る恐る桜庭の背中に腕を回し、ぎゅうっと力を込める。
これが現実だったらどんなに良かっただろう。
そんなことを考えつつ、桜庭にバレないように彼の肩口で深呼吸を繰り返した。
夢の中だというのに匂いまで再現度が高すぎる。
まるで本物の桜庭を抱き締めているような錯覚に陥った。
静かな空間に衣擦れの音と互いの息遣いだけが響く。
「……こ、これで出られるはず、だよな」
無言に耐えきれず、そう口にすると桜庭はこくりと小さく首を縦に振った。
「じゃなきゃ困る。明日も仕事なのに」
「あはは。桜庭はそればっかだなぁ」
「悪いかよ」
「悪く無いよ。俺は桜庭の真面目なとこ好きだし」
思わず本音を口にしてしまった。
俺は慌てて口をつぐんだが、当の本人は特に驚いた様子もなく「ふーん」と興味なさげに呟いただけだった。
そりゃそうか。
ただの同僚、しかも同性から「好き」だなんて言われてもただの社交辞令にしか聞こえないだろう。
「あー早く出たいな」
桜庭が独り言のように呟く。
「なんだよそれ~!俺とのハグは不満なのか~」
俺はわざと拗ねたような口調で桜庭を強く抱きしめた。
そしてぐりぐりと頭を擦り付けると、耳元から「うぜぇ」と笑い声が聞こえた。
「……あ、そういや俺。この前久しぶりに寝坊してさ。初めて仕事に遅刻しかけたんだよな」
俺は話題を切り替えるように先日の失態について語り始めた。
「山吹が?珍しいな」
「あの時はまじで焦ったわ~」
確かあれは初めてこの部屋の夢を見た日の朝だったはずだ。
あの時は疲れが溜まっていたせいでアラームが聞こえなかっただけかと深く考えなかったが、今思えばこの夢が原因のような気もする。
夢の世界が幸せすぎて、現実の生活に支障をきたしていたとはなんとも情けない話だ。
「どうせ夜更かしでもしてたんだろ」
「ひでえ~!てか桜庭こそ最近遅刻しかけた事無かったか?確かひと月くらい前ー…」
そう言いかけたところで扉の方からガチャリと音がした。
「開いた?」
桜庭は慌てて俺から離れると扉の方へと駆け寄っていった。
まだ腕の中に残る桜庭の温もりが名残惜しかったが俺も駆け足でその後を追う。
ドアノブに手をかけながら振り向いた彼は少し照れたような表情で口を開いた。
「ありがとな」
その瞬間、意識が浮上していく感覚に襲われた。
まだ目覚めたくないのに強制的に覚醒させられるような不快感。
やがて視界に光が差していき、ぼんやりとしていた輪郭がはっきりとしてきた。
「……またあの夢?」
俺はしばらく呆然と天井を眺めていたが、やがて大きなため息をついて起き上がった。
まさか二度も似たような夢を見る事ができるなんて思わなかった。
まだ桜庭の匂いが残っているような錯覚に陥った俺は自身のスウェットの襟口を顔に近づけて思い切り匂いを吸い込んだ。
当然自分の体臭と柔軟剤の香りしかしない。
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