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出会い
12話
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リリーは肩に担がれながら森の中を彷徨っていた。狐獣人の男は最初の方こそ余裕そうに森の中を駆け抜けていたが、奥深くに行くほど魔物たちが増えていき見つからないようにゆっくりと森の中を進んでいた。
「クソっ、なんでこんなに魔物が多いんだよ!」
男には最初の方にあった余裕は既になく、どうこの森を切り抜けられるかを考えていた。
「ちょっと!あなたこの森を抜けて来たんでしょ?どうしてそんなに焦ってるのよ。」
リリーは担がれながら男の耳元で叫ぶが口を手で塞がれる。
「ちょっと黙ってて。大きい声を出すと魔物が寄ってくるから。なんだってこんなに魔物が出てくるんだよ。いつもみたいに帝国に引き渡して報酬を貰うだけだったのに。」
男はブツブツと呟いていたが、ふとリリーの腕から血が出ているのに気がついた。
「ねえ、その腕いつから?」
リリーは男に指摘され腕を見ると木に引っ掛けたのか少量だか血が流れ出ていた。
そういえば何かにぶつかったような気がしたが、そんな事よりも森の奥へ入っていく恐怖の方が大きくリリーは怪我に気がついていなかった。
男はまずいことになったと言いリリーをその場に下ろした。
「ごめんねお嬢ちゃん。ここまで連れて来ておいて申し訳ないんだけどここでお別れだね。」
男はリリーに謝るとすぐにこの場から離れようとした。
「どうして!この傷がなんだって言うのよ!」
リリーが叫ぶと男はふり返り
「お嬢ちゃん血が出てるでしょ?血の匂いで魔物が集まってきちゃってる。このままじゃ魔物を引き連れながら森を抜けることになってしまうんだ。お嬢ちゃん抱えて魔物から逃げられるほど俺強くないからなあ。お嬢ちゃんには悪いけど僕が森を抜けるまで囮になっってね。運が良ければ助けが来るかもしれないよ。まあどっちにしろ帝国に連れていかれるよりマシだと思うから。ってことで僕行くね。死なないように頑張って!」
男はリリーを置いて去っていく。リリーは森の中に1人残され恐怖に襲われていた。先程までもいきなり男に捉えられ恐怖を感じていたが魔物すら見たことがないリリーにとって未知のこの森に取り残される恐怖の方が上回っていた。
この場に留まっている訳にはいかないと腕の傷を止血し元来た道を引き返そうと振り返ったそこにニタリと笑った木の魔物がリリーの前に立っていた。まずいと思った時にはもう遅く魔物の木の枝がリリーに伸びてきて足に巻きつかれた。なんとか解こうと必死に抵抗するがリリーの力では外すことができない。それでも諦めず抵抗を続けていると辺りが騒がしいことに気がつく。宙吊りにされながら辺りを見渡すと茂みの向こうから多くの魔物がこちらを除いているのが見えた。リリーはこの魔物から逃れられても茂みの向こうから覗いている沢山の魔物たちから逃げられるはずがないと抵抗するのをやめた。こちらが諦めたのがわかったのか木の魔物はリリーの体に枝をさらに巻き付け自身に取り込もうとしたとき、茂みから誰かが叫びながら飛び出してきた。
「俺の花嫁に何をしている!!!!」
リリーはその声を聞いたのを最後に意識を失った。
「クソっ、なんでこんなに魔物が多いんだよ!」
男には最初の方にあった余裕は既になく、どうこの森を切り抜けられるかを考えていた。
「ちょっと!あなたこの森を抜けて来たんでしょ?どうしてそんなに焦ってるのよ。」
リリーは担がれながら男の耳元で叫ぶが口を手で塞がれる。
「ちょっと黙ってて。大きい声を出すと魔物が寄ってくるから。なんだってこんなに魔物が出てくるんだよ。いつもみたいに帝国に引き渡して報酬を貰うだけだったのに。」
男はブツブツと呟いていたが、ふとリリーの腕から血が出ているのに気がついた。
「ねえ、その腕いつから?」
リリーは男に指摘され腕を見ると木に引っ掛けたのか少量だか血が流れ出ていた。
そういえば何かにぶつかったような気がしたが、そんな事よりも森の奥へ入っていく恐怖の方が大きくリリーは怪我に気がついていなかった。
男はまずいことになったと言いリリーをその場に下ろした。
「ごめんねお嬢ちゃん。ここまで連れて来ておいて申し訳ないんだけどここでお別れだね。」
男はリリーに謝るとすぐにこの場から離れようとした。
「どうして!この傷がなんだって言うのよ!」
リリーが叫ぶと男はふり返り
「お嬢ちゃん血が出てるでしょ?血の匂いで魔物が集まってきちゃってる。このままじゃ魔物を引き連れながら森を抜けることになってしまうんだ。お嬢ちゃん抱えて魔物から逃げられるほど俺強くないからなあ。お嬢ちゃんには悪いけど僕が森を抜けるまで囮になっってね。運が良ければ助けが来るかもしれないよ。まあどっちにしろ帝国に連れていかれるよりマシだと思うから。ってことで僕行くね。死なないように頑張って!」
男はリリーを置いて去っていく。リリーは森の中に1人残され恐怖に襲われていた。先程までもいきなり男に捉えられ恐怖を感じていたが魔物すら見たことがないリリーにとって未知のこの森に取り残される恐怖の方が上回っていた。
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「俺の花嫁に何をしている!!!!」
リリーはその声を聞いたのを最後に意識を失った。
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