声楽学園日記~女体化魔法少女の僕が劣等生男子の才能を開花させ、成り上がらせたら素敵な旦那様に!~

卯月らいな

文字の大きさ
16 / 100
アキラとエリーゼの出会い

さようなら女子の人格 こんにちは男子の人格

しおりを挟む
<アキラ視点>

入学式が終わって1週間過ぎたある晩、僕はエリーゼに呼び出された。

彼女は気合の入ったドレスを着て、何かのパーティーに参加するかのようだった。

「こんばんは」

フリルをひらりと見せつけるように揺らめかせる。

「どうしたの?改まって」

「ちょっとご挨拶をしようと思ってね」

「なんの?」

「ヒミツ」

指を唇の前に差し出した。

思わせぶりなことを言う。

「こうやって私が女の子してられるのも最後だなと思ってね。その記念」

そういうと、僕にそっと投げキッスをした。

「な、な、な、な、」

「私、生まれ変わるの!ばいばい!」

そう言って彼女は走り去っていった。

周囲からどんな風に見えているのかわからないが、きっと僕は赤い顔をしていたに違いなかった。

どういうことだろうか?

僕のことが好き?

愛の告白と言うことだろうか。

恋愛経験のない僕には彼女の考えていることがさっぱりとわからなかった。

次の朝、クラスの自分の席に向かうと先にエリーゼが座っていた。

いつもであれば、遅刻ギリギリにやってくるのに不思議である。

僕は、彼女の真意を知りたくて語り掛ける。

「あのさ……昨日のことだけどさ」

「はわわ。ごめんなさい。私、昨日までの記憶がないの!」

僕の右手を彼女が両手でぎゅっと握りしめて上目遣いでこちらを見つめる。

なにこのかわいいリアクション。

昨日まで、鋭い目つきだったのが心なしか垂れ目になったようにすら見える。

「昨日までの記憶がないってどういうこと?」

「私、自分がエリーゼ・モブルスだっていうことはわかるんですけど、入学してから今まで何をしてきたか記憶が欠落しているんです!どういういきさつであなたとペアになったか教えていただけますか?」

謎めいた行動の理由を知りたかったのに、彼女から謎をさらにぶつけられてしまった。

「ダメですか?」

かわいい泣き顔をぶつけられるとついつい仕方なく、入学式から思い出せる範囲で彼女が僕とペアを組んだ理由にはじまり、思い出せる限りの彼女の言動について話して、彼女は、それにうんうんとうなづいている。

なぜ、こうも一晩で彼女は急に魅力的な雰囲気を身に着けたのだろうか。

一通り説明を聞いた彼女はさらに謎めいたことを言い出す。

「なるほど。わかりました。昨日までの私は、退学になってしまうくらいに落ちぶれようと思って、わざとあなたと組んだのですね」

すごく失礼なことを言われている気がした。

「ごめんなさい!」

と。彼女は僕の表情の変化を読み取ったのか深く頭を下げた。

記憶を失っている間にやったことを謝罪している?

いったい何が彼女の身に起きているのだろうか。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

OLサラリーマン

廣瀬純七
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

処理中です...