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第九話
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美術室の引き戸は、想像していたよりもずっと軽やかに開いた。私が来るのを待っていたかのように。
中は、ひんやりとした空気が私を包む。絵の具と紙の匂い、それに古い木材の香りが、この部屋特有の懐かしい空間を作り出していた。昼間なら、大きな窓から差し込む陽射しで、明るく暖かな雰囲気に満たされているはずの場所。でも、今は、色を失った世界の一部として、全てが鉛のような重たい灰色に沈んでいる。
足音を殺して、室内を見回す。石膏像が並ぶ棚、使い古されたイーゼルが立てかけられた壁際。私の記憶通りの配置で、全てが静かに佇んでいた。
あった。
部屋の一番奥、窓際の陰になった場所に、一枚のキャンバスが壁に立てかけられているのを見つけた。他の道具類にまぎれて、忘れ去られた存在のように。でも、この色のない世界でも、そのキャンバスだけは、わずかに違って見えた。完全に色を失っているわけじゃない。薄っすらと、何かの痕跡が残っているような気がする。
私は、そっと近づいた。
そして、その絵を間近で見た瞬間、息が止まった。
そこには、確かに学校の風景が描かれていた。校庭らしき広い空間に、何人かの子供たちが集まっている。休み時間の、ありふれた、楽しそうな光景を描こうとしたものだった。でも、人物たちの顔は、どれも真っ白なまま。表情どころか、目も鼻も口も、何も描かれていない。のっぺらぼうの人形が並んでいるみたいに見えた。
そして、絵の全体は、悲しい白黒で塗りつぶされかけていた。絵を描いた人が、途中で全てをあきらめてしまったかのように。希望に満ちた明るい色で始まったはずの絵が、だんだんと灰色の絶望に飲み込まれていくような、痛々しい作品だった。
これが、影山くんの最後の絵なんだ。
彼が、本当は描きたかったもの。みんなと笑い合い、楽しく過ごす、温かい学校生活の絵。でも、描き切ることができなかった。途中で、『どうせ、誰にも分かってもらえない』という絶望に押し潰されて、筆を置いてしまったんだ。
その時、外から、ハヤトくんの叫び声が聞こえてきた。
「うおおおおっ! こっちだ、化け物!」
ドオオオン、という、地面がゆれるような轟音。きっと、あの巨大な『主』が、また何かを破壊したんだろう。三人は、まだ戦ってくれている。私のために、この瞬間を作ってくれている。
急がなきゃ。
でも、手が動かない。
私は、パレットを机の上に置き、三原色の絵の具のチューブを並べた。赤、黄、青。長い冒険の末に手に入れた、希望の色。でも、筆を握ろうとした瞬間、手が小刻みにゆれ始めた。
怖い。
今までで一番、怖かった。
これまでの戦いは、全部、仲間と一緒だった。ハヤトくんの勇気と、リコさんの知恵と、ケンタくんの技術に支えられて、どんな困難も乗り越えてこられた。でも、今は、私一人。この最後の瞬間は、私の力だけで乗り切らなければならない。
みんなの命が、かかっている。この世界に取り残された人たちの運命が、全部、私の手にかかっている。そんな重い責任を前にして、私なんかが、本当に大丈夫なんだろうか。
その時、また外から声が聞こえた。今度は、リコさんだった。
「高城くん、気をつけて! 左から回り込んでいます!」
そして、ケンタくんの、ふるえ声だけれど、必死な叫び。
「ぼくも、やるよ! みんなで、頑張ろう!」
三人とも、まだあきらめていない。私を信じて、戦い続けてくれている。
だったら、私も。
私は、ふるえる右手を、左手でしっかりと押さえた。そして、ゆっくりと、筆を握り直す。
大丈夫。私にしかできないことがある。今まで、ずっと一人で絵を描いてきた。誰にも見せることができなくて、でも、心の中では、いつも誰かに見てもらいたいと願いながら。その全ての想いを、今、この一枚の絵に込めるんだ。
私は、まず赤のチューブを開けた。燃えるような、生命力に満ちた赤色が、パレットの上に踊る。
影山くんが描けなかった、人物たちの表情。私が、代わりに描いてあげる。
筆先に赤を含ませて、一番手前にいる子の頬に、そっと色を乗せた。それから、黄色を少し混ぜて、温かい肌の色を作り出す。目の周りには、優しい茶色。そして、口元には、微笑みを表すための、薄い桃色。
一人、また一人と、のっぺらぼうだった人物たちに、生き生きとした表情が宿っていく。みんな、本当に楽しそうに笑っている。お互いを見つめ合って、何か面白い話をしているのかもしれない。それとも、一緒にゲームをしているのかもしれない。
次に、青のチューブを開ける。深く、静かな青色。これに、白を混ぜて、空の色を作った。雲ひとつない、澄み切った青空。きっと、気持ちのいい日だったんだろう。
そして、黄色。太陽の輝きを表すための、まぶしいくらいの黄色。校庭に降り注ぐ、暖かい日射しを、絵の全体に散りばめていく。明るさがあるところには、自然と影もできる。でも、その影さえも、冷たい灰色じゃなくて、紫がかった、優しい色で表現した。
絵を描いている間、外の音は、だんだん遠くに聞こえるようになった。私の意識は、全て、この一枚のキャンバスに集中していた。筆を動かすたびに、影山くんの心に、少しずつ色が戻っていくような気がする。
彼が、本当は見たかった世界。誰かと一緒に笑い合える、温かい居場所。それを、私の手で、完成させてあげるんだ。
校庭の緑も、建物の色も、子供たちの肌色も。一つ一つ、丁寧に、愛情を込めて塗り重ねていく。途中で何度も、涙で視界がぼやけそうになったけれど、私は止まらなかった。
最後に、絵の隅っこに、小さな花を描いた。誰も気づかないような場所に、ひっそりと咲く、小さな白い花。それは、影山くんのための、私からの小さなプレゼントだった。『あなたは、一人じゃありません』という、私の気持ちを込めて。
そして、ついに、最後のひと筆を置いた。
その瞬間。
キャンバスの表面が、水面のように、きらりと輝いた。
次の瞬間、絵の中から、七つの色に分かれた光が、まぶしいくらいに溢れ出してきた。赤、橙、黄、緑、青、藍、紫。虹のような、美しい光の帯が、絵を中心にして、部屋中に広がっていく。
美術室の全てが、その光に包まれた。机も、椅子も、石膏像も、全部が、本来の色を取り戻していく。茶色い木の机、青いプラスチックの椅子、白い石膏の彫刻。色が戻ってくる様子は、世界が息を吹き返すみたいだった。
光は、美術室の窓を通り抜けて、外へと広がっていく。校庭に、廊下に、全ての教室に。学校全体を、優しく包み込んでいく。
窓の外を見ると、あの巨大な『主』が、光の中で、苦しそうに身をよじっていた。でも、それは、痛みの苦しみじゃない。長い間、心に溜め込んでいた悲しみが、ようやく解放されることへの、安心の表現だった。
『主』の黒い体が、だんだんと薄くなっていく。そして、最後には、無数の光の粒子となって、空に舞い上がった。蛍の群れが空に帰っていくみたいに。静かで、美しい光景だった。
その光の粒子が、完全に消えてしまった時。
突然、私の耳に、たくさんの音が飛び込んできた。
「おはよう!」「おはよう!」
にぎやかな、生徒たちの声。机を動かす音、椅子を引く音、みんなが歩き回る足音。
そして、聞き慣れた声が、私のすぐ近くから聞こえてきた。
「おはよう、アヤちゃん!」
振り返ると、ケンタくんが、いつものように人懐っこい笑顔で手を振ってくれていた。その隣には、ハヤトくんとリコさんも、普通に立っている。
私たちは、いつの間にか、元の教室に戻っていた。
色とりどりの掲示物が壁に貼られ、みんなのカラフルな持ち物が机の上に置かれ、窓の外には青い空と緑の木々が見える。
全てが、元に戻っていた。
「ありがとう」
ハヤトくんが、小さな声で私に言った。その言葉で、あの出来事が、ただの夢じゃなかったことが分かった。他のクラスメイトたちは、何も覚えていないようだけれど、私たち四人だけは、しっかりと記憶を共有している。
「アヤさんのおかげで、みんな助かりました」
リコさんも、いつもの丁寧な口調だけれど、その目にはちゃんと、あの時の想いがあった。
「みんなが無事でよかった」
ケンタくんの言葉に、私たちは静かに頷き合った。
中は、ひんやりとした空気が私を包む。絵の具と紙の匂い、それに古い木材の香りが、この部屋特有の懐かしい空間を作り出していた。昼間なら、大きな窓から差し込む陽射しで、明るく暖かな雰囲気に満たされているはずの場所。でも、今は、色を失った世界の一部として、全てが鉛のような重たい灰色に沈んでいる。
足音を殺して、室内を見回す。石膏像が並ぶ棚、使い古されたイーゼルが立てかけられた壁際。私の記憶通りの配置で、全てが静かに佇んでいた。
あった。
部屋の一番奥、窓際の陰になった場所に、一枚のキャンバスが壁に立てかけられているのを見つけた。他の道具類にまぎれて、忘れ去られた存在のように。でも、この色のない世界でも、そのキャンバスだけは、わずかに違って見えた。完全に色を失っているわけじゃない。薄っすらと、何かの痕跡が残っているような気がする。
私は、そっと近づいた。
そして、その絵を間近で見た瞬間、息が止まった。
そこには、確かに学校の風景が描かれていた。校庭らしき広い空間に、何人かの子供たちが集まっている。休み時間の、ありふれた、楽しそうな光景を描こうとしたものだった。でも、人物たちの顔は、どれも真っ白なまま。表情どころか、目も鼻も口も、何も描かれていない。のっぺらぼうの人形が並んでいるみたいに見えた。
そして、絵の全体は、悲しい白黒で塗りつぶされかけていた。絵を描いた人が、途中で全てをあきらめてしまったかのように。希望に満ちた明るい色で始まったはずの絵が、だんだんと灰色の絶望に飲み込まれていくような、痛々しい作品だった。
これが、影山くんの最後の絵なんだ。
彼が、本当は描きたかったもの。みんなと笑い合い、楽しく過ごす、温かい学校生活の絵。でも、描き切ることができなかった。途中で、『どうせ、誰にも分かってもらえない』という絶望に押し潰されて、筆を置いてしまったんだ。
その時、外から、ハヤトくんの叫び声が聞こえてきた。
「うおおおおっ! こっちだ、化け物!」
ドオオオン、という、地面がゆれるような轟音。きっと、あの巨大な『主』が、また何かを破壊したんだろう。三人は、まだ戦ってくれている。私のために、この瞬間を作ってくれている。
急がなきゃ。
でも、手が動かない。
私は、パレットを机の上に置き、三原色の絵の具のチューブを並べた。赤、黄、青。長い冒険の末に手に入れた、希望の色。でも、筆を握ろうとした瞬間、手が小刻みにゆれ始めた。
怖い。
今までで一番、怖かった。
これまでの戦いは、全部、仲間と一緒だった。ハヤトくんの勇気と、リコさんの知恵と、ケンタくんの技術に支えられて、どんな困難も乗り越えてこられた。でも、今は、私一人。この最後の瞬間は、私の力だけで乗り切らなければならない。
みんなの命が、かかっている。この世界に取り残された人たちの運命が、全部、私の手にかかっている。そんな重い責任を前にして、私なんかが、本当に大丈夫なんだろうか。
その時、また外から声が聞こえた。今度は、リコさんだった。
「高城くん、気をつけて! 左から回り込んでいます!」
そして、ケンタくんの、ふるえ声だけれど、必死な叫び。
「ぼくも、やるよ! みんなで、頑張ろう!」
三人とも、まだあきらめていない。私を信じて、戦い続けてくれている。
だったら、私も。
私は、ふるえる右手を、左手でしっかりと押さえた。そして、ゆっくりと、筆を握り直す。
大丈夫。私にしかできないことがある。今まで、ずっと一人で絵を描いてきた。誰にも見せることができなくて、でも、心の中では、いつも誰かに見てもらいたいと願いながら。その全ての想いを、今、この一枚の絵に込めるんだ。
私は、まず赤のチューブを開けた。燃えるような、生命力に満ちた赤色が、パレットの上に踊る。
影山くんが描けなかった、人物たちの表情。私が、代わりに描いてあげる。
筆先に赤を含ませて、一番手前にいる子の頬に、そっと色を乗せた。それから、黄色を少し混ぜて、温かい肌の色を作り出す。目の周りには、優しい茶色。そして、口元には、微笑みを表すための、薄い桃色。
一人、また一人と、のっぺらぼうだった人物たちに、生き生きとした表情が宿っていく。みんな、本当に楽しそうに笑っている。お互いを見つめ合って、何か面白い話をしているのかもしれない。それとも、一緒にゲームをしているのかもしれない。
次に、青のチューブを開ける。深く、静かな青色。これに、白を混ぜて、空の色を作った。雲ひとつない、澄み切った青空。きっと、気持ちのいい日だったんだろう。
そして、黄色。太陽の輝きを表すための、まぶしいくらいの黄色。校庭に降り注ぐ、暖かい日射しを、絵の全体に散りばめていく。明るさがあるところには、自然と影もできる。でも、その影さえも、冷たい灰色じゃなくて、紫がかった、優しい色で表現した。
絵を描いている間、外の音は、だんだん遠くに聞こえるようになった。私の意識は、全て、この一枚のキャンバスに集中していた。筆を動かすたびに、影山くんの心に、少しずつ色が戻っていくような気がする。
彼が、本当は見たかった世界。誰かと一緒に笑い合える、温かい居場所。それを、私の手で、完成させてあげるんだ。
校庭の緑も、建物の色も、子供たちの肌色も。一つ一つ、丁寧に、愛情を込めて塗り重ねていく。途中で何度も、涙で視界がぼやけそうになったけれど、私は止まらなかった。
最後に、絵の隅っこに、小さな花を描いた。誰も気づかないような場所に、ひっそりと咲く、小さな白い花。それは、影山くんのための、私からの小さなプレゼントだった。『あなたは、一人じゃありません』という、私の気持ちを込めて。
そして、ついに、最後のひと筆を置いた。
その瞬間。
キャンバスの表面が、水面のように、きらりと輝いた。
次の瞬間、絵の中から、七つの色に分かれた光が、まぶしいくらいに溢れ出してきた。赤、橙、黄、緑、青、藍、紫。虹のような、美しい光の帯が、絵を中心にして、部屋中に広がっていく。
美術室の全てが、その光に包まれた。机も、椅子も、石膏像も、全部が、本来の色を取り戻していく。茶色い木の机、青いプラスチックの椅子、白い石膏の彫刻。色が戻ってくる様子は、世界が息を吹き返すみたいだった。
光は、美術室の窓を通り抜けて、外へと広がっていく。校庭に、廊下に、全ての教室に。学校全体を、優しく包み込んでいく。
窓の外を見ると、あの巨大な『主』が、光の中で、苦しそうに身をよじっていた。でも、それは、痛みの苦しみじゃない。長い間、心に溜め込んでいた悲しみが、ようやく解放されることへの、安心の表現だった。
『主』の黒い体が、だんだんと薄くなっていく。そして、最後には、無数の光の粒子となって、空に舞い上がった。蛍の群れが空に帰っていくみたいに。静かで、美しい光景だった。
その光の粒子が、完全に消えてしまった時。
突然、私の耳に、たくさんの音が飛び込んできた。
「おはよう!」「おはよう!」
にぎやかな、生徒たちの声。机を動かす音、椅子を引く音、みんなが歩き回る足音。
そして、聞き慣れた声が、私のすぐ近くから聞こえてきた。
「おはよう、アヤちゃん!」
振り返ると、ケンタくんが、いつものように人懐っこい笑顔で手を振ってくれていた。その隣には、ハヤトくんとリコさんも、普通に立っている。
私たちは、いつの間にか、元の教室に戻っていた。
色とりどりの掲示物が壁に貼られ、みんなのカラフルな持ち物が机の上に置かれ、窓の外には青い空と緑の木々が見える。
全てが、元に戻っていた。
「ありがとう」
ハヤトくんが、小さな声で私に言った。その言葉で、あの出来事が、ただの夢じゃなかったことが分かった。他のクラスメイトたちは、何も覚えていないようだけれど、私たち四人だけは、しっかりと記憶を共有している。
「アヤさんのおかげで、みんな助かりました」
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ケンタくんの言葉に、私たちは静かに頷き合った。
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