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第四話:天界への報告は、嘘でコーティングして
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ルーン魔法による強制的な原状回復を経て、俺の部屋は一応の平和を取り戻していた。
つい先ほどまで視界を埋め尽くしていた白い洗剤の泡の山も、床を彩っていた陶器の破片も、まるで悪い夢だったかのように消え去っている。物理的な痕跡は何一つ残っていない。
だが、俺の精神に刻まれた疲労感だけは、どんな魔法でも拭い去ることはできないようだった。
俺はベッドの端に腰を下ろし、深く、それはもう深く息を吐き出した。
視線の先には、俺の聖域である座椅子を我が物顔で占拠し、至福の表情を浮かべる自称・戦乙女の姿がある。
「んん……っ! なんだこれは。舌の上で黄金が解けていくようだ」
ヘルヤは、コンビニで貰ったプラスチックのスプーンを、まるで聖剣でも扱うかのように繊細な手つきで口へと運んでいた。
彼女の手にあるのは、俺が交渉の切り札として提示した『天使の休息』だ。一個三百円。高校生の懐事情にとっては、清水の舞台から飛び降りる覚悟が必要な高級プリンである。
別添えのカラメルソースをかける際、彼女の手が武者震いのように震えていたのを俺は見逃さなかった。黒蜜のような液体がカスタードの山頂から麓へと流れ落ちていく様を、彼女は瞬きもせずに凝視していたのだ。
「甘露だ。いや、それ以上か。天界の宴で振る舞われる『不老の果実』でさえ、この濃厚な卵の風味と、焦がし砂糖のほろ苦さのハーモニーには及ばぬかもしれん」
「そりゃどうも。奮発した甲斐があったよ」
俺は棒読みで返した。
本来なら、そのプリンは俺が今夜のデザートとして楽しむはずだったものだ。テスト勉強のご褒美であり、日々の労働への慰労品だった。それが今、部屋を半壊させかけた張本人の胃袋へと収まっていく。
よくよく考えれば理不尽極まりない話だ。
なぜ俺は、自分の部屋を直してもらうために、その加害者に貢物を捧げているのだろうか。
だが、この平和な静寂が手に入るなら、三百円は安い出費なのかもしれない。そう自分に言い聞かせなければ、やってられなかった。
「カズキよ、貴様の献上品、しかと受け取った。褒めて遣わす」
「はいはい。食べ終わったらゴミはちゃんと分別して捨てろよ。プラごみと燃えるゴミだぞ」
「うむ。……名残惜しいが、最後の一口だ」
彼女はカップの底に残ったわずかなカスタードとカラメルの混合物を、愛おしそうに掬い上げた。スプーンを口に含み、目を閉じて余韻に浸る。その顔立ちだけを見れば、深遠な祈りを捧げる聖女のようであり、どこかの美術館に飾られていても違和感がない。口元に少しプリンがついていることを除けば。
その時だった。
ピロリロリン、ピロリロリン、パッパカパーン! ジャンジャカジャン!
突如として、部屋の空気を切り裂くような音が鳴り響いた。
電子音ではない。それは金管楽器のファンファーレと、聖歌隊のコーラスを無理やり合成して、最大音量で再生したような、荘厳かつ極めて耳障りな旋律だった。
「な、なんだ!?」
「ひゃああっ!?」
ヘルヤが奇声を上げ、スプーンを取り落とした。プラスチックが床にカランと乾いた音を立てる。
彼女の顔から、先ほどまでの至福の色が瞬時に抜け落ち、代わりに青ざめた焦燥が張り付いた。
「こ、この調べは……まさか!」
彼女は慌てふためき、ローテーブルの上に置いてあった『物体』へと手を伸ばした。
あのデバイスだ。
背面には翼を模したファンシーな装飾カバーが付けられているが、その形状、洗練されたフォルム、そして背面中央に輝く『囓りかけの黄金の林檎』のロゴマーク。
どう見ても、地球にある某企業のスマートフォンに酷似している。
「どこだ、どこへ行った! ……あ、ここにあった!」
彼女は目の前にあったそれをひっ掴むと、画面を見て凍りついた。
そこには太文字、いやルーン文字で、俺の脳内翻訳によれば『上層部』あるいは『直属の上司』と表示されていた。
「ど、どうする。どうすればいい。定時連絡か? それとも抜き打ちの査察か? まだ心の準備も、言い訳の構築も完了していない!」
「おい、早く出ろよ。近所迷惑だぞ。あとその着信音、なんとかならないのか」
「黙れ! これは天界の緊急通信なのだ! 出なければ、位置情報を逆探知されて、強制送還の光が降り注いでしまう!」
彼女はガタガタと震える指で画面を操作しようとし、二度ほど指を滑らせた。いつも、異様にフリック入力は速いくせに、こういう時はポンコツだ。
ようやく通話ボタンらしき緑色のアイコンをタップしようとした瞬間、彼女は俺の方を向き、鬼のような形相で人差し指を口元に当てた。
「しっ! 声を発するなよ! 絶対にだ! 貴様の吐息一つ、衣擦れの音一つ拾われたら終わりだと思え!」
言うが早いか、彼女は脱兎のごとき速さで座椅子から飛び出し、俺の元へ駆け寄った。
そして、空いている左手で、俺の口を力任せに塞いできたのだ。
「むぐっ!?」
「静かに!」
彼女の手のひらは、微かにプリンの甘い香りがした。だが、そんなことを気にしている余裕はない。彼女の握力は万力に匹敵し、俺の顎の骨がミシミシと悲鳴を上げている。
ヘルヤは俺をベッドに押し倒すようにして拘束したまま、スマートフォンを耳に当てた。
次の瞬間、彼女の声色は劇的な変化を遂げた。
「はっ! こちら、戦乙女ヘルヤ・ヴァルキリア!ただいま通信に応答いたしました!」
凛とした、低く落ち着いた声。
それは紛れもなく、俺が最初に彼女と出会った時に聞いた、高潔な騎士の声だった。
俺の口を塞ぎ、顔を引きつらせ、脂汗を垂れ流し、俺の上に馬乗りになっている現状とはあまりに乖離している。
役者か、こいつは。
『…………』
スマートフォンのスピーカーから、何か重々しい響きが漏れ聞こえてくる。言葉の内容までは聞き取れないが、相手の威圧感だけはビリビリと伝わってきた。上司、あるいはもっと上の「神」的な存在からの連絡だろうか。
「はっ、はい! ご心配には及びません。地上への降下は……極めて順調し、遂行されました。目標地点に到着いたしました。そこに間違いなど微塵もございません。ええ、予定通りの地点です」
嘘だ。
のっけから大嘘だ。
俺は彼女の手のひらの下で、冷ややかなジト目を向けた。お前が降り立ったのは、血と鉄の匂いがする戦場ではなく、夕飯の匂いが漂う東京都内の築三十年の木造アパートだ。
ヘルヤは俺の視線に気づくと、さらに強く手を押し付け、目で「余計なことを考えるな、殺すぞ」と訴えてきた。青い瞳が必死すぎて怖い。
「はい……現地の状況ですが、想定よりも……えー、文化レベルが高く、複雑怪奇な様相を呈しております。魔物の気配は希薄ですが、代わりに……そう、より邪悪な精神的重圧が蔓延しております」
精神的重圧。
まあ、満員電車や受験戦争、ブラック企業のことを言っているなら、あながち間違ってはいないかもしれない。だが、戦乙女が報告すべき「戦況」ではないはずだ。
『…………?』
相手からの鋭い問いかけがあったようだ。ヘルヤの目が泳ぐ。
「えっ? 英雄の素質を持つ魂の捜索、ですか? そ、それは……」
彼女は一瞬、言葉に詰まった。
まずい、と顔に書いてある。
本来の任務は、戦場で勇猛果敢に戦い、死にゆく勇者の魂をヴァルハラへと導くことだったはずだ。平和ボケした日本で、そんな対象が見つかるはずがない。
彼女は苦し紛れに、目の前にいる俺を見た。
俺の顔を、まじまじと見る。
そして、何かに閃いたようにカッと目を見開いた。嫌な予感しかしない。
「はっ! ご報告申し上げます! 既に発見いたしました!」
「んぐっ!?」
「極めて稀有な、百万人に一人という逸材を確保しました! その魂の輝きは、まるで……そう、磨かれる前の原石! 泥にまみれたダイヤモンド! 今はまだ無力で、貧弱で、特筆すべき才能の欠片も見当たりませんが、内側に秘めた可能性は未知数です!」
誰が貧弱だ。誰が無能だ。
そして誰が泥だ。
俺は抗議しようともがいたが、彼女は体重を乗せて俺をベッドにさらに深く沈めた。ジャージ越しに伝わる体温と重みが、今はただの拘束具でしかない。
というか、俺を勝手に「英雄候補」にするな。俺は公務員志望の平凡な高校生だ。
「はい、はい。現在は対象の直近に潜伏し、密着監視を行っております。……ええ、対象は非常に警戒心が強く、懐柔には時間を要するかと。……はい、長期的な視点での育成が必要です」
彼女はスラスラと嘘を並べ立てていく。
最初はしどろもどろだったのが、嘘をつくことに慣れてきたのか、次第に口調が滑らかになっていくのが恐ろしい。
密着監視も何も、ただ勝手に住み着いてポテチを食って、俺の漫画を読んでいるだけではないか。
懐柔? プリン一個で懐柔されたのはどこのどいつだ。
『…………』
相手の声のトーンが変わった気がした。納得したのだろうか。
ヘルヤの表情が少し緩んだ。いける、と思った顔だ。
「はい。帰還ですか? それが……対象の魂を完全に開花させるまでは、この地を離れるわけにはいきません。中途半端な状態で天界へ連れ帰れば、魂が環境の変化に耐えきれず、霧散してしまう恐れがあります」
なにかヤバいことを言っている。
ただ、一つあるとすれば、彼女は自分の間違いで帰還できず、居座るしかない状況――を、「任務のための戦略的かつ不可避な滞在」へと完全にすり替えていた。
保身のためなら、神への忠誠すら踏み台にする。そのしたたかさと度胸だけは、確かに戦士級かもしれない。
「承知いたしました。定期報告は欠かしません。では、これにて。……エーリューズニルに栄光あれ!」
ピッ。
通話終了の音が鳴ると同時に、ヘルヤはその場に崩れ落ちた。
俺の胸の上に、彼女の顔が埋まる。
ふわりと金髪が広がり、甘い匂いと、冷や汗の匂いが俺の鼻を蹂躙する。
彼女の肩は、小刻みに震えていた。
「……死ぬかと思った」
「おい、重い。退け」
「……もう少しこのままでいさせろ。心臓が早鐘を打って、破裂しそうなのだ」
「知るか。俺の心臓も圧迫されて止まりそうだ」
俺は無慈悲に彼女の体を押しのけ、上半身を起こした。口元を手の甲で拭う。プリンでべたつく気がする。最悪だ。
ヘルヤはベッドの横に転がり落ち、抜け殻のようになっていた。
だが、俺には確認しなければならないことがある。今、彼女の口から語られた数々の虚偽についてだ。
今後の俺の人生に関わる重大事だ。
「なぁ、ヘルヤさんや」
「……なんだ」
「随分と流暢な嘘だったな。目標地点に着陸? 逸材を発見? 密着監視?」
俺の言葉の一つ一つが、彼女の心に突き刺さるのだろう。彼女はビクッ、ビクッと死にかけた魚のように体を震わせた。
「仕方なかろう! 正直に言ってみろ、『すみません、間違えて平和な日本に来ちゃいました』などと! そんな報告をすれば、私は即刻クビだ! 戦乙女の資格を剥奪され、北の果ての極寒地獄ニブルヘイムで、一生ペンギンの世話係に左遷されてしまう!」
「ペンギンも可愛いと思うけどな。お似合いじゃないか?」
「そういう問題ではない! 誇りの問題だ! それにニブルヘイムのペンギンは凶暴なのだぞ! くちばしで突かれるのは痛いのだ!」
彼女はガバッと顔を上げた。その瞳は潤んでいるが、そこには逆ギレに近い強い光が宿っていた。
「よいかカズキ。これは貴様にとっても悪い話ではないはずだ」
「どこがだよ。厄介ごとの塊じゃないか」
「貴様は『選ばれし魂』として天界のデータベースに登録されたのだぞ? これは名誉なことだ。死後の行き先が保証されたも同然だ。ヴァルハラの宴席予約済みだぞ」
「勝手に殺すな。俺はまだ平均寿命の五分の一も生きてない。それに、死んでからの行先より、生きている間の平穏が欲しい」
俺はため息をつき、座椅子、じゃなくて床に座り込んだ彼女に向き直った。
真面目な話をしなければならない。ここが分岐点だ。
「それで? 長期的な監視と育成が必要って言ってたな。つまり、すぐに帰る気はない、いや、帰れないってことか?」
「……うむ」
「いつまでだ」
「……分からん」
彼女は視線を逸らした。スマホの画面を無意味にスワイプしている。
「天界へのゲートが開く周期は不定期だ。それに、私の魔力がこの地の環境で十分に回復し、空間跳躍の術式を再構築するまで待たねばならん。数週間か、数ヶ月か、あるいは……」
「数年とか言うなよ」
俺は頭を抱えた。
数日ならまだしも、そんな長期間、この非常識な同居人と暮らす?
俺の生活費はどうなる。俺の静かな時間は。
何より、彼女の存在を隠し通せる自信がない。今日一日だけで、部屋が半壊し、水浸しになったのだ。一ヶ月もすれば、このアパートは更地になっているだろう。
「無理だ。出て行ってくれ。どこか別の場所で……例えば公園とか、河川敷の橋の下とかで野宿しながら時を待てばいいだろ」
「なっ……! 高貴な戦乙女に野宿をしろと言うのか!?」
「お前はサバイバル能力が高いんだろ? 『戦場での食事は~』とか偉そうに言ってたじゃないか。戦場なら寝床くらい確保できるはずだ。ダンボールハウスでも作ればいい」
「それは……そうだが……」
彼女は言葉に詰まった。
そして、ちらりと窓の外を見た。夜の闇が広がっている。
彼女の表情に、微かな怯えが走った。
「……暗いのは、好かん」
「は?」
「それに、日本の公園は……蚊がいるだろう」
「戦乙女が蚊を怖がるなよ」
「精神衛生上よくないのだ! 痒いのは我慢ならん! それに夏は暑いし冬は寒い! エアコンがない場所など、文明人の住む場所ではない!」
彼女は駄々をこねる子供のように、床の上で地団駄を踏んだ。
要するに、快適なこの部屋から出たくないだけだ。エアコンがあり、座椅子があり、テレビがあり、冷蔵庫があるこの環境に、すっかり餌付けされている。
天界の文明レベルが高いとか言っていたが、単に甘やかされて育っただけじゃないのか。
「頼む、カズキ! 追い出さないでくれ! ここで報告してしまった以上、私は『九条カズキの監視任務』を遂行しているという事実にし続けなければならないのだ! ここを追い出されたら、私は住所不定無職の戦乙女になってしまう!」
「知ったことか」
「貴様には慈悲の心がないのか! 武士の情けという言葉を知らんのか! 見ろ、この可憐な美少女が路頭に迷うのだぞ? 心が痛まないのか!」
彼女は俺のジャージの裾を掴んで揺さぶった。
必死だ。なりふり構っていない。
俺は彼女を見下ろした。
整った顔立ち、透き通るような金髪。黙っていれば神話の住人そのものなのに、中身はこれだ。
だが、もし俺が彼女を追い出したらどうなる?
彼女はこの街を彷徨うことになるだろう。常識も土地勘もなく、持っているのは槍と魔法と、無駄に高いプライドだけ。
間違いなく、数時間以内に職務質問を受けるか、トラブルを起こして警察沙汰になるか、あるいは怪しい組織に騙されるかだ。
そして、その尻拭いは、結局のところ最初の発見者である俺に回ってくる気がしてならない。彼女のスマホのGPS履歴には、ここの住所がバッチリ残っているのだから。
「……はぁ」
今日何度目か分からない、深い溜息が出た。
俺の負けだ。俺の日常の敗北だ。
「分かったよ」
「む?」
「ここに居ていい。その代わり、条件がある」
ヘルヤの顔がぱあっと輝いた。現金なやつだ。
「おお! さすがは我が選んだ者だ! 話が早い! それでこそ勇者だ!」
「調子に乗るな。条件だ。よく聞け」
俺は指を一本立てた。
「一つ、家事をちゃんと覚えること。さっきみたいな失敗は二度とするな。洗剤の量は守れ。皿は握りつぶすな。掃除機とプロレスをするな」
「う、うむ。善処する。力加減というものを学習しよう」
「二つ、俺の生活費を圧迫しないこと。食費は極力抑える。無駄な買い物はしない」
「ポテチは?」
「一日一袋までだ」
「むぅ……厳しいな。成長期の体にはカロリーが必要なのだが」
「ポテチに栄養なんてない。文句があるならゼロ袋にするぞ」
「わ、分かった! 一日一袋で手を打とう」
「三つ。これが一番重要だ。……目立つな。魔法も、その槍も、外では絶対禁止だ。いいな?」
俺は念を押した。
ヘルヤは俺の目を真っ直ぐに見返し、そして不敵に笑った。
「ふん、容易いことだ。私は隠密行動の達人でもあるからな。空気のように気配を消すことなど造作もない」
「一番信用できない言葉だけど、信じるしかないか」
俺は肩の力を抜いた。
これで、俺たちの奇妙な共犯関係が成立してしまった。
彼女は天界に対して「任務中」という嘘をつき続け、俺はその嘘に協力して彼女を匿う。
とんでもないことになった。詐欺の片棒を担ぐようなものだ。
「契約成立だな、カズキ!」
ヘルヤは立ち上がり、俺に向かってビシッと指を突きつけた。緑のジャージの袖がバサッと揺れる。
「今日より、この部屋は戦乙女ヴァルキリー・ヘルヤの駐屯地とする! そして貴様は、その現地協力者であり、私の部下だ!」
「家主に対して部下扱いはどうなんだ。せめて対等にしてくれ」
「細かいことは気にするな! さあ、祝杯だ! 契約には杯が必要だろう。冷蔵庫にもう一本コーラがあったはずだ。持ってくるがよい!」
「……はいはい。使いっ走りかよ」
俺は立ち上がり、キッチンへと向かった。
背後で、ヘルヤが鼻歌を歌いながらテレビのリモコンを操作する音が聞こえる。
冷蔵庫の冷気を感じながら、俺は覚悟を決めた。まずは、明日からの食費の計算をしなければならない、と。
つい先ほどまで視界を埋め尽くしていた白い洗剤の泡の山も、床を彩っていた陶器の破片も、まるで悪い夢だったかのように消え去っている。物理的な痕跡は何一つ残っていない。
だが、俺の精神に刻まれた疲労感だけは、どんな魔法でも拭い去ることはできないようだった。
俺はベッドの端に腰を下ろし、深く、それはもう深く息を吐き出した。
視線の先には、俺の聖域である座椅子を我が物顔で占拠し、至福の表情を浮かべる自称・戦乙女の姿がある。
「んん……っ! なんだこれは。舌の上で黄金が解けていくようだ」
ヘルヤは、コンビニで貰ったプラスチックのスプーンを、まるで聖剣でも扱うかのように繊細な手つきで口へと運んでいた。
彼女の手にあるのは、俺が交渉の切り札として提示した『天使の休息』だ。一個三百円。高校生の懐事情にとっては、清水の舞台から飛び降りる覚悟が必要な高級プリンである。
別添えのカラメルソースをかける際、彼女の手が武者震いのように震えていたのを俺は見逃さなかった。黒蜜のような液体がカスタードの山頂から麓へと流れ落ちていく様を、彼女は瞬きもせずに凝視していたのだ。
「甘露だ。いや、それ以上か。天界の宴で振る舞われる『不老の果実』でさえ、この濃厚な卵の風味と、焦がし砂糖のほろ苦さのハーモニーには及ばぬかもしれん」
「そりゃどうも。奮発した甲斐があったよ」
俺は棒読みで返した。
本来なら、そのプリンは俺が今夜のデザートとして楽しむはずだったものだ。テスト勉強のご褒美であり、日々の労働への慰労品だった。それが今、部屋を半壊させかけた張本人の胃袋へと収まっていく。
よくよく考えれば理不尽極まりない話だ。
なぜ俺は、自分の部屋を直してもらうために、その加害者に貢物を捧げているのだろうか。
だが、この平和な静寂が手に入るなら、三百円は安い出費なのかもしれない。そう自分に言い聞かせなければ、やってられなかった。
「カズキよ、貴様の献上品、しかと受け取った。褒めて遣わす」
「はいはい。食べ終わったらゴミはちゃんと分別して捨てろよ。プラごみと燃えるゴミだぞ」
「うむ。……名残惜しいが、最後の一口だ」
彼女はカップの底に残ったわずかなカスタードとカラメルの混合物を、愛おしそうに掬い上げた。スプーンを口に含み、目を閉じて余韻に浸る。その顔立ちだけを見れば、深遠な祈りを捧げる聖女のようであり、どこかの美術館に飾られていても違和感がない。口元に少しプリンがついていることを除けば。
その時だった。
ピロリロリン、ピロリロリン、パッパカパーン! ジャンジャカジャン!
突如として、部屋の空気を切り裂くような音が鳴り響いた。
電子音ではない。それは金管楽器のファンファーレと、聖歌隊のコーラスを無理やり合成して、最大音量で再生したような、荘厳かつ極めて耳障りな旋律だった。
「な、なんだ!?」
「ひゃああっ!?」
ヘルヤが奇声を上げ、スプーンを取り落とした。プラスチックが床にカランと乾いた音を立てる。
彼女の顔から、先ほどまでの至福の色が瞬時に抜け落ち、代わりに青ざめた焦燥が張り付いた。
「こ、この調べは……まさか!」
彼女は慌てふためき、ローテーブルの上に置いてあった『物体』へと手を伸ばした。
あのデバイスだ。
背面には翼を模したファンシーな装飾カバーが付けられているが、その形状、洗練されたフォルム、そして背面中央に輝く『囓りかけの黄金の林檎』のロゴマーク。
どう見ても、地球にある某企業のスマートフォンに酷似している。
「どこだ、どこへ行った! ……あ、ここにあった!」
彼女は目の前にあったそれをひっ掴むと、画面を見て凍りついた。
そこには太文字、いやルーン文字で、俺の脳内翻訳によれば『上層部』あるいは『直属の上司』と表示されていた。
「ど、どうする。どうすればいい。定時連絡か? それとも抜き打ちの査察か? まだ心の準備も、言い訳の構築も完了していない!」
「おい、早く出ろよ。近所迷惑だぞ。あとその着信音、なんとかならないのか」
「黙れ! これは天界の緊急通信なのだ! 出なければ、位置情報を逆探知されて、強制送還の光が降り注いでしまう!」
彼女はガタガタと震える指で画面を操作しようとし、二度ほど指を滑らせた。いつも、異様にフリック入力は速いくせに、こういう時はポンコツだ。
ようやく通話ボタンらしき緑色のアイコンをタップしようとした瞬間、彼女は俺の方を向き、鬼のような形相で人差し指を口元に当てた。
「しっ! 声を発するなよ! 絶対にだ! 貴様の吐息一つ、衣擦れの音一つ拾われたら終わりだと思え!」
言うが早いか、彼女は脱兎のごとき速さで座椅子から飛び出し、俺の元へ駆け寄った。
そして、空いている左手で、俺の口を力任せに塞いできたのだ。
「むぐっ!?」
「静かに!」
彼女の手のひらは、微かにプリンの甘い香りがした。だが、そんなことを気にしている余裕はない。彼女の握力は万力に匹敵し、俺の顎の骨がミシミシと悲鳴を上げている。
ヘルヤは俺をベッドに押し倒すようにして拘束したまま、スマートフォンを耳に当てた。
次の瞬間、彼女の声色は劇的な変化を遂げた。
「はっ! こちら、戦乙女ヘルヤ・ヴァルキリア!ただいま通信に応答いたしました!」
凛とした、低く落ち着いた声。
それは紛れもなく、俺が最初に彼女と出会った時に聞いた、高潔な騎士の声だった。
俺の口を塞ぎ、顔を引きつらせ、脂汗を垂れ流し、俺の上に馬乗りになっている現状とはあまりに乖離している。
役者か、こいつは。
『…………』
スマートフォンのスピーカーから、何か重々しい響きが漏れ聞こえてくる。言葉の内容までは聞き取れないが、相手の威圧感だけはビリビリと伝わってきた。上司、あるいはもっと上の「神」的な存在からの連絡だろうか。
「はっ、はい! ご心配には及びません。地上への降下は……極めて順調し、遂行されました。目標地点に到着いたしました。そこに間違いなど微塵もございません。ええ、予定通りの地点です」
嘘だ。
のっけから大嘘だ。
俺は彼女の手のひらの下で、冷ややかなジト目を向けた。お前が降り立ったのは、血と鉄の匂いがする戦場ではなく、夕飯の匂いが漂う東京都内の築三十年の木造アパートだ。
ヘルヤは俺の視線に気づくと、さらに強く手を押し付け、目で「余計なことを考えるな、殺すぞ」と訴えてきた。青い瞳が必死すぎて怖い。
「はい……現地の状況ですが、想定よりも……えー、文化レベルが高く、複雑怪奇な様相を呈しております。魔物の気配は希薄ですが、代わりに……そう、より邪悪な精神的重圧が蔓延しております」
精神的重圧。
まあ、満員電車や受験戦争、ブラック企業のことを言っているなら、あながち間違ってはいないかもしれない。だが、戦乙女が報告すべき「戦況」ではないはずだ。
『…………?』
相手からの鋭い問いかけがあったようだ。ヘルヤの目が泳ぐ。
「えっ? 英雄の素質を持つ魂の捜索、ですか? そ、それは……」
彼女は一瞬、言葉に詰まった。
まずい、と顔に書いてある。
本来の任務は、戦場で勇猛果敢に戦い、死にゆく勇者の魂をヴァルハラへと導くことだったはずだ。平和ボケした日本で、そんな対象が見つかるはずがない。
彼女は苦し紛れに、目の前にいる俺を見た。
俺の顔を、まじまじと見る。
そして、何かに閃いたようにカッと目を見開いた。嫌な予感しかしない。
「はっ! ご報告申し上げます! 既に発見いたしました!」
「んぐっ!?」
「極めて稀有な、百万人に一人という逸材を確保しました! その魂の輝きは、まるで……そう、磨かれる前の原石! 泥にまみれたダイヤモンド! 今はまだ無力で、貧弱で、特筆すべき才能の欠片も見当たりませんが、内側に秘めた可能性は未知数です!」
誰が貧弱だ。誰が無能だ。
そして誰が泥だ。
俺は抗議しようともがいたが、彼女は体重を乗せて俺をベッドにさらに深く沈めた。ジャージ越しに伝わる体温と重みが、今はただの拘束具でしかない。
というか、俺を勝手に「英雄候補」にするな。俺は公務員志望の平凡な高校生だ。
「はい、はい。現在は対象の直近に潜伏し、密着監視を行っております。……ええ、対象は非常に警戒心が強く、懐柔には時間を要するかと。……はい、長期的な視点での育成が必要です」
彼女はスラスラと嘘を並べ立てていく。
最初はしどろもどろだったのが、嘘をつくことに慣れてきたのか、次第に口調が滑らかになっていくのが恐ろしい。
密着監視も何も、ただ勝手に住み着いてポテチを食って、俺の漫画を読んでいるだけではないか。
懐柔? プリン一個で懐柔されたのはどこのどいつだ。
『…………』
相手の声のトーンが変わった気がした。納得したのだろうか。
ヘルヤの表情が少し緩んだ。いける、と思った顔だ。
「はい。帰還ですか? それが……対象の魂を完全に開花させるまでは、この地を離れるわけにはいきません。中途半端な状態で天界へ連れ帰れば、魂が環境の変化に耐えきれず、霧散してしまう恐れがあります」
なにかヤバいことを言っている。
ただ、一つあるとすれば、彼女は自分の間違いで帰還できず、居座るしかない状況――を、「任務のための戦略的かつ不可避な滞在」へと完全にすり替えていた。
保身のためなら、神への忠誠すら踏み台にする。そのしたたかさと度胸だけは、確かに戦士級かもしれない。
「承知いたしました。定期報告は欠かしません。では、これにて。……エーリューズニルに栄光あれ!」
ピッ。
通話終了の音が鳴ると同時に、ヘルヤはその場に崩れ落ちた。
俺の胸の上に、彼女の顔が埋まる。
ふわりと金髪が広がり、甘い匂いと、冷や汗の匂いが俺の鼻を蹂躙する。
彼女の肩は、小刻みに震えていた。
「……死ぬかと思った」
「おい、重い。退け」
「……もう少しこのままでいさせろ。心臓が早鐘を打って、破裂しそうなのだ」
「知るか。俺の心臓も圧迫されて止まりそうだ」
俺は無慈悲に彼女の体を押しのけ、上半身を起こした。口元を手の甲で拭う。プリンでべたつく気がする。最悪だ。
ヘルヤはベッドの横に転がり落ち、抜け殻のようになっていた。
だが、俺には確認しなければならないことがある。今、彼女の口から語られた数々の虚偽についてだ。
今後の俺の人生に関わる重大事だ。
「なぁ、ヘルヤさんや」
「……なんだ」
「随分と流暢な嘘だったな。目標地点に着陸? 逸材を発見? 密着監視?」
俺の言葉の一つ一つが、彼女の心に突き刺さるのだろう。彼女はビクッ、ビクッと死にかけた魚のように体を震わせた。
「仕方なかろう! 正直に言ってみろ、『すみません、間違えて平和な日本に来ちゃいました』などと! そんな報告をすれば、私は即刻クビだ! 戦乙女の資格を剥奪され、北の果ての極寒地獄ニブルヘイムで、一生ペンギンの世話係に左遷されてしまう!」
「ペンギンも可愛いと思うけどな。お似合いじゃないか?」
「そういう問題ではない! 誇りの問題だ! それにニブルヘイムのペンギンは凶暴なのだぞ! くちばしで突かれるのは痛いのだ!」
彼女はガバッと顔を上げた。その瞳は潤んでいるが、そこには逆ギレに近い強い光が宿っていた。
「よいかカズキ。これは貴様にとっても悪い話ではないはずだ」
「どこがだよ。厄介ごとの塊じゃないか」
「貴様は『選ばれし魂』として天界のデータベースに登録されたのだぞ? これは名誉なことだ。死後の行き先が保証されたも同然だ。ヴァルハラの宴席予約済みだぞ」
「勝手に殺すな。俺はまだ平均寿命の五分の一も生きてない。それに、死んでからの行先より、生きている間の平穏が欲しい」
俺はため息をつき、座椅子、じゃなくて床に座り込んだ彼女に向き直った。
真面目な話をしなければならない。ここが分岐点だ。
「それで? 長期的な監視と育成が必要って言ってたな。つまり、すぐに帰る気はない、いや、帰れないってことか?」
「……うむ」
「いつまでだ」
「……分からん」
彼女は視線を逸らした。スマホの画面を無意味にスワイプしている。
「天界へのゲートが開く周期は不定期だ。それに、私の魔力がこの地の環境で十分に回復し、空間跳躍の術式を再構築するまで待たねばならん。数週間か、数ヶ月か、あるいは……」
「数年とか言うなよ」
俺は頭を抱えた。
数日ならまだしも、そんな長期間、この非常識な同居人と暮らす?
俺の生活費はどうなる。俺の静かな時間は。
何より、彼女の存在を隠し通せる自信がない。今日一日だけで、部屋が半壊し、水浸しになったのだ。一ヶ月もすれば、このアパートは更地になっているだろう。
「無理だ。出て行ってくれ。どこか別の場所で……例えば公園とか、河川敷の橋の下とかで野宿しながら時を待てばいいだろ」
「なっ……! 高貴な戦乙女に野宿をしろと言うのか!?」
「お前はサバイバル能力が高いんだろ? 『戦場での食事は~』とか偉そうに言ってたじゃないか。戦場なら寝床くらい確保できるはずだ。ダンボールハウスでも作ればいい」
「それは……そうだが……」
彼女は言葉に詰まった。
そして、ちらりと窓の外を見た。夜の闇が広がっている。
彼女の表情に、微かな怯えが走った。
「……暗いのは、好かん」
「は?」
「それに、日本の公園は……蚊がいるだろう」
「戦乙女が蚊を怖がるなよ」
「精神衛生上よくないのだ! 痒いのは我慢ならん! それに夏は暑いし冬は寒い! エアコンがない場所など、文明人の住む場所ではない!」
彼女は駄々をこねる子供のように、床の上で地団駄を踏んだ。
要するに、快適なこの部屋から出たくないだけだ。エアコンがあり、座椅子があり、テレビがあり、冷蔵庫があるこの環境に、すっかり餌付けされている。
天界の文明レベルが高いとか言っていたが、単に甘やかされて育っただけじゃないのか。
「頼む、カズキ! 追い出さないでくれ! ここで報告してしまった以上、私は『九条カズキの監視任務』を遂行しているという事実にし続けなければならないのだ! ここを追い出されたら、私は住所不定無職の戦乙女になってしまう!」
「知ったことか」
「貴様には慈悲の心がないのか! 武士の情けという言葉を知らんのか! 見ろ、この可憐な美少女が路頭に迷うのだぞ? 心が痛まないのか!」
彼女は俺のジャージの裾を掴んで揺さぶった。
必死だ。なりふり構っていない。
俺は彼女を見下ろした。
整った顔立ち、透き通るような金髪。黙っていれば神話の住人そのものなのに、中身はこれだ。
だが、もし俺が彼女を追い出したらどうなる?
彼女はこの街を彷徨うことになるだろう。常識も土地勘もなく、持っているのは槍と魔法と、無駄に高いプライドだけ。
間違いなく、数時間以内に職務質問を受けるか、トラブルを起こして警察沙汰になるか、あるいは怪しい組織に騙されるかだ。
そして、その尻拭いは、結局のところ最初の発見者である俺に回ってくる気がしてならない。彼女のスマホのGPS履歴には、ここの住所がバッチリ残っているのだから。
「……はぁ」
今日何度目か分からない、深い溜息が出た。
俺の負けだ。俺の日常の敗北だ。
「分かったよ」
「む?」
「ここに居ていい。その代わり、条件がある」
ヘルヤの顔がぱあっと輝いた。現金なやつだ。
「おお! さすがは我が選んだ者だ! 話が早い! それでこそ勇者だ!」
「調子に乗るな。条件だ。よく聞け」
俺は指を一本立てた。
「一つ、家事をちゃんと覚えること。さっきみたいな失敗は二度とするな。洗剤の量は守れ。皿は握りつぶすな。掃除機とプロレスをするな」
「う、うむ。善処する。力加減というものを学習しよう」
「二つ、俺の生活費を圧迫しないこと。食費は極力抑える。無駄な買い物はしない」
「ポテチは?」
「一日一袋までだ」
「むぅ……厳しいな。成長期の体にはカロリーが必要なのだが」
「ポテチに栄養なんてない。文句があるならゼロ袋にするぞ」
「わ、分かった! 一日一袋で手を打とう」
「三つ。これが一番重要だ。……目立つな。魔法も、その槍も、外では絶対禁止だ。いいな?」
俺は念を押した。
ヘルヤは俺の目を真っ直ぐに見返し、そして不敵に笑った。
「ふん、容易いことだ。私は隠密行動の達人でもあるからな。空気のように気配を消すことなど造作もない」
「一番信用できない言葉だけど、信じるしかないか」
俺は肩の力を抜いた。
これで、俺たちの奇妙な共犯関係が成立してしまった。
彼女は天界に対して「任務中」という嘘をつき続け、俺はその嘘に協力して彼女を匿う。
とんでもないことになった。詐欺の片棒を担ぐようなものだ。
「契約成立だな、カズキ!」
ヘルヤは立ち上がり、俺に向かってビシッと指を突きつけた。緑のジャージの袖がバサッと揺れる。
「今日より、この部屋は戦乙女ヴァルキリー・ヘルヤの駐屯地とする! そして貴様は、その現地協力者であり、私の部下だ!」
「家主に対して部下扱いはどうなんだ。せめて対等にしてくれ」
「細かいことは気にするな! さあ、祝杯だ! 契約には杯が必要だろう。冷蔵庫にもう一本コーラがあったはずだ。持ってくるがよい!」
「……はいはい。使いっ走りかよ」
俺は立ち上がり、キッチンへと向かった。
背後で、ヘルヤが鼻歌を歌いながらテレビのリモコンを操作する音が聞こえる。
冷蔵庫の冷気を感じながら、俺は覚悟を決めた。まずは、明日からの食費の計算をしなければならない、と。
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