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第1話
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これからどうしようかな。
あんまりこの辺は人が通らないし、とりあえず人を探してみることにした。
人通りが多い所に出ると頭の中が少しうるさい。話し声とは違う声が聞こえてくる。
頭の中で考え事してたり音読をしている感じで聞こえるから、喋っている声じゃないことはすぐに分かった。
さっき言っていた、心を読む能力を貸してあげるってやつがこれか。
今まで人の話し声は耳でしか聞けないものだったけど、心を読む場合、耳で聞く話じゃなくて、頭で聞くって感じで聞こえてくるから気持ち悪いというか、なんだか凄く違和感がある。
これオフにできないのかな......。こんな事なら出来るかどうか聞いておけば良かった。
でも読もうとさえしなければ、約半径50センチくらいの距離しか、心の声が聞こえないから人混み避ければ一応なんとかなるしまあいいや。そこまで支障はないんだけど、これ地味に鬱陶しいな。
今もまだ少し混乱してはしているけれど、さっきよりも落ち着いてきて、頭が回るようになってきた今、さっき聞いておけばよかったって思うことがいくつかある。
さっきは急に死んだ上に、突然よく知らない人がてできて転生がどうのとか訳わからない事を言われて、その事情を把握すると、冷静でいようとするのに精一杯だった。
期限がいつまでだとか、貸してもらう能力についての詳細とか、他にも今になって聞きたいことがいくつか出てきたけど、さっきはその事が全く頭によぎらなかった。
人間こんな状態になると、あんなに頭回らないのかと自分でもびっくりしたくらいだ。
確かにこの能力は本当に困ってる人を探す上では便利なんだと思う。
幽霊だから基本的に誰にも見えてなくて、自分のことについては何も思われてないから、そこまでなんとも思わないけど、もしもこの能力を持って生まれていたら、僕なら絶対精神崩壊してると思う。
だって外面と内面が一致していないのは怖いし、一見いい人なのに心の中では、敵意や悪意を向けられているということが簡単にわかってしまうし。
豆腐メンタルな僕には耐えられる自信がない。
もちろんその逆もあるんだろうけど。
「気になる事や聞きたいことは色々あるけど、そんな事ずっと考えてても何にもならないし、とりあえず探してみるか」
人の心を読みつつ、その辺りをうろうろしていると、悩んでいる人や困ってる人なんてたくさんいるし、すぐに見つかった。
その中で簡単に僕にでも解決できそうな悩みを持ってる人を見つけて、こんなの楽勝じゃんと思っていた。
ただ解決する以前に大きな問題が一つある事を思い出した。
僕は死人――つまり幽霊なのだ。普通の人には触れる事はもちろん、見ることも喋る事も出来ない。
最初言われた時はこんな事でいいのかと思ったけど、よく考えるとこれはかなり難しい。
お礼を言われることはおろか、そもそも人に触れられない上、人に見えないし喋る事すらできないので問題を解決することもできない。
生きてた頃なら、例えば迷子を見つけたりした場合、声をかけてなんとかすることができるし、相手から尋ねられたりする。
だけど今はそれが一切できない。
ただ人が集まるところに行ったとしても、幽霊なので接触できないし意味がない気がしてきた。
だからとりあえず、死んでもしも幽霊になれたら行ってみたかったところが行ってみることにした。
あんまりこの辺は人が通らないし、とりあえず人を探してみることにした。
人通りが多い所に出ると頭の中が少しうるさい。話し声とは違う声が聞こえてくる。
頭の中で考え事してたり音読をしている感じで聞こえるから、喋っている声じゃないことはすぐに分かった。
さっき言っていた、心を読む能力を貸してあげるってやつがこれか。
今まで人の話し声は耳でしか聞けないものだったけど、心を読む場合、耳で聞く話じゃなくて、頭で聞くって感じで聞こえてくるから気持ち悪いというか、なんだか凄く違和感がある。
これオフにできないのかな......。こんな事なら出来るかどうか聞いておけば良かった。
でも読もうとさえしなければ、約半径50センチくらいの距離しか、心の声が聞こえないから人混み避ければ一応なんとかなるしまあいいや。そこまで支障はないんだけど、これ地味に鬱陶しいな。
今もまだ少し混乱してはしているけれど、さっきよりも落ち着いてきて、頭が回るようになってきた今、さっき聞いておけばよかったって思うことがいくつかある。
さっきは急に死んだ上に、突然よく知らない人がてできて転生がどうのとか訳わからない事を言われて、その事情を把握すると、冷静でいようとするのに精一杯だった。
期限がいつまでだとか、貸してもらう能力についての詳細とか、他にも今になって聞きたいことがいくつか出てきたけど、さっきはその事が全く頭によぎらなかった。
人間こんな状態になると、あんなに頭回らないのかと自分でもびっくりしたくらいだ。
確かにこの能力は本当に困ってる人を探す上では便利なんだと思う。
幽霊だから基本的に誰にも見えてなくて、自分のことについては何も思われてないから、そこまでなんとも思わないけど、もしもこの能力を持って生まれていたら、僕なら絶対精神崩壊してると思う。
だって外面と内面が一致していないのは怖いし、一見いい人なのに心の中では、敵意や悪意を向けられているということが簡単にわかってしまうし。
豆腐メンタルな僕には耐えられる自信がない。
もちろんその逆もあるんだろうけど。
「気になる事や聞きたいことは色々あるけど、そんな事ずっと考えてても何にもならないし、とりあえず探してみるか」
人の心を読みつつ、その辺りをうろうろしていると、悩んでいる人や困ってる人なんてたくさんいるし、すぐに見つかった。
その中で簡単に僕にでも解決できそうな悩みを持ってる人を見つけて、こんなの楽勝じゃんと思っていた。
ただ解決する以前に大きな問題が一つある事を思い出した。
僕は死人――つまり幽霊なのだ。普通の人には触れる事はもちろん、見ることも喋る事も出来ない。
最初言われた時はこんな事でいいのかと思ったけど、よく考えるとこれはかなり難しい。
お礼を言われることはおろか、そもそも人に触れられない上、人に見えないし喋る事すらできないので問題を解決することもできない。
生きてた頃なら、例えば迷子を見つけたりした場合、声をかけてなんとかすることができるし、相手から尋ねられたりする。
だけど今はそれが一切できない。
ただ人が集まるところに行ったとしても、幽霊なので接触できないし意味がない気がしてきた。
だからとりあえず、死んでもしも幽霊になれたら行ってみたかったところが行ってみることにした。
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