恋愛短編小説集

uribou

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クリスマスと君

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冬が訪れた小さな町、雪が白く積もったその日、彼女はいつものカフェで温かいココアを飲んでいた。窓の外を見ると、雪が降り続け、町全体が静寂に包まれている。そんな中、見覚えのある男性が彼女の視界に入ってきた。

彼の名前は直樹。この町で育った彼は、長い間彼女の隣に住んでいた幼なじみだった。小学校の頃からの知り合いで、一緒に遊んだ日々を彼女は昨日のことのように覚えている。しかし、彼は高校卒業後この町を離れ、都会での生活を選んだと聞いていた。

直樹がカフェに入ってきた。彼は大きなコートを着ていて、肩にはうっすらと雪が積もっている。彼女は思わず立ち上がり、「久しぶり!」と声をかけた。

「美咲?久しぶりだね!」と直樹は笑顔で応えた。

二人はカフェの窓際の席に座り、積もる話で時を忘れた。美咲は、直樹が都会で忙しい毎日を送っていると聞いた。彼の話を聞くうちに、美咲の胸にかすかな痛みが広がった。小さな頃から彼に心を寄せていた彼女は、都会の生活が彼を変えてしまったのではないかと不安を覚えた。

「美咲はどうしているの?」直樹が尋ねた。

「私はこの町を離れたくないの。ここの静けさが好きだから」と彼女は微笑んだ。

直樹は少し驚いた表情を見せたが、その後で優しく微笑んだ。「この町には特別な何かがあるよね。」

その日の夜、美咲は自分の心の中で何かが変わったことに気づいた。直樹と過ごした時間はあまりにも短かったが、彼に再会できたことが嬉しく、彼が以前と変わらぬ優しさを持っていることに安心した。

それから数日が過ぎ、クリスマスの夜がやってきた。町の広場では、毎年恒例のツリーの点灯式が行われる。美咲は家を出ると、広場に向かった。そこには大勢の人々が集まり、賑やかな声が聞こえてくる。

突然、広場の中心で彼女の名前を呼ぶ声がした。振り返ると、直樹が彼女に近づいてきた。「美咲、一緒にツリーを見ようよ。」彼は少し緊張した様子で言った。

ツリーが点灯し、周囲がまばゆい光で包まれると、彼は静かに言った。「戻ってきてよかった。この町で、君に再会できて本当によかった。」

美咲は心から微笑んだ。「終わらないで、この瞬間が永遠に続いてほしい」と思った。

その夜、町に降り積もる雪は、まるで二人のために輝いているかのようだった。二人の心には、新たな始まりの予感が優しく灯っていた。
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