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プロローグ11
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焼いたパンとスクランブルエッグ、子供にはコーンスープ、佐久也はコーヒーをそれぞれ置く。
向かい合わせに座ると子供は置かれた朝食を見て目を輝かせた。
「ほら、座れ。」
椅子を引いて子供を座らせ佐久也も席につく。
子供はパンに齧りつきゆっくりと咀嚼をする。
一口も小さく朝食も少し時間がかかりそうだ。
そんな様子を見ながら既に食べ終わった佐久也はコーヒーを飲んでいた。
すると電話から着信音が鳴る。
会長からだ。
「もしもし。佐久也です。」
『子供は無事か?』
「えぇ、食事も睡眠もとらせました。」
『そうか。』
『明日子供も一緒に事務所へ来い。』
『かしこまりました。』
要件を伝えればすぐに電話は切れた。
1人にするのも危険だし、カズに委託しようか悩んでいたところだったので会長からの呼び出しには正直助かった。
コーヒーを飲み終え、子供の食事を見守る佐久也。
コーンスープが入ったスープカップを両手で持ち上げ飲もうとする。
まだ大分熱いコーンスープをそのまま飲むと火傷をしてしまう。
佐久也は待て、飲むのを止めてスプーンですくって飲むよう促す。
子供はスプーンを丸掴みで手に持ちすくって口に入れる。
スプーンの使い方がおぼつかず、掬ったスープが落ちていく。
見かねた佐久也が隣に移動し貸せ、とスプーンを手に持つ。
少し冷まして子供の口に運ぶ。
余程美味しかったのかもっともっとと口を開けて待っている。
「こういう食い方も美味いぞ。」
パンをコーンスープに浸してそれを子供の口に運ぶ。
一口食べると目を見開き輝きさせる。
この子供は今までどんな生活を送ってきたのだろうかと思えるほどに、ちょっとしたことで表情を明るくさせる。
子供に情が沸く前に孤児院なり施設に入れなければ。
そんなことを思いつつ子供の頭を撫でていた。
子供が食べ終わり、食器を洗っているとそういえば、昨日風呂に入らないまま寝てしまったな、と思い出す。
子供と一緒に入ってしまおう、と普段はシャワーで済ましているが、久々に湯を張る。
食器を洗い終え、椅子に座る子供に風呂に入ることを伝える。
すると途端に子供は怯え始めカタカタと身体を震わせる。
今までのような落ち着いた様子はなく、佐久也から離れるように先程まで寝ていた部屋へと走って戻っていく。
「おい!」
そこまで怯えるほどに風呂が嫌いなのだろうか。
だが服も着替えさせたいし、子供の今までの境遇を考えればろくに風呂も入ったことがないだろう。
病気のことも考えれば清潔にしておきたい。
子供は部屋の角に体育座りをして震えていた。
「おい、どうした?大丈夫か?」
肩に手を置くと体がビクン、と反射的に飛び跳ねる。
佐久也は子供が落ち着くように目を合わせて頭を撫でる。
ーこわい いやだ
子供の口はそう伝えている。
「俺も一緒に入る。何も怖いことは無い。」
子供にとって佐久也は命の恩人だった。
この人なら、苦しいことしないかも、
佐久也の目を見てうなづいた。
「ふ、いい子だ。行こう。」
子供をだっこして洗面所へと向かった。
向かい合わせに座ると子供は置かれた朝食を見て目を輝かせた。
「ほら、座れ。」
椅子を引いて子供を座らせ佐久也も席につく。
子供はパンに齧りつきゆっくりと咀嚼をする。
一口も小さく朝食も少し時間がかかりそうだ。
そんな様子を見ながら既に食べ終わった佐久也はコーヒーを飲んでいた。
すると電話から着信音が鳴る。
会長からだ。
「もしもし。佐久也です。」
『子供は無事か?』
「えぇ、食事も睡眠もとらせました。」
『そうか。』
『明日子供も一緒に事務所へ来い。』
『かしこまりました。』
要件を伝えればすぐに電話は切れた。
1人にするのも危険だし、カズに委託しようか悩んでいたところだったので会長からの呼び出しには正直助かった。
コーヒーを飲み終え、子供の食事を見守る佐久也。
コーンスープが入ったスープカップを両手で持ち上げ飲もうとする。
まだ大分熱いコーンスープをそのまま飲むと火傷をしてしまう。
佐久也は待て、飲むのを止めてスプーンですくって飲むよう促す。
子供はスプーンを丸掴みで手に持ちすくって口に入れる。
スプーンの使い方がおぼつかず、掬ったスープが落ちていく。
見かねた佐久也が隣に移動し貸せ、とスプーンを手に持つ。
少し冷まして子供の口に運ぶ。
余程美味しかったのかもっともっとと口を開けて待っている。
「こういう食い方も美味いぞ。」
パンをコーンスープに浸してそれを子供の口に運ぶ。
一口食べると目を見開き輝きさせる。
この子供は今までどんな生活を送ってきたのだろうかと思えるほどに、ちょっとしたことで表情を明るくさせる。
子供に情が沸く前に孤児院なり施設に入れなければ。
そんなことを思いつつ子供の頭を撫でていた。
子供が食べ終わり、食器を洗っているとそういえば、昨日風呂に入らないまま寝てしまったな、と思い出す。
子供と一緒に入ってしまおう、と普段はシャワーで済ましているが、久々に湯を張る。
食器を洗い終え、椅子に座る子供に風呂に入ることを伝える。
すると途端に子供は怯え始めカタカタと身体を震わせる。
今までのような落ち着いた様子はなく、佐久也から離れるように先程まで寝ていた部屋へと走って戻っていく。
「おい!」
そこまで怯えるほどに風呂が嫌いなのだろうか。
だが服も着替えさせたいし、子供の今までの境遇を考えればろくに風呂も入ったことがないだろう。
病気のことも考えれば清潔にしておきたい。
子供は部屋の角に体育座りをして震えていた。
「おい、どうした?大丈夫か?」
肩に手を置くと体がビクン、と反射的に飛び跳ねる。
佐久也は子供が落ち着くように目を合わせて頭を撫でる。
ーこわい いやだ
子供の口はそう伝えている。
「俺も一緒に入る。何も怖いことは無い。」
子供にとって佐久也は命の恩人だった。
この人なら、苦しいことしないかも、
佐久也の目を見てうなづいた。
「ふ、いい子だ。行こう。」
子供をだっこして洗面所へと向かった。
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