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プロローグ12
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子供の震えは止まらず、顔を俺の肩にうずめる。
体が強ばって緊張しているのが伺える。
風呂への異常なまでの恐怖心を植え付けられた子供を見ると嫌でも親からの虐待を想像出来てしまう。
大丈夫だ、と体を優しく撫でる。
洗面所につき1度子供をおろし服を脱がせる。
…玉川から聞いてはいたが、想像以上の虐待の跡だ。
子供の体は無数の傷と痣で痛々しい。
飯もまともに食っていないせいで浮き出た肋骨と細い腕。その体には切り傷やタバコを押し付けたように見える火傷、打撲による痣、傷跡…。
新しく出来た切り傷がしみてズキズキと痛んでしまいそうだ。
子供を抱えて風呂の中に入り、子供を椅子に座らせる。
少しぬるく設定した湯船からお湯をすくいそれを体に流す。
やはり少ししみるのか顔を歪ませる。
「少し慣らせ。慣れれば少しは和らぐ」
ゆっくりと湯船をかけて体を温めさせる。
だいぶ落ち着いたのか体の震えは収まってきた。
体の痛みもだいぶ収まったようで気持ちよさそうにしている。
その様子を見て大丈夫そうだと判断して子供を見つつ先に体と頭を洗う。
まだ子供を保護して約3日だと言うのに忙しない毎日を過ごした。
子供のこれからを考え、あのクソ親への尋問もやらなければならない。
俺の仕事は公には言えない、手も汚してきた。だが子供には幸せに暮らして欲しい。
今までの苦しみも痛みも忘れるくらい楽しい人生を…。
俺のようにはならないように。
自分の体を洗い終えて次は子供を洗おうと見ればじっと佐久也を見つめている。
興味津々と言った感じで体をまじまじと見ている。
「どうした?」
子供が手を伸ばし佐久也の腕やお腹をつつく。
突然の行動に戸惑う。
ーかたい
そう口が動く。
「あぁ、鍛えてるからな。」
ーきたえる?
「運動して筋肉を育てるんだ。」
なるべく分かりやすいように伝えれば納得したように見える。
筋肉なんて無いような骨ばった自分の体を触り
ー俺もなりたい
「じゃあ飯いっぱい食って寝るところからだなお前は」
頭をくしゃくしゃと撫でてやると擽ったそうに目を細めて笑う子供を見て自分も自然と口角が上がった。
洗い終え、次は子供の番だと湯船から上がるよう促す。
椅子に座らせ、肌が傷つかないように、痛くないようにと優しく体を洗う。
それでもやはり傷にしみるのか体がビクッと反応したり我慢しているような顔をする。
全身を洗い終え、少しぬるめに設定したシャワーで泡を洗い流す。
「頑張ったな。」
そう言って頭を撫でて褒めると嬉しそうに笑う。
初めて出会った時より表情が明るくなり、頭を撫でる時に怯えるように目をつぶることも無くなった。
警戒心が無くなったことはいいことだが、あまり懐かれると離れる時に大変そうだ。
あまり甘やかすのも良くないか、と頭から手を離す。
頭も優しく洗い、2人で湯船に浸かる。
俺の体にもたれかかってまたウトウトし始める。
お湯が顔につかないように注意しながら、体が充分にあったまるまではこのまま支え続けた。
体が強ばって緊張しているのが伺える。
風呂への異常なまでの恐怖心を植え付けられた子供を見ると嫌でも親からの虐待を想像出来てしまう。
大丈夫だ、と体を優しく撫でる。
洗面所につき1度子供をおろし服を脱がせる。
…玉川から聞いてはいたが、想像以上の虐待の跡だ。
子供の体は無数の傷と痣で痛々しい。
飯もまともに食っていないせいで浮き出た肋骨と細い腕。その体には切り傷やタバコを押し付けたように見える火傷、打撲による痣、傷跡…。
新しく出来た切り傷がしみてズキズキと痛んでしまいそうだ。
子供を抱えて風呂の中に入り、子供を椅子に座らせる。
少しぬるく設定した湯船からお湯をすくいそれを体に流す。
やはり少ししみるのか顔を歪ませる。
「少し慣らせ。慣れれば少しは和らぐ」
ゆっくりと湯船をかけて体を温めさせる。
だいぶ落ち着いたのか体の震えは収まってきた。
体の痛みもだいぶ収まったようで気持ちよさそうにしている。
その様子を見て大丈夫そうだと判断して子供を見つつ先に体と頭を洗う。
まだ子供を保護して約3日だと言うのに忙しない毎日を過ごした。
子供のこれからを考え、あのクソ親への尋問もやらなければならない。
俺の仕事は公には言えない、手も汚してきた。だが子供には幸せに暮らして欲しい。
今までの苦しみも痛みも忘れるくらい楽しい人生を…。
俺のようにはならないように。
自分の体を洗い終えて次は子供を洗おうと見ればじっと佐久也を見つめている。
興味津々と言った感じで体をまじまじと見ている。
「どうした?」
子供が手を伸ばし佐久也の腕やお腹をつつく。
突然の行動に戸惑う。
ーかたい
そう口が動く。
「あぁ、鍛えてるからな。」
ーきたえる?
「運動して筋肉を育てるんだ。」
なるべく分かりやすいように伝えれば納得したように見える。
筋肉なんて無いような骨ばった自分の体を触り
ー俺もなりたい
「じゃあ飯いっぱい食って寝るところからだなお前は」
頭をくしゃくしゃと撫でてやると擽ったそうに目を細めて笑う子供を見て自分も自然と口角が上がった。
洗い終え、次は子供の番だと湯船から上がるよう促す。
椅子に座らせ、肌が傷つかないように、痛くないようにと優しく体を洗う。
それでもやはり傷にしみるのか体がビクッと反応したり我慢しているような顔をする。
全身を洗い終え、少しぬるめに設定したシャワーで泡を洗い流す。
「頑張ったな。」
そう言って頭を撫でて褒めると嬉しそうに笑う。
初めて出会った時より表情が明るくなり、頭を撫でる時に怯えるように目をつぶることも無くなった。
警戒心が無くなったことはいいことだが、あまり懐かれると離れる時に大変そうだ。
あまり甘やかすのも良くないか、と頭から手を離す。
頭も優しく洗い、2人で湯船に浸かる。
俺の体にもたれかかってまたウトウトし始める。
お湯が顔につかないように注意しながら、体が充分にあったまるまではこのまま支え続けた。
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