夢ノコリ

hachijam

文字の大きさ
206 / 275
暑い夢

4.

しおりを挟む
夏の屋内のプール、しかも、お盆と言う時期、混んでいるのかどうか想像がつかなかった。いわゆる観光地なんて場所には住んでいないので、この時期になると、街全体が静かになったような気がする。人も明らかに少ない。だったら空いているだろうと思ったら、甘かった。プールの近くに行ったら、車の列。最初は何で車が並んでいるのか、分からなかったが、すぐにそれがプールの駐車場待ちの列だった事が分かった。車の中の子供が浮き輪を持ってはしゃいでいるのが見えた。これは明らかにプール待ちだ。ちょっとびっくりする。

昔もプールは混んでいたけど、こんなに車で来ている感じでは無かった。そもそも、駐車場なんて昔は無かった気もする。そんな事を思い出す。何か一気にテンションが下がる。これだったら、入ってもまともに泳げないのではと思う。どうしようかなと思いつつも、そのまますぐに引き返すことせずに、とりあえず、様子を見てみようと思い、中に入った。

驚いたのは二つ、プールの構成と値段だ。昔は、何度もそう言っているのが切ない気もするけど、ただ大きなプールがひとつドカンとあるだけだった。一応、おまけ程度に子供向けのプールが用意されていたけど、そんな感じだった。今は、違う、まず、メインが流れるプールと言うのになっていた。しかも、ウォータースライダーなんてのもあって、僕がイメージしている市民プールとは違っていた。遊園地のプールと言うと、大げさだけど、それのミニチュア版みたいな感じだと思った。これだと、ただ泳ぐだけと言うのは難しいのかなと思ったら、競泳専用のプールと言うのもあって、25mプールの大きさみたいだけど、そこだとちゃんと泳げるみたいだ。これだったら、わざわざ車で来る人がいても不思議ではないと思った。

そして、値段がそこそこした。それこそ、遊園地のプールに比べれば、全然、安いし、これだけの設備があれば、納得はするなとは思うけど、昔のイメージしか持っていなかった僕は驚いた。もちろん、子供時代の記憶だけど、百円握りしめて、プールに行けば、帰りにアイスを買って帰る事が出来たなんてのを思い出すと、ちょっと高いのではと思ってしまうのも事実だ。値段上がっているのは覚悟していたけど、そんなにはお金を持ってきていない。これだと帰りにアイスは買えないと思う。

さて、どうしようか。ここまで来たんだからという気持ちもあるけど、入っても人ばかりだと思う気持ちもあってすでに帰りたがっている自分がいた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

不倫の味

麻実
恋愛
夫に裏切られた妻。彼女は家族を大事にしていて見失っていたものに気付く・・・。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

処理中です...