夢ノコリ

hachijam

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迷路に迷い込む夢

2.

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目が覚めて、少しホッとした気分になった。夢だと分かっていたような気もするけど、それでも、迷って焦っていた気持ちと言うのは本当だったような気がしたからだ。

迷路に迷い込む夢
出口は見つからない
迷ったまま

とりあえず、書く。

今日は、バイトの日だなと思う。夕べ、というか、朝方まで、何やっていたのか、良く分からない感じで起きていたので、目が覚めたのは、遅かった。午後からのバイトなんだけど、それにもギリギリと言う感じの時間だった。慌てて起きて、バイトに向かう。開始の時間には遅刻せずに間に合う事が出来たが、少し慌ただしかった。

先週はずっとバイトで、一週間空いて、いつものバイトと言う状態に戻ったのだが、何か物凄い久しぶりにバイトに向かっている気がした。その前まではそれが当たり前だったのに、この一週間で自分が知らない何かがあったのではと、浦島太郎の気分を味わうのではとか思ってしまった。

でも、そんな事は無かった。いつもと様子は一緒で、五分もいれば、感覚は戻った。今日は特別に忙しそうでもなかった。下山さんもいるし、大丈夫だなと思っていたら、社長が探していたよと言われた。事務に行くと、社長がいて、三戸さんの仕事を手伝うように言われる。えっと、少し思ったけど、大丈夫大丈夫と言われる。

何が大丈夫なんだろうと思うけど、先週の様子を考えれば、大丈夫だろうと思う事にした。三戸さんは午前中の配送を終えて、休憩していると言う。一度、倉庫に戻り、下山さんに状況を説明。頑張れと笑って言われて、三戸さんの所に向かった。何となく、疲れている表情の三戸さんがいた。

「真面目に働くのって大変…」

僕の顔を見るなり、そう言った。思わず、笑いたくなったけど、それだけ、真面目に働いているという事なんだろう。その様子を見たら、素直に信じたくなった。

今日の配送は荷物が多いという事で、一緒にと言う事らしく、特別に何かと言う事ではないらしい。その点はホッとしたけど、本当だったら、僕じゃなくても良かったようだ。心を入れ替えて真面目になったと自称しているとはいえ、これまでの三戸さんの態度を思うと、一週間ぐらいじゃ、誰もが信頼と言うところには至らない。社長や下山さんは大丈夫みたいだけど、それ以外はちょっと遠慮したいという雰囲気があるようで、だから、僕が頼まれる事になったらしい。

それぐらいは協力してあげても良いなと、少し偉そうな気持になりながら、三戸さんと共に配送に出かける。
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