231 / 275
待ちぼうけする夢
4.
しおりを挟む
僕と赤岡さんが住んでいるところには、映画館と堂々と言えるようなところは無い。昔は小さな映画館があったが潰れてしまったし、市民ホールみたいなところでたまに古い映画をやるくらいだった。だから、映画を見に行くには電車に乗って出かけていく必要があった。
電車に乗っていく映画館となると、選択肢は途端に広がる。どこも三十分も掛からずにたどり着けるので、どこの映画館を行くのかで少し悩むことになる。当然、見に行く映画が上映されているかどうかが一番重要だけど、僕たちが見に行くようないわゆる大作映画だったら、どこでもやっている。そうなると、どこに行っても同じだ。
空いている空いていないという判断も難しい。単純なお客さんの数で言えば、都心の方が多い気がするけど、それだけ人気がある作品だと、スクリーン数が多かったり、広い所でやっていたりするので、映画館自体はそんなに込んでいなかったりする。逆に都心から離れているところだと、そこしかやっていなくて、思っていたよりも混んでいたりする。
映画館の綺麗さとかだとどうだろうか。これまた、悩ましくて、少し前なら都心の方が圧倒的に綺麗な映画館が多かったが、そうでないところでも新しく出来た映画館と言うのも多く、昔からある都心の映画館の方がちょっと古臭く感じたりもする。
いろいろと考えたような考えないような結果として、現実的な選択として、僕たちは都心の方の映画館に向かった。理由は大学に向かう途中にあるので、定期が使えるというのが一番だった。交通費の節約にもなるし、それほど詳しくなくても、何となく知っているところの方が迷わなくて良いというこれまた現実的な選択だった。
映画を見る時に思う事のひとつとして、その内容に期待した方が良いのかどうかというのが個人的にはある。見たい映画であれば、その内容には期待したくなる。でも、期待が大きくなればなるほど、ガッカリしてしまう事がある。かと言って、ワザと期待しないで見に行くのも何か違うような気がする。
特に今回は自分から見たいと言い出した映画では無い。どこまで期待して良いのか正直良く分からなかった。赤岡さんがしきりに楽しみというのを連発していて、やっぱり、期待して良いのかなと思うけど、それでガッカリだった場合、どういう顔をして良いのか分からない気もした。
期待しすぎない、でも、ほどほどには期待する。そういう事が出来れば困らないのになと思ったりする。
電車に乗っていく映画館となると、選択肢は途端に広がる。どこも三十分も掛からずにたどり着けるので、どこの映画館を行くのかで少し悩むことになる。当然、見に行く映画が上映されているかどうかが一番重要だけど、僕たちが見に行くようないわゆる大作映画だったら、どこでもやっている。そうなると、どこに行っても同じだ。
空いている空いていないという判断も難しい。単純なお客さんの数で言えば、都心の方が多い気がするけど、それだけ人気がある作品だと、スクリーン数が多かったり、広い所でやっていたりするので、映画館自体はそんなに込んでいなかったりする。逆に都心から離れているところだと、そこしかやっていなくて、思っていたよりも混んでいたりする。
映画館の綺麗さとかだとどうだろうか。これまた、悩ましくて、少し前なら都心の方が圧倒的に綺麗な映画館が多かったが、そうでないところでも新しく出来た映画館と言うのも多く、昔からある都心の映画館の方がちょっと古臭く感じたりもする。
いろいろと考えたような考えないような結果として、現実的な選択として、僕たちは都心の方の映画館に向かった。理由は大学に向かう途中にあるので、定期が使えるというのが一番だった。交通費の節約にもなるし、それほど詳しくなくても、何となく知っているところの方が迷わなくて良いというこれまた現実的な選択だった。
映画を見る時に思う事のひとつとして、その内容に期待した方が良いのかどうかというのが個人的にはある。見たい映画であれば、その内容には期待したくなる。でも、期待が大きくなればなるほど、ガッカリしてしまう事がある。かと言って、ワザと期待しないで見に行くのも何か違うような気がする。
特に今回は自分から見たいと言い出した映画では無い。どこまで期待して良いのか正直良く分からなかった。赤岡さんがしきりに楽しみというのを連発していて、やっぱり、期待して良いのかなと思うけど、それでガッカリだった場合、どういう顔をして良いのか分からない気もした。
期待しすぎない、でも、ほどほどには期待する。そういう事が出来れば困らないのになと思ったりする。
0
あなたにおすすめの小説
鷹鷲高校執事科
三石成
青春
経済社会が崩壊した後に、貴族制度が生まれた近未来。
東京都内に広大な敷地を持つ全寮制の鷹鷲高校には、貴族の子息が所属する帝王科と、そんな貴族に仕える、優秀な執事を育成するための執事科が設立されている。
物語の中心となるのは、鷹鷲高校男子部の三年生。
各々に悩みや望みを抱えた彼らは、高校三年生という貴重な一年間で、学校の行事や事件を通して、生涯の主人と執事を見つけていく。
表紙イラスト:燈実 黙(@off_the_lamp)
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる