夢ノコリ

hachijam

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記憶喪失と言われる夢

5.

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次のページは個人の写真が並んでいて、これはすぐに誰だか分かる写真が一枚一枚並べられてその下に名前が書いてあるからだ。しかも、名前順。羽田篤郎なので、ハ行。名前の順だと後ろから見た方が早いけど、前から確認する。名前を見て、写真を見ると、こう言う奴がいたなとすぐに思い出す事が出来た。そこら辺の記憶は確からしい。

三年生の時、同じクラスだったかなみたいな少し怪しげな所もあったけど、でも、誰か分からない人はいなかった。そういう点では、自分の写真と言うのが一番見慣れなくて、違和感を感じてしまうのかもしれない。改めて、この時の自分の姿を認識する。やっぱり、幼いと思う。

個人写真を撮った時の事は何となく、覚えていて、一人一人、人数が多い中で流れ作業で行われていった。待ち時間が多くてぶつぶつと文句を言っていた記憶がある。至って真面目な顔で撮られているが、ふざけようとして、怒られていた人が何人かいたなと思う。取り直しさせられていた人もいた気がする。

僕はと言うと、やっぱり、睨んでいるような表情で、不機嫌そうに見えた。けど、この時、不機嫌な訳では無かった。カメラマンの人の後ろでふざけて笑わせようとした人がいて、それにつられて笑わないように堪えた結果、こんな結果になったのだ。そいつは笑わせる事自体には失敗して悔しがったけど、多分、僕のこの写真を見たら、ニヤッとしているに違いない。そんな事も思い出した。

女子の方を見ると、ア行の赤岡さんが一番最初にいた。やっぱり、幼い。でも、顔の感じは今でも変わらない。僕は再会してすぐにその顔を思い出す事が出来た事に納得してしまった。

女子の方の記憶は男子と比べると曖昧だった。名前を見れば、微かに記憶があるくらいで、違うクラスの子が間違って紛れ込んでいたなんて言われても、そうかもしれないと思う人もいたりした。誰が一番可愛かったのかなとか、偉そうに考えてみる。でも、ちょっと恥ずかしくなってしまい止めた。

あの頃はどうだったんだろうなと、何となく覚えているのに、それをはっきりと意識しないようにしている。別に誰かに指摘されるなんて事はないのだけど、それは今となっては、はっきりとしない物で、それを改めて考えてしまうと、壊れてしまいそうな淡い思い出で、そういうのを何となく、そのままにしておきたいと思ったからだ。そういう思い出に浸るのが出来るのが、卒業アルバムの良い所なのかなと思いつつ、そういう思い出に浸りたくないという気持ちが、卒業アルバムをめくるのが面倒と思わせる理由なのかもしれない。
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