夢ノコリ

hachijam

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何かを思い出す夢

2.

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「名前を知らなくて悪いと思って」

それが理由なのか良く分からない。でも、そう僕は言ってみた。

「名前を知らない事が悪い事?」

聞かれている事の意味が分からなくなる。それが理由で怒られたのではないか。

「だって、名前忘れているのは失礼だなと思って」

何だかふてくされた気持ちになってくる。

「名前を忘れているの?それとも知らないの?」

どっちなんだろう。

「分からない」

正直に言ってみる。

「それも分からないんだ」

呆れたように女の子は言う。

「でも、僕は君の名前を聞いた記憶ないから」

それも何だか言い訳めいている。

「キミが覚えていないのなら、ワタシの名前は無いのかもしれない」

女の子がそう悲しそうに言った。

「いや、だから、そうじゃなくて…」

今度は申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

「本当に覚えていない?」

そう言われると、それも自信が無い。浮かんでくる名前は無いのに、何でだろう。やっぱり、心のどこかで覚えていると思っているんだろうか。

その時、黒い長い髪の毛が気になった。黒い髪の毛、黒い、黒、あっと思った瞬間目を覚ました。



寝起きだからボーっとしているのはいつもの事なんだけど。いつもより更にボーっとしている気がした。でも、ボーっとしていては何かを忘れてしまうと思った。慌てて夢日記を開く。そして、メモする。

女の子の名前分からない
聞いたら怒られた

その後が続かない。何かをきっかけに何かを思い出した気がするけど、その何かが分からなかった。

もう一度、頭の中で夢であったことを再現しようと試みる。女の子の姿。長い髪の毛。黒い髪の毛、黒い、黒…。そこまで思い出した。

黒い髪の毛、黒い、黒

そうメモする。名前のヒントだろうか。それとも見た目のヒントだろうか。分からない。でも、僕は夢の中で何かを思い出した気がする。

何かを思い出す夢

そう書いてみたけど、何を思い出したのか、思い出せなかった。実際の所、本当に思い出したのかも良く分からない。思い出した気になっただけかもしれない。何しろ夢の中だ。しかも、思い出したことを確かめることが出来ない。なぜなら、覚えていないから。もう一度、寝たら、同じ夢を見るだろうか。そう思って、目を閉じたけど、考えると眼が冴えてしまって寝る事は出来なかった。

やっぱり、赤岡さんに聞いてみよう。そう思う。でも、聞いたら、夢の中の女の子のように怒り出すかもしれない。そう思うと尻込みしてしまう。だったら、聞かない方が良いのか迷ってしまう。
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