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ヒーローになる夢
4.
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三ヶ嶋君もすぐに僕に気が付き、軽く手を上げる。僕も手を上げながら、三ヶ嶋君に近づいた。
「早いね」
「羽田もな」
僕の言葉に即座に三ヶ嶋君が答えた。何だか、ちょっと照れくさい雰囲気が流れた。時計を見ると、まだ、時間はある。
「今日の予定、詳しい話、聞いてるの?」
「いや、全然。行く場所だけ」
三ヶ嶋君の質問に僕は答える。三ヶ嶋君はちょっと考え込む。何を考えているんだろうか。そう思っていたら、三ヶ嶋君がはっとした顔になった。三ヶ嶋君の視線を追うと、そこに赤岡さんと友達がいた。僕はすぐにこっちと合図を送るように手を上げた。それに赤岡さんが気付いたようで、二人で近づいてきた。どうやら、二人はどこかで待ち合わせて一緒に来たようだった。
「あれ、待たせちゃった?」
赤岡さんは時計を見て時間を確認する。
「いや、丁度、今来たところ」
と、僕が答える。
「水族館が楽しみで早く来てしまいました」
と、三ヶ嶋君。いつもより、ノリが軽い気がしたが、こういう受け答えを上手くやるのが三ヶ嶋君だ。普段とそれほど変わりない三ヶ嶋君の様子にちょっとホッとした。同じことを充が言っても場の空気をしらけさせるだけなに不思議だなと思う。
改めて考えると僕と赤岡さんはともかく、ほぼ初対面と言う感じのメンバーだった。とりあえず、お互いに軽く自己紹介したりする。赤岡さんの友達のメガネの子は加山美加と言うらしい。名前を間違えないようにしないといけないなと思ったりする。やっぱり、どことなく大人しい印象を受けた。こういう子が恋愛には意外と積極的だったりするんだろうか。このデートの目的を考えてそんな事を思ったりした。
僕はこのデートでどんな役割を演じたら良いのだろうか良いのだろうか。そんな事を思って、チラチラと赤岡さんの表情を伺った。赤岡さんは僕の視線に気づいて、チラッとこちらを見ると、大丈夫と言うような表情をした。何が大丈夫なんだろうと思いながら、状況に任せることにした。いずれにしろ、僕に出来る事と言えば、流れに逆らない事ぐらいだろうと思ったりもした。
赤岡さんと加山さんが先に歩き、僕と三ヶ嶋君が後に続くように水族館に向かう。赤岡さんと加山さんは楽しそうにおしゃべりをしながら歩く。時々、僕たちに向かって、流行りの水族館である事、どれだけ楽しみにしてたのかを話しかけてくる。僕が返事に困ると三ヶ嶋君がすかさずフォローしてくれて話が盛り上がる。こんなふうに、その日のデートは始まった。
「早いね」
「羽田もな」
僕の言葉に即座に三ヶ嶋君が答えた。何だか、ちょっと照れくさい雰囲気が流れた。時計を見ると、まだ、時間はある。
「今日の予定、詳しい話、聞いてるの?」
「いや、全然。行く場所だけ」
三ヶ嶋君の質問に僕は答える。三ヶ嶋君はちょっと考え込む。何を考えているんだろうか。そう思っていたら、三ヶ嶋君がはっとした顔になった。三ヶ嶋君の視線を追うと、そこに赤岡さんと友達がいた。僕はすぐにこっちと合図を送るように手を上げた。それに赤岡さんが気付いたようで、二人で近づいてきた。どうやら、二人はどこかで待ち合わせて一緒に来たようだった。
「あれ、待たせちゃった?」
赤岡さんは時計を見て時間を確認する。
「いや、丁度、今来たところ」
と、僕が答える。
「水族館が楽しみで早く来てしまいました」
と、三ヶ嶋君。いつもより、ノリが軽い気がしたが、こういう受け答えを上手くやるのが三ヶ嶋君だ。普段とそれほど変わりない三ヶ嶋君の様子にちょっとホッとした。同じことを充が言っても場の空気をしらけさせるだけなに不思議だなと思う。
改めて考えると僕と赤岡さんはともかく、ほぼ初対面と言う感じのメンバーだった。とりあえず、お互いに軽く自己紹介したりする。赤岡さんの友達のメガネの子は加山美加と言うらしい。名前を間違えないようにしないといけないなと思ったりする。やっぱり、どことなく大人しい印象を受けた。こういう子が恋愛には意外と積極的だったりするんだろうか。このデートの目的を考えてそんな事を思ったりした。
僕はこのデートでどんな役割を演じたら良いのだろうか良いのだろうか。そんな事を思って、チラチラと赤岡さんの表情を伺った。赤岡さんは僕の視線に気づいて、チラッとこちらを見ると、大丈夫と言うような表情をした。何が大丈夫なんだろうと思いながら、状況に任せることにした。いずれにしろ、僕に出来る事と言えば、流れに逆らない事ぐらいだろうと思ったりもした。
赤岡さんと加山さんが先に歩き、僕と三ヶ嶋君が後に続くように水族館に向かう。赤岡さんと加山さんは楽しそうにおしゃべりをしながら歩く。時々、僕たちに向かって、流行りの水族館である事、どれだけ楽しみにしてたのかを話しかけてくる。僕が返事に困ると三ヶ嶋君がすかさずフォローしてくれて話が盛り上がる。こんなふうに、その日のデートは始まった。
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