夢ノコリ

hachijam

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スパゲッティのお店の夢

5.

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「夢で言えば、俺も見たかも」

充の話に僕と三ヶ嶋君は即座に興味を示した。何よりも、例の正夢、予知夢の話があったからだ。実際、どこまで信じているのかは分からない所もあるけど、やっぱり気にはなった。

「なんかさ。女の子にずっと追っかけられるの」

充が見た夢と言うのは至ってシンプルだった。本当にただひたすら一人の女の子に追いかけられるという物だった。女の子の顔は良く分からなかったが、充曰く、とても可愛くて、熱心で、そんなに悪い印象を受け無かった。ひたすら、その女の子に気に入られて追いかけられたのだという。

「なんだそれ」

僕と三ヶ嶋君が同時にそう言った。

「でも、嫌な気はしなかったんだよな。なんて言うの、アイドルになった気分。そんな感じなんだよね。困るよとか言いながら、モテてる気分に浸るという感じ。分かる?」

こういう場合、分かると言った方が良いのだろうか。言っている意味は分かるがそうは言いたくなかったので、

「分からん」

と、これまた同時に僕と三ヶ嶋君は言った。これは正夢とか、予知夢とかでは無くて、ただの願望だなと思った。何だか、馬鹿馬鹿しい内容でホッとしてしまった。

「いずれにしろ、出会いを大事にしないとチャンスはやってこないという事だよ。分かるかね」

急に口調を変えて訴えかける充。

「で、だね。やっぱり、昨日、羽田が言っていた事を真剣に考えるべきだと思うわけだよ」

「あれ、昨日はそんなにやる気あったか?」

「いやいや、いつでもやる気だよ、俺は」

三ヶ嶋君の問いかけに反論する充。やっぱり、夢を見た事が影響しているのだろうか、僕はそんな事を思った。いずれにしろ、充にやる気が戻ってきたのはありがたいと思った。これで少し話が進みそうだ。

「で、具体的には?」

と、僕は聞いてみた。

「それはまだ」

と、はっきりと言う。

「なんだそれ」

と、僕と三ヶ嶋君。何だか同じパターンを今日は繰り返しているなと思う。

「まあまあ、やっぱり、どこかに飯でも食べに行くという感じが良いかなって思ってる。とりあえず、俺に任せてよ、大船に乗ったつもりで。」

「ほんとかな」

と、怪しんでみたが、やる時はやる男だと僕は分かっていた。これだったら大丈夫かなと僕は安心した。

「昨日言っていたカレーのお店は?」

「それも含めて検討中です。とりあえず、向こうの都合とかもあるだろ」

そうか、連絡役は変わらず僕なんだなと思う。でも、この流れには乗った方が良いと思った。そして、充の見た夢が正夢だとして、誰に追いかけられているんだろうというのだけが少し気になった。
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