夢ノコリ

hachijam

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4番バッターの夢

5.

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課題の提出は来週の火曜日に控えていた。今日が木曜日だから、木、金、土、日、月と5日ある。単純に日数だけを見れば、まだ切羽詰まっている状況ではないとも言える。ただ、月、火、水と思ったように進んでいない事を考えるとちょっと気持ちを引き締めた方が良いという気もする。

別にギリギリまで粘る必要も無く、片づける事が出来たら早めの方が良いには決まっていた。土日でバタバタするのも嫌だし、前日に焦って、最悪、徹夜なんて事になるのは避けたいと考えれば、今日、明日頑張るのが現実的だろうと思った。今日は空き時間もあるので、そこで一気に集中してやれば、目処は立つだろうと思った。

そうじゃなきゃ、いつまで経っても終わらないのではと言う気もする。大学に向かう電車の中でそんな事を考えていた。ただ、そんな風に気合を入れて、張り切っていると、予期せぬことと言うのは起こりがちで、結局、その日もそんな感じになる。

それは僕が電車を降りた直後に充の姿を見かけた事から始まる。同じ講義を受けるので、別に充を見かける事自体は不思議ではない。大概は大学で会う事の方が多いが、駅で見かける事が全くない訳ではなかった。だから、ちょっと珍しいなと思ったけど、特別に不思議では無いとは思った。

声を掛けようかなと近づこうかと思った直後、おやっと思う。誰かと一緒のようだ。当然、充には僕たち以外にも知り合いもいるだろうから、その事もそんなに不思議ではない。社交的な性格だから、違う学部の学生にも知り合いが多いなんて話は聞く、だから、その相手が見慣れない相手だと思っても、不思議では無かった。親しそうに話す後姿を見て、僕の知らない相手だと思い、僕は大学に着くまでは声を掛けるのを止めた方が良いかなと少し思った。

変に近づいて、気づかれるのも面倒だと思い、少し、歩く速度を下げて、距離を取ろうとした。そして、その時に気が付いた。その相手は加山さんの友達の沢島さんだったのだ。どういう状況なのか、良く分からずにどうしようか戸惑う。元々、自分から声を掛けようとはしていなかったけど、こういう状況だと、相手に気が付かれるのも嫌な気がした。

別になんの悪い事もしていないはずなので、そういう事を考える必要もないのだけど、何となく気まずい気がしてしまった。そう考えると、気づかれてはまずい気がした。僕は2人が視界から外れるのを待つ事にした。2人は僕が行っている大学とは違った方向に行くようだった。後を付けたらどうなるんだろうと少しだけ思ったけど、そんな度胸は無い僕は何だかドキドキした気分のまま大学に向かった。
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