竜探しのお話

hachijam

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4章.竜の研究者

14.

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仕事の内容としては、思っていたよりも大変だった。前にロットフートの洞窟に来た時に、それほどの危険性を感じなかったことから、警護の仕事としては、それほど大変ではないと思っていた。実際、危険な魔物に会う事も無く、その点では考えていた通りだった。干からびた魔物にも、黒い魔法生物にも遭遇しなかった。

それでも大変だと感じたのは、ホウミの要求が思っていた以上に厳しかったからである。ホウミは見た目としては、どこにでもいるような女性という感じで、仕事がそれなりに出来そうな感じではあったが、あまり厳しさは感じられず、優しい雰囲気を持っていた。そんなホウミの依頼だったから、そこまで大変ではないと勝手に思ってしまったのかもしれないと後でサントは気が付いた。

最初こそ、慎重に洞窟に入っていったホウミだったが、ひとつ気になる物が見つかると、その慎重さは無くなり、自分の興味のままに勝手に移動してしまうのだ。危険性は少ないとは言え、警護の仕事を任されたサントたちにとって、勝手に動くホウミを見失わないようにするのは大変だった。その上、次々と気になる鉱物を収集していき、それを持っていくように指示された。依頼された内容だったので、それは当然の事だったが、サントたちの想定を超えていたというのも事実だった。

一通り作業を終えた時には、サントたちはぐったりとしていた。ホウミは大量の鉱物を収集出来た事に満足だったようだ。更に洞窟の奥に進んで鉱物を探そうとしているのを見て、さすがにと思い、ラテアは一度研究所に戻る事を提案した。これ以上、持ち運ぶ鉱物が増えたら、魔物に襲われた時に、護衛する事が難しくなると考えたからだった。そこで初めて、ホウミは収集した鉱物が大量になっている事に気が付いたようだ。

「すいません。夢中になるとつい…。以前、バナさんにも注意しろと言われていたんですが…」

申し訳ないようにホウミが言った。ホウミはそれでもまだ探索を続けたいようだったが、その日は戻る事に同意してた。

その日はそれで仕事が終わり、続きは翌日になった。翌日も仕事の内容としては変わらず、鉱物の収集が続いた。昨日、自分で言っていたのにも関わらず、ホウミは夢中になると止まらなくなるのも変わらなかった。

結局、それから三日間、同じようにホウミに頼まれ、ロットフートの洞窟に通う事になる。日を追うごとに洞窟の奥に向かう事になり、その結果として、何度か魔物と遭遇する機会があったが、危険と思えるような魔物は現れなかった。干からびた魔物の死骸、魔法生物に遭遇する事も無かった。
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