竜探しのお話

hachijam

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4章.竜の研究者

13.

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「あの実験って何の事ですか?昨日のと何か関係があるんですか?」

バナの家に戻る途中、ラテアは気になった事を聞いてみた。

「…そうですね」

これまでと違って重い口ぶりでバナは続きを話そうとはしなかった。

「まあ、いろいろとあるんですよ」

そう言われると、ラテアも更に詳しい事は聞けなかった。バナの家に戻ると、ちょっと考えたい事があると言われ、バナは部屋に閉じこもってしまった。こうなると何を聞いてもダメだよとルメが言う。結局、それ以上詳しい事は分からずに、バナをそのままにリラとラテアは宿屋に戻る事になった。

サントたちも宿屋に帰っていて、四人で今後の事を相談する。話を聞いたサントは研究所で何が行われているのかが気になった。バナが話したがらなかった事情と言うのも気になっていたが、無理に話を聞きだす事も難しい気がした。バナが何か言いだすまでは待つしかないのかもしれないと考えた。ギルドの仕事の話をリラとラテアにして、もう少し研究所の様子を探ってみようという結論に達した。



「ソレデ、実験ノ結果ハ?」

暗闇の中から、その声が響いてきた。頭を下げて、別の声が答える。

「第一段階としては、まずまずかと。ただ、屑どもが邪魔したせいで…」

「言イ訳ハ良イ」

冷たい声が響いた。

「はい」

更に頭を下げる。冷や汗が出ていた。

「面白イ、本物ノ力ヲ持ツ者ガ現レタノカモシレナイ」

そう意味深に言う。

「それはどういう…?」

「…」

闇からじっと睨まれたように視線を感じる。無駄な事を聞くなと言う雰囲気が漂っていた。

「次ノ結果ヲ楽シミニシテイル」

そう言うと、声は消えた。



翌日、仕事を引き受けたサントたちは、全員でリアリ魔導研究所へと向かった。そこで待っていたのは、ホウミだった。リラはすぐにホウミに気が付き手を振って近づき、ホウミもサントたちにすぐに気が付いたようで、頭を下げていた。

「ホウミさんが依頼者だったんですね」

「ええ、私もサントさんたちが引き受けたという話をさっき聞いて驚いたんです。こういう偶然もあるんですね」

軽く挨拶して、ホウミは仕事の内容を説明する。

聞かされていた通り、ロットフートの洞窟に向かい、鉱物を探すというのが目的で、その荷物の運搬と魔物からの護衛と言うのが、サントたちに課せられた具体的な仕事だった。

「大変かもしれませんが、よろしくお願いします」

ホウミがそう言うと、早速という感じですぐにロットフートの洞窟に向かう事になった。
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