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4章.竜の研究者
44.
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「そうですか。マナウルフ如きじゃ、これが限界ですか」
ドレロは透明な石のようなものを取り出すと目の前に差し出した。その中に化け物体から現れた黒い煙が吸い込まれていく。
「やっぱり、もっと生きの良い、本当の力を持った者を利用しないとダメですか。予定とは多少違いますが、どうせなら皆さんに実験の結果を見てもらった方が良いかもしれません」
そう言いながらニヤッと笑った。
嫌な予感がするサントとファムは思ったが、ドレロの次の動きに警戒して、すぐに動く事が出来なかった。緊迫感が漂う。
「もういい、ドレロ」
緊張した空気の中でリアリの声が響いた。
「馬鹿なお前が考えた企みは全て無駄だ。もう諦めろ。もう少し出来ると思っていたが、がっかりだよ。お前に研究者としての才能は無い。雑用とか、金勘定なら、そこそこだが、それ以外は無能だ。それをいい加減自覚しろ」
冷たく言い放つ声が響いた。
「な、何を…」
たじろぐドレロ。
「最後にチャンスを与えても良いと考えたのだが…。やっぱり、無能な奴は無能に過ぎない。もう少し、マシな結果が出ると思って、やらせてみたが、本当に期待外れだ。いや、そもそも少しでも期待した私が馬鹿だったのか…」
リアリが首を振りながら言う。心の底からそう思っているようだった。
「ふ、ふざけるな。見てろ、天才だか何だか知らんがうぬぼれているお前こそ、ここで死ね。…そのための取っておきがある」
表情は引きつったままだったが、その気持ちを奮い立たせるようにドレロが言った。
「良いか、見てろ。本物の力を使った物を見せてやる。さあ、連れて来いホウミ…」
そう言って、ドレロの後ろから現れたのは、リラを連れたホウミだった。
「リラ」
サントとファムが叫ぶ。リラは意識が朦朧としているのか、ぼんやりとしていて、状況が良く分かっていないようだった。
「こいつにこれを使ったらどうなると思う?」
そう言いながら、黒い煙を吸い込んだ事によって、色が黒色に変わっている石を見せた。
「面白い実験になると思いませんか」
少し余裕を取り戻したように、ニタニタと笑うドレロ。
「おっと、動かない方が良いですよ」
ドレロがけん制するように言った。
「くっ」
サントとファムは動く事が出来なかった。
「さあ、ホウミさん。お嬢さんを連れてこちらに…」
ゆっくりとホウミがリラを連れて、ドレロの元に近づいていった。
「ホウミさん」
「ホウミさん。やめてください」
バナとラテアが叫んだが、その声は届いていないようだった。
ドレロは透明な石のようなものを取り出すと目の前に差し出した。その中に化け物体から現れた黒い煙が吸い込まれていく。
「やっぱり、もっと生きの良い、本当の力を持った者を利用しないとダメですか。予定とは多少違いますが、どうせなら皆さんに実験の結果を見てもらった方が良いかもしれません」
そう言いながらニヤッと笑った。
嫌な予感がするサントとファムは思ったが、ドレロの次の動きに警戒して、すぐに動く事が出来なかった。緊迫感が漂う。
「もういい、ドレロ」
緊張した空気の中でリアリの声が響いた。
「馬鹿なお前が考えた企みは全て無駄だ。もう諦めろ。もう少し出来ると思っていたが、がっかりだよ。お前に研究者としての才能は無い。雑用とか、金勘定なら、そこそこだが、それ以外は無能だ。それをいい加減自覚しろ」
冷たく言い放つ声が響いた。
「な、何を…」
たじろぐドレロ。
「最後にチャンスを与えても良いと考えたのだが…。やっぱり、無能な奴は無能に過ぎない。もう少し、マシな結果が出ると思って、やらせてみたが、本当に期待外れだ。いや、そもそも少しでも期待した私が馬鹿だったのか…」
リアリが首を振りながら言う。心の底からそう思っているようだった。
「ふ、ふざけるな。見てろ、天才だか何だか知らんがうぬぼれているお前こそ、ここで死ね。…そのための取っておきがある」
表情は引きつったままだったが、その気持ちを奮い立たせるようにドレロが言った。
「良いか、見てろ。本物の力を使った物を見せてやる。さあ、連れて来いホウミ…」
そう言って、ドレロの後ろから現れたのは、リラを連れたホウミだった。
「リラ」
サントとファムが叫ぶ。リラは意識が朦朧としているのか、ぼんやりとしていて、状況が良く分かっていないようだった。
「こいつにこれを使ったらどうなると思う?」
そう言いながら、黒い煙を吸い込んだ事によって、色が黒色に変わっている石を見せた。
「面白い実験になると思いませんか」
少し余裕を取り戻したように、ニタニタと笑うドレロ。
「おっと、動かない方が良いですよ」
ドレロがけん制するように言った。
「くっ」
サントとファムは動く事が出来なかった。
「さあ、ホウミさん。お嬢さんを連れてこちらに…」
ゆっくりとホウミがリラを連れて、ドレロの元に近づいていった。
「ホウミさん」
「ホウミさん。やめてください」
バナとラテアが叫んだが、その声は届いていないようだった。
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