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4章.竜の研究者
43.
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「どう思う?」
化け物との戦いに決着が付きそうな様子を見て、リアリがバナに聞いた。
「どうって?」
「あの魔法生物だよ」
「…」
「醜悪で知性の欠片も感じられない。そう思わないか?」
「…」
リアリはどこか忌々しそうに続ける。
「あれが、魔法生物の限界かと思うと、本当に幻滅する」
「…?」
そこに諦めのような感情を感じて、バナは戸惑った。あまり、こういうリアリを見た事が無い。
「やはり、魔法生物で竜と言うのは幻想なのか…」
考え込んでしまったようだ。
「そんな事は…」
ないと、はっきりとバナは言う事が出来なかった。これまでの実験結果から、その事は薄々と感づいていた。それをどういう発想で乗り切るのかを期待しているところもあったのだが、リアリにそう言われては何も言えなくなってしまう。
「やはり、中身だな…」
「えっ?」
最後に言った言葉はあまりよく聞き取れなかった。リアリの表情はさっきまでとは違っていつものような淡々とした表情になっていた。
目に見えて、化け物の動きは鈍くなっていた。ただ、化け物自身はその事に気が付いていないようだった。痛みも疲れも感じていない文字通りの化け物だと、ファムは理解した。
「一気に行くぞ」
サントは竜の力を維持し続けていたが、それがいつまで持つかは分からなかった。ここで止めを刺さないといけない。しかも、気掛りな事があった。
「やっぱり」
崩れ落ちた体から黒い煙が噴き出していた。あれをどうにかしないと、また別の化け物が形成される可能性がある。大元を叩かない限り、倒す事は出来ないと思った。
ドレロが化け物が倒されそうながら、まだ余裕を見せているのはそのせいだろうと思った。
かと言って、目の前の化け物をどうにかしないと話が進まない。サントとタイミングを合わせて攻撃をしながら、ファムは考えていた。
サントは自分の体の動きに驚いていた。まるで呪いを感じさせないスムーズな動きだった。ファムとの訓練で得た成果と言えるかもしれない。しかも、バナから受け取った、黒い石の影響か、痛みを感じる事も無かった。このまま、いけるという思いが強い。油断をする事は全くなかったが、確かな手ごたえ、自信と言うのをはっきりと感じた。こんな化け物には負けないと。
渾身の力を込めた一撃が化け物を貫いた。断末魔を上げて化け物が苦しむ。その体から一気に大量の黒い煙が出て、それに伴い体が崩れていく。
後はあの黒い煙をどうするかだ。ファムと同じ様にサントも考えていた。
化け物との戦いに決着が付きそうな様子を見て、リアリがバナに聞いた。
「どうって?」
「あの魔法生物だよ」
「…」
「醜悪で知性の欠片も感じられない。そう思わないか?」
「…」
リアリはどこか忌々しそうに続ける。
「あれが、魔法生物の限界かと思うと、本当に幻滅する」
「…?」
そこに諦めのような感情を感じて、バナは戸惑った。あまり、こういうリアリを見た事が無い。
「やはり、魔法生物で竜と言うのは幻想なのか…」
考え込んでしまったようだ。
「そんな事は…」
ないと、はっきりとバナは言う事が出来なかった。これまでの実験結果から、その事は薄々と感づいていた。それをどういう発想で乗り切るのかを期待しているところもあったのだが、リアリにそう言われては何も言えなくなってしまう。
「やはり、中身だな…」
「えっ?」
最後に言った言葉はあまりよく聞き取れなかった。リアリの表情はさっきまでとは違っていつものような淡々とした表情になっていた。
目に見えて、化け物の動きは鈍くなっていた。ただ、化け物自身はその事に気が付いていないようだった。痛みも疲れも感じていない文字通りの化け物だと、ファムは理解した。
「一気に行くぞ」
サントは竜の力を維持し続けていたが、それがいつまで持つかは分からなかった。ここで止めを刺さないといけない。しかも、気掛りな事があった。
「やっぱり」
崩れ落ちた体から黒い煙が噴き出していた。あれをどうにかしないと、また別の化け物が形成される可能性がある。大元を叩かない限り、倒す事は出来ないと思った。
ドレロが化け物が倒されそうながら、まだ余裕を見せているのはそのせいだろうと思った。
かと言って、目の前の化け物をどうにかしないと話が進まない。サントとタイミングを合わせて攻撃をしながら、ファムは考えていた。
サントは自分の体の動きに驚いていた。まるで呪いを感じさせないスムーズな動きだった。ファムとの訓練で得た成果と言えるかもしれない。しかも、バナから受け取った、黒い石の影響か、痛みを感じる事も無かった。このまま、いけるという思いが強い。油断をする事は全くなかったが、確かな手ごたえ、自信と言うのをはっきりと感じた。こんな化け物には負けないと。
渾身の力を込めた一撃が化け物を貫いた。断末魔を上げて化け物が苦しむ。その体から一気に大量の黒い煙が出て、それに伴い体が崩れていく。
後はあの黒い煙をどうするかだ。ファムと同じ様にサントも考えていた。
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