竜探しのお話

hachijam

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4章.竜の研究者

42.

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ファムは化け物の攻撃を辛うじてかわすと、注意を自分に向けさせる。とにかく、直撃はまずいと直感する。再び、化け物の咆哮が聞こえる。



「なあ、バナ。お前、持ってきているんだろ?」

いつの間にか、バナの後ろにリアリが立っていた。ファムの戦いの様子を見ていた、バナは一瞬、戸惑ったが、すぐに懐から黒い石を取り出した。

「これか?」

「さすが。分かってる」

「でも、これをどうすれば…」

「そこで苦しんでいる奴に渡してみろ」

「…?」

「良いから、やれ」

言われている事が理解できずに、でも、指示に従って、バナはサントに石を渡した。そもそも、サントがどうしてこれだけ苦しんでいるのかも良く分かっていなかった。魔法のダメージを受けているようには思えるが、それ以上に痛みを感じているようだった。

「さっき、戦って知ったのが、恐らく、こいつはマガモノの力を持っている。その呪いで痛がってるんだろう」

「えっ」

リアリの言葉を聞いて、バナは事情をすぐに理解した。だとすれば、黒い石を渡せと言った意味も分かる。

サントは急に渡された石を痛みに耐えながら握っていた。すると、少しずつ痛みが和らいでいくのを感じた。これなら動けるとはっきりと思えた。

「ほら、さっさとゴミの片づけを手伝え」

サントはリアリの方を睨みながらも、ファムを助けるために化け物のもとへと向かった。



攻撃をかわしている内に、ファムは単調な動きをしている事に気が付いた。まともに突進を受ければ危険だが、これだけ動きが直線的であるならば、攻撃をかわすのはそれほど難しくは無かった。ただ、反撃する機会には恵まれなかった。その上、少しずつ、速度が速くなっている気もする。こちらの体力の心配もある。向こうの化け物は一向に疲れる気配も見せていなかった。このまま、じりじりと戦いが長引くのはまずいと思った。

どうにか隙が出来ないか、ファムは突進をかわして、けん制するように軽く攻撃を加えて考えた。そこに気合の入った声が響いて、サントが飛び込んできた。呪いは大丈夫なのかと思ったが、動きを見ると違和感は無かった。

視線を送り、まずは自らがおとりになるように前に飛び出す。それにつられて化け物が突進してくるとすぐにそれをかわす。直後にサントの攻撃が加わる。すかさず、離れて、再び、ファムが化け物を煽るように再び前に飛び出す。それに化け物は釣られる。サントとファムの見事なコンビネーションで化け物に着実にダメージを与えていく。竜の力を解放したサントの一撃は重く、それによって受けるダメージの大きさは見た目にもはっきりと分かった。
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